青のレクイエム

トト＠TYA中邪 @glnewto

【パ／戦闘／調査点６】「深入りしすぎたな、トト＠中立」刺客襲来！　ＳＰ＋３。この結果を引いた時点での、あなたの調査点が３０以上なら（この診断の＋６は除く）ＨＰ－１０、でなければＨＰ－５。 #GC茶 appli-maker.jp/analytic_apps/… (ゼニアさんの読みは当たる)

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(2/28診断分) 『妖龍離水』 朝にはまだ遠い。薄ら明るく濃い紺の空が静かに濡れている。 足音を立てぬよう、隣人を起こさぬよう ―― 努めた所で叶うかどうか。 少し苦笑して、「ちょっと、行ってきます」と呟いた。 扉の外を出て、駆け出す。出来るだけ遠く、街の外へ。

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開けた草原で足を止め、振り返る。 未だ姿を現さない何者かに呼び掛ける。 「女性を待たせるとは、どういう了見なのでしょう」 聞き覚えのある笑い声が一つ応えた。 「これは失礼」 薄く霧の立つ草野へと、昨日の青年が相対するようにその身を晒した。 思わず眉間に皺を寄せる。

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「ですがお伝えした筈です、レディ。手を引いて頂きたいと」 「お断りしますと伝えたつもりでしたが」 「ええ。ですので ―― 」 音もなく何かが一瞬煌めく。咄嗟に頭を傾けて躱す。 右の目尻すれすれを細い刃が切った。 「その場合の対応を、改めてさせて頂きに」 .

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続けざまに放たれるナイフを、どれも寸での所で躱す。 左内肘、右の太腿、脇腹、左足首。裂傷が一つ一つ増えてゆく。 彼はその場を動かず、笑いながら手首をしならせる。 益々腹立たしい。 ……では。それならば。 その場所に、捕らえてしまえ。 .

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「見て盗め」と彼女は習った。ならば ―― それに倣おう。 躱し逃れる足を止め、掌に一つ、小さな氷のコインを作る。 その稚魚が龍になどなれぬと ―― 誰が決めた。 右の親指に氷貨を乗せて、高く高く弾く。 取り出すのは懐に忍ばせた菖蒲の扇子。

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左の人差し指を小さく噛み、指で弾いた血の飛沫一つ、 煽って氷貨を穿つ。 小さく濃縮された混沌は忽ち爆ぜて、辺りの温度を一挙に下げる。 霧の微細な粒子がたちどころに一つずつ凍り付いて、 低く幾億の星のように煌めいた。 魚の鱗が光を、乱反射させる。

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鱗は更に、辺りの混沌を『喰らう』。喰らって、鱗は鰭になる。 大判の歪な多角形が、鏡のように青年を取り囲む。 囲んで閉ざす。 己を写す鏡を、彼が一つずつ割る。割れた鏡の真逆へ、真逆へと移る。 そうして鏡は、やがて榛の双眸を写す。 幾重にも写し、複数の双眸が一斉に彼を睨み据える。

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怯んだ彼の背後で、槍を構え ―― 。 「御機嫌よう。……どうぞ良き旅を」 迷いなく左胸を貫いた。 槍を引き抜き、 その場に倒れ伏せた彼を見送るように、残りの鏡も全て砕けた。 混沌が再び霧散する中、一つのコインをティーカップに沈めて溶かす。 僅かな紅茶を一息に飲み干す。 .

トト＠TYA中邪 @glnewto

「……ご馳走様」 何食わぬ顔で来た道を戻る。 戻りながら、一瞬、眩暈がした。 ……出来ると思った。やり方も、覚えた。 とはいえまだ「切り札」止まり。流用する事は難しそうで、苦笑する。 ……まあ、いいか。誰に見せる技でもなし。 呑気に考えながら、歩を進めた。