今月11日は『ツイノベ大賞締め切り日』 2011

お題は自由。 選ぶのは苦手と言うか多すぎるだろどうだこんなものかセレクト。 ディスカヴァー「第2回twitter小説大賞」 http://www.d21.co.jp/contents/campaign/twnovel/
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夢名 七志 @mumei7c

物多様性の会議が開催されていた。多様性の保全と持続可能な利用、そして遺伝資源の公平な配分。特定生物への依存では、種の将来を絶つ事になる。危機的状況を容認する事は出来ない。と、神経系に擬態した寄生生物は人間からの脱却を決議した。知的根拠を失う人類には知らせずに。 #twnovel

2010-10-08 02:19:56
夢名 七志 @mumei7c

っかりと酔ってたのは覚えてる。掃除ロボットに「あいつの匂いがする物は全部捨ててよ」なんて事を言った気もする。だからって、手際が良すぎないか。振られた翌朝、ゴミ収集所で目を覚ました。廻りはどれも自分の物。あいつと三年も一緒だったからなぁ。ゴミの匂いじゃ無いよね。 #twnovel

2011-01-31 12:33:12
夢名 七志 @mumei7c

タタッ」連発射撃の弾着音がする。優位な高所から照準を定めるよりも、突入して数を打ち込む方を選択した奴らだ。体を曝して近距離から一挙に攻める戦法だ。「ババババ」突然、上空から甲高い排気音。機影は本殿に。ラジコンヘリから賽銭が投下された。初詣は空中戦に突入した。 #twnovel

2011-01-01 14:39:37
夢名 七志 @mumei7c

気コタツさえあれば、何処へでも行けるし何でもできる。怪物が住む異世界へ狩に出かけることも、星の光がスパークする深宇宙の彼方へも。無数の世界を渡り歩くのは思い通りだ。無限の力。阻むのは薄い紙だけ。「やむをえず送電を停止させていただきます」世界は年末に閉ざされた。 #twnovel

2010-12-27 18:34:28
夢名 七志 @mumei7c

き先の違う電車に乗ってしまって、見慣れない景色で一瞬違う世界に迷い込んだ気分ってありますよね。エレベーターで目的と違う階に降りたら、別の空間に飛んだって錯覚もしますよね。なので、部屋を間違えてから、ずっとあなたと暮らしているのだって、何も変な事では無い訳です。 #twnovel

2011-01-12 15:56:02
夢名 七志 @mumei7c

感は紙に似せて薄く、ペラペラと捲ることができる。頁数に合わせて厚みを増す事もできるけど、持ち歩きなら数十枚の綴りが適当か。背のアンテナと表紙のバッテリーは視認できない。持ち歩くなら文庫サイズがいい。読書の途中で裏表紙を触る。文章は一瞬で変わる。電子書籍の本領。 #twnovel

2010-11-23 20:05:17
夢名 七志 @mumei7c

しもし」良く聞こえない。向こうには聞こえているのかも知れない。「もしもし」掛かって来た筈なんだけど。掛けたのだったか。「もしもし」この電話は俺のだろう。何時の間に。「もしもし」なぜここに居るんだろう。居ないのかもしれない。「もしもし」仮定が重なる。違うかも。 #twnovel

2011-02-07 16:18:41
夢名 七志 @mumei7c

の香りと光の匂い。苦手な物はできるなら近付けたくない。うずうずと大きな影の中で安穏と暗闇に愚痴でも吐いているのを、押しつけるでも無くぬぐい去ってまるで当然のようにやって来る。早朝に目覚めた時の残念さは、夜明けに付き合った時よりも、何倍も嫌気が差す。息を止めた。 #twnovel

2011-03-06 10:10:48
夢名 七志 @mumei7c

ったのだろうか。住み慣れた町内なのにどこだか解らない。認識とかややこしい話じゃない。深夜と早朝に挟まれた時刻。冷たさが体と頭に染み込む。空には沢山の星。街灯の明りが一つも無い。妙に暗い空は透き通っている。一歩。見慣れた薄明るい夜。土地が見る夢に巻き込まれたか。 #twnovel

