@sq_tale 側で寝息をたてているクレスの髪をそっと撫でる。 最近よく、僕が寝てから潜り込むようになってきた。猫じゃないんだから自分のベッドで寝なよ…とは思うのだが。
2016-10-24 23:10:30@sq_tale 起こさないようにベッドを抜け出し、朝の作業にかかる。 クレスの機械鎌の予備部品を整理しつつ足りない部品の確認。…そろそろ少なくなってきた。
2016-10-24 23:11:31@sq_tale 今日は買い出しかな…と考えているとベーコンの焼ける香ばしい匂いが漂ってきた。チェリーニャがジャック先生の分も焼いているのだろう。 ほどよい空腹感を覚えつつあの時を思い出す…。
2016-10-24 23:11:49@sq_tale ―――薬が効いてクレスは発作がなくなった。身体も回復に向かうだろう、とジャック先生は告げた。だが、と先生は続けようとして黙ってしまった。 分かっている。クレスは生まれつき身体が弱かった。そして瘴気体質。長くは生きられないだろう。
2016-10-24 23:12:29@sq_tale 後日改めてクレスと一緒に話を聞く。どうやら発案者はラグニアさんだったらしく、彼女も今日は同席している。…謎の多い人だ。 竜の血が体に馴染むまで数日間苦痛を伴うであろうことを告げられてなお、クレスは前を向いていた。 「オレは約束したからな、生きるってさ」
2016-10-24 23:14:02@sq_tale 二人で血を服用した後、体の内側から燃えるような痛みが2日間は続いた。ベッドの上でのたうちそうになるのを堪え、クレスの手を決して離さないように耐え続けた。
2016-10-24 23:15:45@sq_tale ようやく痛みも引いてきた頃、額の汗を拭ったクレスは溜息をつくように言った。 「なあアン、腹減った…」 ごもっともだ。まる二日何も食べていない。おまけに今は朝方だ。チェリーニャが朝の支度をしている時間である。 『朝ごはんにしよっか…』
2016-10-24 23:16:03@sq_tale ―「ほらほらお二人さん起きた起きた!」 チェリーニャが起こしに来た。思い出してる間に船を漕いでいたらしい。 「仲がよろしいのは結構ですけど!朝ごはんには降りてきてよねぇ」 面目ない、と返した僕に悪戯っぽい笑みを浮かべてチェリーニャは戻っていった。
2016-10-24 23:16:59