-GC after ある流星の10年後-

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@fightsongRP @sion_TYA ここまでとは。 邸内の修理がまた大変そうだなと思いつつ、書類にサッとサインをして顔を上げる。 扉越しに聞こえる声は弾んでいる。何か、彼女にとって嬉しいことがあったらしい。であれば、是非とも聞きたいものだ。 「構わないよ。どうぞ？」

柴真珠&丈一郎 @fightsongRP

@hisyabun_sk @sion_TYA 扉 開けると おひさまのひと 「オリオン」 嬉しい 弾む声 手 繋いだまま 「ヴィンス」 「来たの」 「だから」 「紹介」 「したくて」 自然 笑顔 少し 早口 「私の」 「家族」 振り向き 手 引いて

望月詩苑 @sion_TYA

@fightsongRP @hisyabun_sk 「カテーナが世話になった。迷惑をかけ...てるな」 過去形にしようとしてどう考えても現在形にせざるを得なかった。 「礼を言う」 丁寧に一礼する。 しかし、手を繋いだまま、というのは少し恥ずかしい。

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 入室を促せば、仲良く手を繋いだ男女二人が部屋に入って来る。二十歳を過ぎたかという年頃の女と、彼女に付き添う少年。甘酸っぱい光景に、自然とオリオンの頬も緩む。 「彼がヴィンス、か。フミヅキから名前だけは聞いていたよ」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP カテーナと、続いてヴィンスを見る。年齢のせいか、ついつい視点が父親目線になってしまう。カテーナは幾分大きく成長したが、その天衣無縫さは変わらず。最初に訪れた時よりずっと綺麗に笑うようになった。良い傾向だろう。 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 対するヴィンスは、燻ぶった感情を奥に秘めている目をしている。少し危うさがある少年だ。独りの女を幸せにするには、少し心許ない。 けれど、彼女が選んだ相手なら。礼儀もなっているし、カテーナと交わす視線はしっかりとした愛情に満ちている。 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 「家族……というと、つまり婚約者ってことかい？」 カテーナの言葉の意味はおそらく異なるのではないか。それを理解していながら、あえてオリオンはそう尋ね、やんわりと微笑みつつ首を傾げてみせた。

柴真珠&丈一郎 @fightsongRP

@hisyabun_sk @sion_TYA 「こん」 「や」 「く」 「しゃ」 瞬く 言葉 するり 落ちて 入って 風 ザアア しゃらん 鎖が 鳴る 「……え、と」 顔が 急激 濁流 熱い →

柴真珠&丈一郎 @fightsongRP

@hisyabun_sk @sion_TYA 違う 否定 するの は 「………っ」 なんで 出来ない 肯定 するに は 「……あ」 隣の 彼 助け 求める様に

望月詩苑 @sion_TYA

@fightsongRP @hisyabun_sk 「え、あ。えと...た、多分カテーナは違う意味、だと、思、て...」噛み噛み。 「えっと、その！と、とにかく家族で多分婚約者とは違う、と思う」頭がオーバーヒートする。顔が熱い。落ち着かずに握っていない方の手がパタパタ。→

望月詩苑 @sion_TYA

@fightsongRP @hisyabun_sk 「...あ」 壁に少し穴が空いた。 「...も、申し訳ない」

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 邪紋使いの照れ隠しは凄い。もう凄い。それは色々な意味で。具体的には巻き起こった風で花瓶が部屋を乱れ飛び、壁には穴が開く。迂闊にからかってはいけないという良い教訓である。 「……オッケー分かった。この話はまた今度にしよう」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 飛来する花瓶を聖印で防ぎながら、オリオンが言う。 「まぁ何にせよ家族なわけだ。いいんじゃないか。人は独りでは生きられない。それは邪紋使いでもそうだ。助け合い、支え合いながら生きていける相手がカテーナにもいて良かったよ」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 本心からの言葉だ。 「俺も先の魔境ではカテーナに世話になった。礼を言うのはこちらの方だ」 歳相応の姿になったということは、彼女は彼女なりに『今』を受け入れたのだろう。ならば、これからは『その先』を考えるべき時だ。 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 「それで、二人はこれからどうするつもりなんだ？」 そう、これからの未来の話をしよう。 「戦争も終わりつつある。君達が何をするのも自由だ。この領地に留まるもよし、他所に行くもよし。やりたい事次第では、俺も手を貸せるだろう」

柴真珠&丈一郎 @fightsongRP

@hisyabun_sk @sion_TYA ぎゅ 手 握る とくとく 心臓 落ち着い て 風 やむ 「うん」 しゃらん 「これから」 「住むとこ」 「探す」 「ヴィンス」 「と」 「したいこと」 「居たい所」 「ゆっくり」 「一緒に」

望月詩苑 @sion_TYA

@fightsongRP @hisyabun_sk 「申し出はありがたい。ただ。...戦争が終われば俺の復讐もある程度は落ち着くだろうが...それでも復讐の炎が消えることはない。だから、今はまだ受けられない。迷惑になるだろうからな」→

望月詩苑 @sion_TYA

@fightsongRP @hisyabun_sk 「もう少し旅をしながら自分のしたいことが何かを再確認したい。多分、カテーナと一緒に居ればきっとわかるだろうから」柔らかい表情で隣の彼女に視線を向ける。

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 「そうか」 オリオンは満足そうに頷く。予想できていた答えでもあった。 「良い考えだと思う。自らのしたいこと、為すべきことを再確認するのは重要だ。己の信念と心を通わせた仲間がいれば、どんな険しい道も拓いていける」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 思い出すのは、シュリヒトと共に船で海を駆け、新大陸やアトラタン大陸を放浪した日々の記憶だ。その思い出は懐かしさと眩しさを伴って、今もオリオンを支えている。 「世界は広い。君達が思っているよりずっと……」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP 「だから、君達が納得するまでこの世界を見てくるといい」 アコニが愛した世界を。 オリオンが護りたい世界を。 きっとこの二人にもささやかな幸せを与えるだろう世界を。 「色々と見聞きして、そのうえでまた此処に戻って来るなら歓迎しよう」 →

おやすむ💤ウニ @lv100uni

@sion_TYA @fightsongRP ちら、とヴィンスを見る。 「実を言うと、俺の妻であるシュリヒトも元はパンドラの暗殺者でね。俺を殺そうとしたこともある。……現役で世界を壊す活動をしている者は流石に受け入れられないが、既に足を洗った者であれば、この領地は居住を拒まない」

望月詩苑 @sion_TYA

@hisyabun_sk @fightsongRP 「そう、か」少し悩むように。 「俺が成したいことは復讐だけではなくなった。けれど...まだこの世界は安寧からは程遠い。今はかりそめの平和なれど、いずれまた戦乱は始まるだろう。それが俺は嫌だ」→

望月詩苑 @sion_TYA

@hisyabun_sk @fightsongRP 「だから、やはり、俺はこの世界を変えたい。...戦乱に復讐したい。ただ、それがかつてみたいに両軍の指揮官を殺す、というやり方でなく。もっと良いやり方があるのではないか、と思っている。まだ、どうすればいいかも分かっていないが」→

望月詩苑 @sion_TYA

@hisyabun_sk @fightsongRP 「いずれ、きちんとした答えが出たらまたここに戻るつもりだ。その時にここに滞在することになったら、よろしくお願いする」 一礼。