茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第2032回「創造性と夢」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月17日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート2032回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は感想です。

2017-02-17 07:44:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

創造性の種になるのは、自分の中に蓄積した記憶や経験であるが、それが結びつきや組み合わせを変えて出てくる時には、元の痕跡を留めないくらいに変貌している。だから、創造者にとっても、生まれてくるものは意外に思えるのである。

2017-02-17 07:45:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

このような創造性のメカニズムをいちばん日常的に経験できるのは「夢」である。ある研究によると、夢の中には過去一週間くらいの経験の要素がばらばらになって結びついて出てくることが多いことがわかっている。一週間は記憶の定着における一つの目安の時間だ。

2017-02-17 07:46:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

夢の素材は、自分自身の現実の経験なのだが、それが大きな変貌をとげ、深いところで結び付き、組み合わせを変えて生まれてくるので、もともとの素材が何だったのか、それがどのように変容してアウトプットされているのか、本人にもわからないことが多い。

2017-02-17 07:48:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

河合隼雄さんは、「夢というものは本人にとっては盲点であることが多いから、その意味は自分にはわからない」とおっしゃっていた。よく訓練された専門家ならばわかることがある。しかし、その専門家が本人に近づきすぎると、盲点を共有するようになってわからなくなると河合さんは言った。

2017-02-17 07:49:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

夢は、創造性の一つの指標になる。夢くらいよくわからない、痕跡をたどることができない新しいアウトプットを生み出すのが、創造性が機能している証拠である。夢のように、論理の脈絡が辿れないプロセスを保つことができるかどうかで、創造性の質が決まる。

2017-02-17 07:51:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

夢を理解する一つの鍵は、情報が単に情報として結びつくだけでなくて、そこに感情のバイアスやひずみ、志向性が加わることだ。夢は、情報の整理、統合だけでなく、感情の整えにも関わっている。この点が、創造性を解明する上で重要なポイントとなる。

2017-02-17 07:52:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート2032回「創造性と夢」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2017-02-17 07:53:22