きせい氏による「艦隊これくしょん・遥かなる星」

きせい卿@木曜南よ-34a @kisei_mt

図上演習の結果人類敗亡が見えてきちゃったのでそれを隠しつつ「人類の記録保存」計画を策定する上層部とそれに気付いちゃった青葉、的な

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「･･･この『戦争』の特殊さは深海棲艦が占領地域を徐々に水に沈めてしまうという性質が関わっている。占領地を『奪還』しても、生産力が回復しないのだ。そして、あらゆる統計が既に深海棲艦の生産能力が我々のそれを上回っていることを示している･･･」

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@kisei_mt 「しかも、この『戦争』には講和と言う選択肢が初めから存在しない。人類の直面する初めての種族間戦争なんだよ、これは。そして我々はそれに敗北しつつある･･･」

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@kisei_mt 「･･･俄かには信じられません。それに、それとあなた方が企んでいる奇妙な資源の移動にどんな関わりが？」 「大いに有るんだよ、青葉。この戦いが始まったすぐの頃、各国の指導部による極秘の会合が持たれた。議題はひとつ、『負けるとなったらどうするか？』だ」

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@kisei_mt 「議論は紛糾した。当然だな。そもそも負けたときには人類はただ一人も残っていないのだからこの議論に意味はあるのか、と言うところから始めねばならなかった。」 「当たり前です！私達が何のために戦っていると･･･」

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@kisei_mt 「だが、結論は出た。たとえ人類が消え去っても、我々がいた証は残されねばならない。記録まで失うわけには行かない。」 「あなた達は一体何をなさろうと･･･？」 「記録はけして彼らの手に触れられぬところに保存されねばならない。だが地上に安全な場所はないと考えられた」

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@kisei_mt 「つまりな」提督は空を指差した。 「宇宙さ。計画は策定された。人類敗亡が確定した時点で、戦いの目的は変更される。残された生産力は、深宇宙に人類の記録を可能な限り残すこと、およびそれを可能にする時間を稼ぐことに回される。」

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@kisei_mt 「なっ･･･」 「この計画は、可能な限り極秘に実施されねばならない。計画が明るみに出ることは、社会のあらゆる部分における士気の崩壊を意味する。」 「では、どうして私に？こんな秘密を抱えて戦い続けろと？私に何をしろというのですか」 「やはり君は賢いな、青葉」

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@kisei_mt 「君には我々の仲間に加わってもらいたいのだ。感づかれないよう資源を集積し、ロケットを作る仕事にね。実のところこれだけの情報から我々の動きに気付いた君の能力を私は買っているのだよ」 「断れば、私はこの部屋から出られないんでしょう」 「好きな海を選ばせてあげるよ」

きせい卿@木曜南よ-34a @kisei_mt

@kisei_mt 「具体的には何を求められているのです」 「情報操作。妖精技術を用いたロケットの開発。そして保存すべき記録の編纂。秘密主義の弊害で、我々は手が足りていなくてね。押し付けたい仕事は山のようにあるのだ」 「そして、みんなには黙っていろと。我々に勝利はないことを」

きせい卿@木曜南よ-34a @kisei_mt

@kisei_mt 青葉は泣きそうな顔で提督を睨んだ。 「喜べよ、青葉。ロケットが見たいと言っていたろう？夢を叶えさせてやる」 古い記憶が、青葉の中に蘇ってきた。かつて自分に乗り込んできた報道班員。満天の星空を眺めながら早口にまくし立てられたいつか人々が宇宙を縦横に飛び回る未来。

きせい卿@木曜南よ-34a @kisei_mt

@kisei_mt 「司令官、あなたは本当に嫌な人です」 青葉はそう言うと、提督に対して見事な敬礼をしてみせた。 「青葉、ご命令をお受けします。何でもどうぞ！」 「大いによろしい」

ターレットファイター＠C99A木曜日む27b @BoultonpaulP92

深海棲艦に汚染されつくした地球から他の星へ移民を目指す人類を描いた艦これ二次創作「遥かなる星」