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そこで基本に立ち返り、僕がフェーネルさんのどこに魅力を感じて、描こうかと思ったのかを考えました。答えは割とシンプル。おそらくは彼の「地味さ」。華やかな家族の中にあって堅実に、着実に候の補佐に回るその性質が、パパネシアの味だと思ったのです。
2017-01-02 23:08:05![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
であれば、それを引き立てる物語は何か。それはきっと「誰かを支える物語」だろう。では、誰を支える? 華やかな人間を支えるのでは、「原作における彼」と同じだし、何より彼にスポットが当たらない。二次で書くならむしろ、彼と似た後進を導く形で、彼が彼自身を語るのはどうか?
2017-01-02 23:08:28![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
そこで思いついたのが、〈黒剣〉のおかん、地味な副官の代表格(失礼!)レザリックさん。そういやよくアイザックくんとセルジアッド候は原作でも話をしているし、その補佐同士が会話をしてもおかしくない。自然だ。いける気がする。
2017-01-02 23:08:44![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
あまり内面が語られないレザリックだけど、彼もまた一人の若者。カリスマであるアイザックくんの脇に立ち続けると、自分の地味さにちょっと思うところがあったりするんではなかろうか。それは、もしかしたら、サラリア様やセルジアッド候の隣に立ち続けたフェーネルさんの通過した悩みでは?
2017-01-02 23:08:58![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただ、レザリックさんがそれを真っ直ぐにフェーネルさんに打ち明けてお悩み相談をするとは考えにくい。というか、それだけでは物語としての盛り上がりにかける。むしろこう、別のことをしている中でそれに気づくようなのがいい。バトルを通じて心を通わせる的な。剣に迷いが出ているぜ的な。
2017-01-02 23:09:11![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
でも、フェーネルさんは武闘派じゃないしなあ……どうしよう。悩んでいたときに、ログホラと同じくNHKでやっていたアニメ、「3月のライオン」を見たわけですよ。将棋! これだ! 対局を通じて心を通わせる二人! 将棋っておじさまっぽいし! ということで、新プロットが出来上がりました。
2017-01-02 23:09:39![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
適当な棋譜(将棋の対局の経過をまとめたもの)を調べ、二人のイメージに近いものを選択。実際に駒を動かしながら、思考とやりとりをトレースし、初稿完成。やったぜ! と思ったのですが。この初稿、超わかりにくかった。具体的には将棋部分が、そのまま棋譜の描写そのもの過ぎた。
2017-01-02 23:10:12![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
気づいたきっかけは主催の秋葉さんにお送りした感触。「あれ、これ、もしかして将棋知らないとよくわからなかった?」と青くなり、慌てて将棋部分を〈エルダー・テイル〉のスキルや職業にたとえて戦闘描写風にし、今の形となったというお話でした。
2017-01-02 23:10:29![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
「調べたことに振り回されてわかりにくい物語になるのは本末転倒」といつも自戒しているのですが、今回の初稿は見事にそれをやらかしてしまった形でした。気づかせていただいた主催様には本当に感謝。
2017-01-02 23:10:42![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
……ということで、おじさまアンソロ、楽しく寄稿させていただきましたし、どの作品も読者として満喫させていただきました。感謝! 以上、感想爆撃+αでした! ご興味を持たれた方はぜひ、通販等を調べていただければ!
2017-01-02 23:12:18