NUMBER GIRL「透明少女」に折りこまれている押韻を指摘し、明文化しておく

かつて惜しまれつつ解散したNUMBER GIRLはサウンドのみならず、作詞作曲の向井秀徳氏の独特な世界観を持った歌詞やマンガも魅力のひとつでした。聞けば彼の強烈なイメージ喚起力と共に、音韻の操作についてのしつこく鋭い感覚もわかるだろうと思います。それを論理的に整理しつつ明文化しておく作業をしました。ぜひこんど誰かアジカン論書いてください。
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料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

ほんとはブログに書こうと思ったんだけど、ここに、書いちゃおう。

2011-03-05 20:29:12
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

NUMBER GIRLの「透明少女」について、寝落ちする前に書こうと思います。

2011-03-06 00:15:00
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「赤いキセツ到来告げて 今・俺の前にある 軋轢は加速して風景 記憶・妄想に変わる」というこの部分の音韻について。

2011-03-06 00:25:10
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

いきなり脇道にそれるけど、「赤いキセツ」はなぜ赤いのかというと、「青春・朱夏・白秋・玄冬」によって、赤なのでは無いかと思う。

2011-03-06 00:30:46
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

透明少女の冒頭は「あかい きせつ とうらい つげて いま おれの まえに ある」となっている。ここで「アツレキ」という音に注目してみると、「アかい キせつ とうらい ツげて」→「ア…キ…ツ」という音がある。また、「いま おれの まえに ある」というフレーズにレの音が存在している。

2011-03-06 00:58:17
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

だから、「あかい きせつ とうらい つげて いま おれのまえにある」というフレーズを受けて、これらの音韻が「あつれき」ということばに圧縮されていると言えるだろう。

2011-03-06 01:11:54
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

つぎに、「あつれきは かそくして ふうけい」というこのフレーズについてだけど。

2011-03-06 01:16:15
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「アつれきは カそくして ふうけイ」→「ア…カ…イ」であり、「アカイ」という音韻を展開して表現したフレーズだ。

2011-03-06 01:29:51
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

「きおく もうそうに カワる:あつれきワ カそくして」→「カワ:ワカ」という倒置による押韻が仕組まれている。

2011-03-06 01:35:23
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

あ、ごめん順が反転してた「あつれきワ カそくして ふうけい:きおく もうそうに カワる」→「ワカ:カワ」という倒置による押韻。

2011-03-06 01:39:03
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

で、「あつれキは かそクして:キおク」→「キ…ク:キ…ク」という押韻。ただし、キ音の位置は語末と語頭であり、位置移動が行われている。

2011-03-06 01:44:14
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

一括してまとめて見ると「あつれキワ カソクして ふうけい:キオク もうソうにカワる」→「キワカソク:キ…ク…ソ…カワ」となっている。ワカソクが完全に逆に「クソカワ」となっています。ちなみにクラシックの用語では逆行といいますね。

2011-03-06 01:51:20
料理研究家 やおき @yaoki_dokidoki

クラシックでいう逆行とは、ある旋律を時間の逆順に並べること。たとえば与えられた旋律がドミソだったら、ソドミという旋律を「逆行」とよびます。

2011-03-06 01:55:48