#twremix @naholograph 居酒屋の前で休んでいたら、真っ赤な顔の彼がやってきて大丈夫?と訊いて来た。何度も大丈夫と答えたが聞く耳持たない。仕方なく一晩世話になった。翌朝、御礼に味噌汁を作ると彼が起きてきた。…すまん、俺の方が酔ってたな。これが今の彼氏、赤鬼です。
2017-02-02 00:12:15
子供の頃よく買い物に行っていたスーパー、久しぶりに行ってみたら駐車場になっていた。バスをよく待ったターミナルはいつの間にかアパートになっている。変り行く街並みを見て「写真を撮っておけばよかったかな」と思う。あの風景は記憶にあるだけで、幻であるかのように感じたから。#twnovel
2017-02-01 11:00:02子供の頃によく行った駄菓子屋さんがまだちゃんとあった。幼い記憶のままの瓦屋根の建物。汚れたガラスの木製の戸。そしてそこにいるおばちゃんもあの頃のままだ。おばちゃんは「おかえり」と言って笑った。あの頃と同じようにわたしはおばちゃんを見上げていた。@kazue555 #twremix
2017-02-02 00:18:34久し振りに帰った故郷。のどかだったはずの故郷は、ビルが建ち並ぶ喧騒の街へと姿を変えていた。あまりの変りように子供の頃過ごした故郷が幻だったのかとさえ感じられ始めた頃、昔よく行ったが駄菓子屋がいまだ健在であるのが目に入った。3-1 @harukaumino #twremix
2017-02-02 22:15:38ひなびたあの建物、昔のままだ。店番をしていたおばあさんはどうしただろう。いじめっ子に追いかけられた僕をよく匿ってくれたっけ。そんなことを考え、店のガラス戸を開けると、昔と変わらない店内に僕が憶えていた通りのおばあさんが座っていた。3-2 @harukaumino #twremix
2017-02-02 22:17:26満面の笑みで迎えられた僕は思わず「おばあちゃん」と声をあげた。子供に戻った僕はおばあちゃんに甘える。窓から見えるのは昔の街並み。穏やかで温かい。このままここにいてはいけない気がするけど、あと少しだけこの安らぎに身を任せたかった。3-3 @harukaumino #twremix
2017-02-02 22:18:10店の奥の畳の部屋でお菓子を食べながらおばあちゃんがいれてくれたお茶を飲んでいた時、店の前の道を買い物帰りのお母さんが通った。若い頃の僕のお母さんだった。そう、僕がまだ子供の頃に死んでしまったお母さんだ。店を飛び出して夢中で追いかけた。3-3-A@kazue555 #twremix
2017-02-02 23:30:53お母さんが角を曲がって歩いて行った。僕は泣きながら追いかけたけれど見失ってしまった。気が付くと街はもう姿を変えていた。灰色のビルの立ち並ぶ騒がしい街だった。そしてたぶん、僕の姿も大人に戻っているのだろう。3-3-B @harukaumino @kazue555 #twremix
2017-02-02 23:40:13
すっかり日付変わってますが、31日分のついのべはこちらから「隣人は殺人鬼」を選択です。 字数の壁は今日も高く険し(黙ろうか) ではどうぞ(^o^)/ twitter.com/kaikoubot_00/s…
2017-02-01 01:00:11穏やかな微笑で花に水をやっている隣人は殺人鬼だ。と言っても誰も信じないだろう。街を騒がせる連続殺人の犯人は彼だ。そうと知りながら何故黙っているのかって?私が彼を殺人鬼に育てたからだ。私の後継者として。彼は素質がある。実に鮮やかな手際で私を最初の犠牲者にしてくれた #twnovel
2017-02-01 01:01:32私の主人は人殺しなの。そう。人を殺すのがお仕事。ほら、今日もまた殺されたい人が行列してる。主人は人がちゃんと幽霊になるように殺す方法を極めたのね。誰にも気を遣わず、この世を眺めて暮らして行ける幽霊になりたい人がこんなにもたくさんいるんですよね。@ryuka511 #twremix
2017-02-02 00:27:12#twremix @ryuka511 穏やかな微笑で花に水をやっている隣人は殺人鬼だ。と言っても、誰も信じまい。街を騒がせる連続殺人の犯人は彼だ。そうと知りながらなぜ黙っているのかって? 彼がもう死んでいるからさ。彼に殺人術を教わった私がこの手で仕留めた。そこにいるのは死体だよ。
2017-02-02 00:54:33
小学一年生から毎年、日記帳を新しく買った。それは立派な装丁の鍵のかかる日記帳だった。毎年一冊その日記帳が本棚に増えて行った。誰に見せる事もなくずらりと並んだ日記帳はちょうど80冊になった。私は今臨終のベッドの上だ。あの日記帳が全て白紙だと判ったらみんな驚くだろう。#twnovel
2017-02-04 17:13:56#twremix @marinegumi 毎年、新しい日記帳を買った。立派な装丁の鍵のかかる日記帳だ。今年でもう八十冊。実は、日記を書いたことは一度もない。死後、誰かが中を見て驚くだろう。ふと、一冊を手に取った。…なぜだ。五十年前の出来事が詳細に記されていた。次の日も、次の年も。
2017-02-04 17:36:04