茂木健一郎氏による「お笑い文化」に対する見解。

笑いは、苦しいこと、つらいことこそ「メタ認知」を通してポジティヴな気持ちに変えることができる、すばらしい道具
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しばしば誤解されますが、単なる毒舌は批評的コメディとは違います。毒舌は大勢順応や弱者への攻撃とも結びつきやすい。コメディアンは人間に温かく、自由を尊重し、多様性を大事にする。その上で偏見、差別、権力、傲慢に対してこそ必要ならば毒舌を発揮する。弱者は徹底的に守るのがコメディ精神。

2017-03-03 07:58:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

小学校に上がる前から東京の寄席に通い、なんばグランド花月にも何度も通っています。笑い、コメディを心から愛しています。日本の笑い、コメディがさらなる発展を心から願うゆえの発言ですが、いろいろなとらえ方をされる方がいらっしゃるので、一言補足させていただきます。

2017-03-03 19:14:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑いの文化の多様性はもちろん大切ですが、落語、漫才、コントなどの笑いに子どもの頃からたくさん慣れ親しんできた私にとって、今の日本の笑いには、取り込めていない大きな可能性があるように感じています。それが「批評性」の笑いです。

2017-03-03 19:16:04
茂木健一郎 @kenichiromogi

アメリカやイギリスの笑いの文化が唯一だと言っているわけではなく、笑いに多様な可能性があることを重々わかった上で、日本でも、もっと差別や偏見、政治のことを扱う笑いがあった方が、日本人がもっと自由で、創造的になれると私は信じています。

2017-03-03 19:17:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

外国の方に対する差別や、ヘイトスピーチ、偏見なども、コメディアンが笑いにすることで、より自由闊達な議論、考えが生まれるのに、そのようなネタが特に地上波テレビでタブーになっている現状は、本当にもったいないと思います。

2017-03-03 19:19:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

テレビでは無理だ、という方もいますが、やってみないとわからないと思います。たとえば、ニュースを、コメディアンがMCになって笑いで解剖する番組などは、できるはずです。地上波で無理だったら、ネットでやればいい。それでも十分成立するはずです。

2017-03-03 19:20:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

笑いは、苦しいこと、つらいことこそ「メタ認知」を通してポジティヴな気持ちに変えることができる、すばらしい道具です。日本の社会がタブー視し、思考が固定化しがちなテーマにこそ、笑いの福音をもたらすべき時期が来ていると、私は強く感じています。

2017-03-03 19:22:10