三崎尚人による、同人における「魔動王グランゾート」ブームの解説

三崎尚人 @nmisaki

１）グランゾートのブームがわからんという人が結構いたので解説。TVが89年4月～90年3月。コミケでジャンルができたのがC40(91年夏）で、「ワタル・グランゾート」という変則スタイル（C49まで）。Ｃ翼→星矢→トルーパー→シュラトと女性系パロディが盛り上がる次のジャンル（続く）

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２）規模的にはC40で約250SP、C41がピークで約340SP、C42で約250SP。そこからゆるゆると減っていく感じで推移したので、ジャンルとしては、それほど大きくはない。だからこそ2作品まとめての変則なジャンルとなっている（続く）

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３）この当時はサンライズ作品は女性系の当たり作品が多く、この後には、メタルジャック、サイバーフォーミュラ、勇者シリーズ、エルドランシリーズをひとまとめにしたジャンルも作られた（続く）

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４）ちなみに、当時ライジンオー、ガンバルガー、ゴウザウラーをまとめる名称がなく、エルドランシリーズという言葉は、公式よりも早くコミケットが使ったはず（作ったのは某ミケさんだ←内輪ネタ）、というのは全くの余談（続く）

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５）グランゾート同人の主なサークルは、紫宸殿、陵亭、額田屋小売店、プロパンガス、 グレート大魔神、PEPPY BLUE、私だけの十字架、あつあつCOOCKなどなど（続く）

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続くにしましたが、一旦切ります。

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引き続き…。

三崎尚人 @nmisaki

１）グランゾート同人で別格の人気を博していたのが、橘水樹＆櫻林子の紫宸殿。当時幕張から戻ってきたコミケットは、晴海の各ホールの少ない出入口で、混雑サークルを捌くため、各ジャンルの大手サークルを抜き出して南館・Ａ館に配置するという体制を取っていた（続く）。

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２）特に南館は夏12サークル、冬６サークルの混雑サークルしか配置しない（冬は片面をおせち料理の詰め込みが使用）という形を取っていた（さすがにもったいないのと運用が難しいので２回で廃止）。ワタル・グランゾートが最もサークル数が多かったC41の時、南館に配置されたのが…（続く）。

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３）鳥羽笙子＆冨樫ゆいか（現松岡なつき）の光輪騎兵団、尾崎南の怒悪流、えみくり、新田真子のUNION OF THE SNAKE、たつねこの炬燵屋、そしで紫宸殿の６サークルだったことからも当時の人気の程がわかろうというもの（続く）

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４）紫宸殿がなぜそんなに人気があったのか？　グランゾートを元に重厚な作品世界を独自に展開し、それを何度も数百ページの長編として結実させた物語の力とそれを支える流麗なキャラクターと画力、さらに凝りに凝りまくった同人誌でなければ実現不可能な装丁…（続く）

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５）こうしたもの全てがジャンルを超えて当時の多くの女性達を熱狂させた。時は疾風怒濤の女性系同人誌ブームということもあった。ちなみにメインシリーズは、97年～00年サンライズの許諾を得て(!)、ビブロスから商業コミック化されてもいる（表紙を見ると、グランゾートのロゴが入っている）。 pic.twitter.com/sQJR0LveRz

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６）また、03年にグランゾートのDVDボックスが発売されるとき、特典として芦田豊雄のポスターに加えて、橘水樹＆櫻林子のポスターがつくという（！）、ビジネスとしてはわかるがそれアリなの？　と少々ザワザワさせた企画もあったりした（笑）。

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７）Ｃ翼以降、パロディが原作の枠を超えて、自由なオリジナリティを発揮していく、80年代後半から90年代前半の女性系ジャンルの有り様のひとつの頂点が、まあここにはあったのです。昨日からのツイートで、このシリーズの同人誌だけはずっと持ってるという女性の声を多いこと。その気持ちわかる。

三崎尚人 @nmisaki

まあ、そんな時代のお話。