茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第2026回【神の沈黙】連続ツイート

2017.2/11 茂木健一郎氏 【神の沈黙】連続ツイート …神学上の論争は多々あるが、その中でもっとも興味深いことの一つは神の「沈黙」であろう。もし今仮に神が宇宙をつくり、その中で人間が進化してきたとして、どうして神は沈黙をしているのか。不正や悪に対して介入しないのか…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2026回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

2017-02-11 07:27:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

神学上の論争は多々あるが、その中でもっとも興味深いことの一つは神の「沈黙」であろう。もし今仮に神が宇宙をつくり、その中で人間が進化してきたとして、どうして神は沈黙をしているのか。不正や悪に対して介入しないのか。

2017-02-11 07:28:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

現代においては「無神論」(atheist)を標榜する人が増えていて、人間の倫理の起源も科学で説明できるという立場が多いが、それでも、この宇宙が存在するという事実自体は驚異であり、神という概念を使うかどうかは別として、不思議であることは確かだ。

2017-02-11 07:29:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

遠藤周作の『沈黙』は、神の沈黙の問題を扱っている。だから、今回マーティン・スコセッシ監督が映画化したように、普遍的な関心を惹く。なぜ、神は宣教師たちの苦難を前になお沈黙しているのか。そこに人間は不条理を感じる。

2017-02-11 07:31:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

神学上の議論は、論理学との結びつきが強い。神の沈黙の問題も、逆に、神が沈黙を破って介入するとしたら世界はどうなるのか、ということをつきつめて考えると、答えが出るのではないかと考える人もいるし、それでも答えはでないと考える人もいる。

2017-02-11 07:32:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

認知科学的な側面から他者性や共感、コミュニケーションの問題を扱うことはできるが、それには扱える事象の範囲という意味で限界があって、その先には、主観的体験の私秘性や間主観性の問題など、認知科学では扱えない問題群が横たわっている。

2017-02-11 07:34:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

神の沈黙の問題は、いわば、主体の孤立をめぐる問題群の「ラスボス」であり、人格神を否定する、無神論的な立場から考えても興味深い問題である。個人的には神の沈黙の問題を考えていると魂がひんやりとすると同時になぜか晴れ晴れとしてくる。

2017-02-11 07:35:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2026回「神の沈黙」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2017-02-11 07:35:51