「踊りに行くぜII」2011についてのコメント

簡単に思うところを。
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樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

昨日『踊りに行くぜ!! 』Ⅱにお邪魔したのだけど、諸般の事情で早々に会場を出てしまい、アフタートークにも打ち上げにも出られなかったので、ここに感想をいくつか。連投になるかも。上本竜平/AAPA(東京)の作品は、非常に仮設感、日常との地続き感の強い作品。

2011-03-06 08:06:22
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

ゼロ年代後半って、こういう日常感/仮設感の強い作品が、ジャンルを問わずたくさん出た時代だったと思う。美術なら金氏徹平とか伊藤存とか。舞台だとチェルフィッチュになるのかな(あんまりよくしらないけど。ナマで舞台見たことないので)。そうした同時代感の強い作品。

2011-03-06 08:09:52
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

良いか悪いかは別として、日常と地続きのものを表現の舞台に載せる、作りかけで途中でやめる、きっちりした構図に収めずあえて散漫なままにとどめるという価値観。芸術的完成度を「拒否する」みたいな強い態度でなく、何となくスルーしてぐだぐだのままにとどめる感じ。

2011-03-06 08:11:55
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

舞台上に散乱する小物類、パフォーマーの一人の日常をだらだらと喋るインタビューの上映と並行して同時多発的に演じられるまったく無関係な多数の身振りなど、強い同時代性を感じた。中西ちさと(大阪)の舞台もまた、舞台上に持ち込まれた大量のゴミ袋から舞台が始まる。

2011-03-06 08:20:55
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

けれどもそれを突き破って、非常に子どもっぽい衣装に身を包んだダンサーが出てきて、元気いっぱいにどつきあったり飛んだり跳ねたり。あえて美術で対応するものを探すなら奈良美智になるのかも。「終わりなき日常」があるのは知ってるが、あえて知らんぷりをする戦略か。

2011-03-06 08:25:05
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

子どもっぽい体型の女性ダンサーが登場するところは、きたまり率いるKIKIKIKIKIKIに似ているが、きたの重苦しいまでのセクシュアリティーの吐露とは正反対に、無葛藤な子どもの時間が演じられる。やはりこれまたマイクロポップ的、とでも言えばいいか。

2011-03-06 08:26:30
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

同時代性の強い表現を見せた以上二組に対し、村山華子(東京)は、こうしたものと一線を画す、非常にストーリー性の強い作品。食卓に載せるカレーの食材を一つひとつ撮影して、遺影を掲げながら食事する、奇妙な家族の物語。

2011-03-06 08:32:32
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

途中から「おカネの精」のようなものがこの家族に介入してきて、食卓は分割され「個食化」を遂げるが、最後は再び食事をともにするようになる。食を中心にした非常に明快な物語を軸にしていて、映像、影絵、小道具など、非常に凝った演出がなされていた。

2011-03-06 08:36:31
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

最後はタケヤアケミ(オーストリア)による、福岡での公募ワークショップをもとにした作品。演出家が設定した31の「型」のようなものを見せたあと、その応用による作品を見せる。最後は女性ダンサー1名が、男性ダンサー3名によって下着姿にされ、ガムテープで縛り上げられる。

2011-03-06 08:39:23
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

映像の使い方はうまく、シンプルなCGで「型」のコンセプトを示したり、舞台の様子をデジカメやデジタルビデオで撮って上映しながら同時に上演行為も続けたり、洗練された演出だった。ただ、一連の舞台上での出来事には、タケヤによってコメントが加えられていく。

2011-03-06 08:42:59
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

これはちょっと個人的には興をそがれた感じがした。余韻に浸ろうとする瞬間から、舞台上からコメントがついては、何も感じる時間がない。アフタートークならいいけれど、上演中に演出家が舞台に上がって解説、というのはないんじゃないか。それが狙いというなら仕方ないが。

2011-03-06 08:44:49
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

そのほか以上四組を通じて思ったのは、ユニゾンやインテンポの動きが目立ったこと。身体的な鍛錬ができていて、巧くて美しいダンサーが目立ったのも特徴か。ユニゾンやインテンポの動きは、一時期タブーのようになったこともあるが、大きな変化だなと感じた。

2011-03-06 08:48:58
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

また、映像などの演出も緻密で、全体に完成度が高かった。今回は全出演者がレジデンスやワークショップなどによって作品を練り上げていったと聞くが、その効果が出ているのかもしれない。また、同時代的テーマがほの見える作品になっていたのもそのためかも。

2011-03-06 08:53:10
樋口ヒロユキ _ SUNABAギャラリー @hiroyuki9999

以上、『踊りに行くぜ!! 』Ⅱへのコメント終わり。東京公演は03/11(金) ~ 03/12(土)、会場はアサヒ・アートスクエア。http://odori2.jcdn.org/

2011-03-06 08:55:56