Bloodborne(プレステ4対応、ソニーエンターテインメントジャパン、フロム・ソフトウェア合同)　マスケッターのサーガ　その2　※ネタバレ注意

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　５８　パワーでこんな化け物と競り合いをするのは馬鹿げていた。俺は、脇腹に食い込んだままの戦斧を手離し、地面に身体を投げ出した。そのまま転がって奴の爪を交わし、起き上がりざまにピストルを抜いて拳を狙い撃ちした。　５９へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　５９　人間とは桁違いのサイズが仇になり、拳に易々と弾丸がめり込む。さすがに奴は怯み、俺は弾みをつけて懐に飛び込んだ。切り込んだままの戦斧の峰に蹴りを喰らわすと、刃はずぶっと沈んで心臓を裂いた。断末魔が中庭を揺るがせた。　６０へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６０　ようやくにも奴を倒し、改めて中庭を見渡すと、またランプが見つかった。つけてはおいたが、目の前にそびえる巨大な教会に入りたい。俺は、先を急いだ。正門に至る階段を上り、テラスに至ったところで、ちらっと目をよぎるものがあった。　６１へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６１　テラスの端に行くと、足元の壁に大きなひさしがあり、一人の女性が倒れている。俺は、ひさしに降りた。女性はまだ若いが、既に亡くなっていた。その右手から、赤いブローチがこぼれかかっている。俺は、ブローチだけをポケットに納めた。　続く

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６２　教会に入ったものの、中は無人で拍子抜けしそうになった。しかし、空気は無音のままビリビリした緊張感を伝えてくる。ガスコインさえ遥かに凌ぐ危険、いや、死地が俺を迎えているようだ。ともかく、正面玄関のほぼ真裏にあたる、集会場に　６３へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６３　足を踏み入れた。ぼんやりと、甘い香りが立ち込めているが、意外にも危険な雰囲気はない。部屋の隅に、ぼろ切れのような赤い服をまとった男がいるのには、とっくに気づいていた事だし。 「旦那。他所者だろ？　おっと、俺は敵じゃない」 ６４へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６４　うずくまったまま、彼は言った。まるで、ぼろ切れそのものが喋っているようだった。 「旦那。いい香りだろ？　俺が焚いたんだ。化け物は、この香りのせいで近寄らねえ。他にも病気じゃない奴がいたら、ここを知らせてやってくれよ」 ６５へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６５　身形の割には、まともな主張だった。悪意も感じない。責任は持てないが、うなずきはしておいた。……さておき、ここからどう進むか。教会の勢力からして、大聖堂が別個にあってもおかしくない。問題は、教会の上層部が余程馬鹿でない限り、　６６へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６６　他所者にやすやすと出入りを許可するはずがない事だ。搦め手から辺りをつけた方が、かえって能率的かも知れない……集会場には、外に続く大きなドアの他に、別な棟と隣接する小さなドアもあった。また、人形やゲールマンのいる館へ戻る　６７へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６７　ランプもある。ドアを確かめると、幸か不幸か、外へのドアだけは開いた。迷わずに済むのはありがたいが、選択肢がなくなると言う意味でもある。ともかく、集会場を……即ち教会そのものを……出た。すぐに、俺は人間に出くわした。獣化病に　６８へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６８　かかっていない人間に。逆説的に、教会に所属しているのは明白だった。身長が２メートルに達しようかと言う巨漢で、青白い陰気な顔をしている。そして、手にする杖は、木製であるにもかかわらず、俺の戦斧などマッチ棒程度に感じられる迫力　６９へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　６９　がある。そんな奴と目があった。巨漢は杖を振り上げ、俺はピストルをつきつけ、引き金を絞った。杖の石突きが、俺の鼻先に迫った瞬間、弾丸は巨漢の胸骨を貫いた。堪らず座り込んだそいつに、俺は一歩踏み込んで斧を振るい、喉から胃まで　７０へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７０　縦一文字に引き裂いた。ピストルをホルスターに納め、空いた左手を傷口に突っ込み、生暖かくも脈打つ心臓を手探りで掴み、握り潰す。さしもの巨漢も、声にならない悲鳴を上げ、事切れた。今回はうまく行ったが、いつもそうなるとは限らない。　続く

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７１　敵を倒しながら進むと、細く狭い路地に来ていた。教会や大聖堂は、丘の上にあり、市街地を見下ろすようになっている。建物を上へ上へと建増ししたので、いつの間にか相当高い場所に来ていた。その途中、道路が少し空中に競り出した形で、　７２へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７３　歩行者がすれ違う為にこしらえた路側帯があった。路側帯には、一人の人物がこちらに背を向けて立っている。教会の一員なのは、服装から推察出来た。にもかかわらず、殺気はない。それでいて、こちらが仕掛ける隙は全くなかった。　７４へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

あ、番号が飛んだ。まあいいか。

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７４　 「どこか、お急ぎの御用ですか？」 　ゆったりした口調で問いつつ、その人物は振り返った。いざ面と向かうと、長年の鍛練からくる威厳が、柔和な表情の蓋をすかして漏れ出ていた。 「大聖堂に入りたい。要領を知らないか？」 　７５へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７５　 「存じております。ですが、よろしければ、あなたが見聞したお話と交換したい」 「いいだろう」 　俺は、かいつまんでこれまでに得た情報を伝えた。 「ありがとうございます。この道をそのまま下ると、旧市街に出ます」　７６へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７６　 「旧市街の一番奥に居座る獣……猛毒を持つ、血に飢えた獣を倒せば、集会場にある小さな扉が開きます。そこから、別棟の医療工房を経由しなさい。あとは、一本道で大聖堂へ行けます」 　遠回りと言うよりドサ回りだが、やるしかない。　続く

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７７　「それから、まだ自己紹介を済ませていませんね。私はアルフレートと申します。ビルゲンワースの一員でした」 　俺は、自分の名前を名乗りつつも、聞き慣れない固有名詞に首を捻った。 「ビルゲンワースとは、一種の研究機関です」　７８へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７８　「研究機関？」 「神の叡知を得る為の機関だったのが、いつの間にか、神そのものになろうとする機関になってしまいました。だから私は、袂を分かったのです」 　アルフレートの容貌に、僅かに愁いが降りた。 　軽く礼を言って、　７９へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　７９　先を進もうとする俺を、アルフレートは呼び止めた。いつか必要になるだろう、と、幾つかの品々を俺に手渡す。特に、近接武器に炎をもたらす発火ヤスリは使えそうだ。今一度、もっと深い感謝を述べて、俺は旧市街へ至った。　８０へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　８１　旧市街……深刻化する獣化病に対抗し切られなくなった教会が、最後の手段として、市の一部を焼き払った区域。結局、焼け跡に後から獣化病患者が入り込み、元の木阿弥になってしまった。そんな愚かしさの象徴めいた区画を、　８２へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　８２　数歩進むと、頭上に数発の弾丸が白い筋を残して通り過ぎた。威嚇射撃ながら、相当な火力と腕前だ。兵士を経験していれば、狙撃兵と同じくらい不吉な存在……ガトリング砲なのがすぐ分かる。ベルトで弾薬を供給し、ハンドルを手で回し　８３へ

ぞろ目の八ことマスケッター（旧1d6） @hm1d6

Bloodborne　マスケッターのサーガ　８３　続ける限り、何千発でも続けて撃てる。 「他所者！　ここにいる獣化病患者は、れっきとした人間だ！　お前や教会の連中に殺す権利はない！　速やかに立ち去れ！」 　男の怒鳴り声が、遥か向こうの尖塔の頂上から響いた。　８４へ