NHK大河ドラマ「真田丸」制作統括チーフプロデューサー 吉川邦夫氏特別講演会レポート

みか @wdds_magir

22)真田丸の見られ方5 2010年以降、リアルタイム視聴の新時代になっていた。家政婦のミタ、半沢直樹などドラマでも高視聴率をあげる作品も出てきた。 生でドラマを見る（同時体験をしたい）意識が再燃してきた。ドラマ視聴のイベント化。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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23)真田丸の見られ方6 早丸、本丸、録丸、（まと丸）、再丸と真田丸の見方が多様化。 早丸のBSは最終平均視聴率が4.7％（通常BSの視聴率は1～2%）。最高視聴率は5.8％。早く見たかったのか？（しかし早丸と本丸視聴率は必ずしも連動しない） #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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24)真田丸の見られ方7 ここでまと丸の登場。twitterにあげられた賛否両論の意見、感想、歴史に詳しい人からの捕捉情報などをまとめてくれたもの。これを読んで気づいたことを確かめるために、録丸、再丸を見てくれる人が増えていった。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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25)真田丸の見られ方8 まと丸があるおかげで今までと違う見方をする人が増えた。これは作り手としては仕掛け甲斐がある、細部までこだわる意味があった。 （このキャッチボールがあったおかげで、最後まで質が落ちることなく作られたんだろうなぁ） #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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26)真田丸が仕掛けたこと1 新鮮味のある原点回帰 ８時丁度にタイトル絵、音楽から始まる（築城回除く） オーソドックスなナレーション →有働アナの優しく強い新鮮なアルトボイス →普通のナレーションじゃつまらなかったが有働ナレは成長していった #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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27)真田丸が仕掛けたこと2 【余談】本当はタイトルに使った壁に、ずらっと出演者の名前を書こうというアイディアがあった。流石に技術力が足らずできなかったが、総集編はクレジットが横スクロールで流れたので「こんな感じがよかったんだよな」と思った。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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28)真田丸が仕掛けたこと3 オープニングにはダイジェストを入れようと思った。信繫の一番かっこいい顔と、その回のハイライトを入れた。その後物語りに入ってもらうために20秒間のナレーションをスターウォーズみたいなのが必要だと。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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29)真田丸が仕掛けたこと4 「等身大に戦国時代を描く」 その時代そこで暮らしていた人の目線の高さで見えるようにした。真田家がどう生きたか、時代に翻弄される「家族の物語」として見ていないものは基本書かない。決して英雄ではない人物の物語として。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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30)真田丸が仕掛けたこと5 そういった仕掛けをしたのは、見ている人も登場人物達の気持ちがわかるだろうということで。 ただし例外もある。家康と治部。 真田と対峙する家康の成長を描いておかないと、最後のインパクトがなくなるので。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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31)真田丸が仕掛けたこと6 見なかったことは描かない、で関が原には賛否両論ありましたがwww 絶対西軍が勝つ状況の中、佐助が「終わりました」「負けました」で、ええええ？？？？　と視聴者が思ったことは、真田家の人も思ったことと近いはずだ、と。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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32)真田丸が仕掛けたこと7 関が原を飛ばした代わりに、小早川が豊臣の味方になりきれない気持ちや、刑部が筋を通して貫くであろうとか、三成はどう戦うか等は、描かなくても想像できるようにしなければいけないと、三谷さんと誓い合った。（誓い合った…） #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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33)真田丸が仕掛けたこと8 彼らを丁寧に描くことで、小早川達に感情移入してしまう人が増えて、「あの人達がどんな風に戦うんだろう」と思っていたのに肩透かしをされ、昌幸バリに激昂するという結果になってしまった… （なんで死んでしまうかのう！） #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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34)真田丸が仕掛けたこと9 新しい説を取り入れつつ作ったが、三英傑も才能はあっただろうが、家臣が良かったり、タイミングが良かっただけだったりで、彼らは完全無欠なヒーローではなく「生き残った人」だった。それを資料等が裏付けてくれたと思う。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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35)真田丸が仕掛けたこと10 ・家族を守るために手段を選ばぬ「表裏比興」な昌幸 ・次男坊ゆえにさまよい生きる意味を追い求める信繫（ほっといてもかっこいいが人の気持ちが分からない）（次男ゆえのコンプレックスがある）→そういう人が人の心を動かす #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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36)真田丸が仕掛けたこと11 爪をかむ、健康おたく、臆病者、小心者、だからこそ生き延びたことに納得できる家康。（内野さんに話を持って行った時「なんで俺なの？」と言われて今までと違う家康を演じて欲しいと説得した） #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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37)真田丸が仕掛けたこと12 真田丸の寧→家族以外の人には目を向けきれなかった人、場違いだと自分も思っていたんじゃないかと思う。家族が幸せに暮らせればそれでよかった。そんな意味合いを持たせるために名古屋弁をあえて残した。生活に密着した言葉。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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38）新鮮で印象的な配役1 真田信尹：舞台タイタニックを見た三谷さんの直感で栗原さんに決まった 小山田茂誠：吉川さんも担当したシャーロックホームズで「鎧が似合いそう」と思ったら本当に似合った。スターめいたところがなく、謙虚で優しい #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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39）新鮮で印象的な配役2 直江兼続：大河にはいくつか出ているが、丸でしっかり認知してもらったんじゃないかな。三谷さんの愛情で、村上さんの声やお芝居の質を理解して直江と重ね合わせていった。登場回数は多くないが、視聴者の印象に残った。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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40）新鮮で印象的な配役3 塙団右衛門：自意識過剰っぽい人を探していて、家富さんが見つけた。三谷さんは会いたい（役と重ねたいから）。でもこの時は家富さんを信頼して任せます、でやったら、結果三谷さん大喜びv　台本よりもあがりの方が存在感増してた #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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41）時代考証と物語の融合1 三谷さんは残っている資料と向き合いたいと思っていた。描きたい物語のヒントがあるし、等身大の人物がやってきたこと、実際三成は色んなことをおこしまくってますから、それが何故かを考えると人物を描くヒントになるから。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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42）時代考証と物語の融合2 三谷さんは時代考証を大事にしていたんですが。 史実を重んじる時代考証と、ドラマを描きたい作劇は対立関係？　両者で見方が変わってくる？ 資料を読み解く時代考証の言語と、感動させたい作劇の言語は対立しないようにした。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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43）時代考証と物語の融合3 第１回の時代考証会議では「穴山梅雪不在問題」があった。 諏訪の武田の陣に発破をかけにきた梅雪。しかし資料としては（カレンダー的には）駿府に残っている、とある。時代考証としては「居ないからダメだ」となった。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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44）時代考証と物語の融合4 ワンシーンで武田滅亡のきっかけとなった梅雪の存在感を出さなければいけない。どうしても嫌なら「穴川梅雪として出しちゃいますよ」と先生を脅したww 結果セリフとして「駿府に居るはずでは？」「見てられないから来た」と。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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45）時代考証と物語の融合5 だから（梅雪は）途中から軍議に入ってきている。 よくよく考えると、この辺りで梅雪は家族を武田から逃がしているのでは？　非公式ならそれもできる、と半ばでまかせ的に、時代考証の先生もなるほど、と。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会

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46）時代考証と物語の融合6 時代考証的にも納得できる筋が通りつつ、かつ物語の展開が面白くなった。考証を意識したことによってできた物語で、作劇との関係がwin-winになった流れを作ることができた。物語を豊かにすることができた。 #真田丸 #吉川邦夫さん特別講演会