旧日本軍における『ドゥーエ的制空』から『航空撃滅戦』への移行

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錆猫 @Nyar_Horten

敵機の襲来と云ふことは面白くない話であつて、襲来し得ぬほどに當方の空軍が優勢であるか、又は敵空軍の根據地―陸地であらうと航空母艦であらうと―を破壊して息の根を止めて仕舞ふか、それが望ましいのである。つまり最良の防禦方法は機先を制するところの攻撃にあるのだ。

2011-03-01 06:20:40
錆猫 @Nyar_Horten

然しながら空は立體であり、あの廣大無邊の空域を完全に封鎖すると云ふことは甚だ困難である。完全な防禦は空全部を弾丸で埋めて仕舞はねば出来る話ではない。基地を出發した敵軍用機は、如何なる間隙を縫つてでも、味方都市に迫るであらう。

2011-03-01 06:21:22
錆猫 @Nyar_Horten

以上、昭和十六年發行の「航空輸送の常識」より抜粋。制空という言葉こそありませんが、内容はドゥーエの制空に近いものがあります。また、同時に航空攻撃の阻止が困難である事も示唆していると言えるでしょう(空間的言及だけで、時間までは入っていませんが)

2011-03-01 06:22:33
錆猫 @Nyar_Horten

尤も旧海軍は昭和十二年の支那事変の戦訓以降、陸上作戦に於いてはドゥーエ的制空から、敵兵力の空中撃破を基本とした航空撃滅戦に重点を移しているようですが(逆に陸軍は昭和十二年以降、ドゥーエ的制空重視に転向、昭和十八年に其れが機材的に不可能と判断されるまで続きます)

2011-03-01 06:25:36
錆猫 @Nyar_Horten

ちなみに、確か戦前から戦中にかけての雑誌「海と空」辺りで制空云々は採り上げられていたような記憶が無きにしも非ず(眉唾推奨情報)

2011-03-01 06:26:30