2011-03-06 10:15:34
夢名 七志 @mumei7c

週は遠足ですと公表すると、子供達の歓声が上がる。友達同士で三人ずつの組になって下さいと伝える。「はい、先生。霊は人数に入りますか」と聞くので、行くのは人間のお友達だけですと答えた。「じゃあ、妖怪も駄目なの」と聞かれるので、仕方なく小さな子ならと許可してしまう。 #twnovel

2010-11-13 17:17:47
夢名 七志 @mumei7c

ボットを組み立てた。最初のロボットだからギクシャクしている。それでも動いてる。これから順番に教えていけばいい。パーツを換えて判断を追加して成長させる。いつの間にかパパが側に来ていた。良くできたなと褒めてくれた。お前も最初はこんな動きだったと言う。親子だからね。 #twnovel

2011-01-19 12:27:28
夢名 七志 @mumei7c

が居なくなった時に母がくれた小さな端末。画面に限られた文章を表示するだけの端末。幼い頃は小さな友達ができたと思った。しだいに難しい言葉が増えて、少女から大人になった。でも、自動だろうなんて。今なら判る。入力してたのは誰か。止まったそれを母の墓標にそっと置いた。 #twnovel

2010-02-02 00:10:05
夢名 七志 @mumei7c

まれた。廃ビルに逃げ込んだが、他に出られる場所は無かった。「喫煙者ッ。出てこい」と、叫び声は次第に増えて来た。ここまでか。箱に残った最後の煙草を咥え火を点ける。深く吸った。何も思う事は無かった。ゆっくりと歩み出ると、人垣が怯んだ。薄く笑いながら紫煙を吐き出す。 #twnovel

2011-03-06 10:02:04
夢名 七志 @mumei7c

先のICチップ。「魔法と見分けが付かない」とはよく言ったものだ。改札は指を振るだけで開く。レジを指挿すだけで支払いができる。エレベータに乗れば自宅の階に止まり、玄関はノブを握るだけで鍵は不要。生体認識なので盗用も無い。問題は指ごとに引き落とし日が違うぐらいか。 #twnovel

2010-10-11 23:51:18
夢名 七志 @mumei7c

人達は走っていた。苦しそうだが、この機会を逃しては次は無いかもしれない。そんな必死さが足を進ませていた。人数は多いが、相手は格段に速い。囲い込んでも、するりと抜けて狭い隙間へ走り込んでしまう。限界少子高齢化社会。野生化した子供を捕まえなければ、未来は無いのだ。 #twnovel

2010-12-11 01:40:02
夢名 七志 @mumei7c

では、あまり話した事の無いあの人がそうらしい。自席に座っている時に踵からコードが出てたとか、昼休みに目を開いたまま動かないとか。さり気なく確認してみるが、どうやら違うらしい。やれやれ、人の話は当てにならないものだ。トイレの個室で腹を開けてバッテリーを交換した。 #twnovel

2011-01-16 00:48:47
夢名 七志 @mumei7c

ビーロボットですね」「『あなたの彼女を作りませんか』で販売された型だ」「売れなかったんですか」「評判は悪かったな」「組み立ても設定も好みにできるなんて、そんな彼女なら買いますよ」「恋愛をウリにしたのが失敗だ」「なぜです」「君は全部を知った相手に恋をするかね」 #twnovel

2010-10-09 22:50:02
夢名 七志 @mumei7c

ばかり言うロボットですか」「それは正常だよ」「だって機能不全でしょ」「欠点を指摘されたらどうする」「謙虚に受け止めますが」「君は優秀だな」「ありがとうございます」「嘘だよ」「酷いな、傷つきますよ」「ロボットは人を傷つけてはいけない」「本当の事は言えない訳か」 #twnovel

2010-04-01 23:55:08
夢名 七志 @mumei7c

い顔のロボットですね」「笑ったまま止まったんだよ」「楽しい時に故障だったのかなぁ」「いや、絶望だろうな」「でも、笑ってますけど」「君は素直なんだな」「どういう事ですか」「他にどうしようも無い時に人間がやることは笑うか泣くだろ」「あぁ、ロボットは泣けないんだ」 #twnovel

2010-09-12 00:53:28
夢名 七志 @mumei7c

大な温室。街の一区画を占める巨大なドーム。外気は直接入らず、計画的な降雨がある。強風が木々の枝を折ることは無く、大雨が花を流す事も無い。気候は一定。家々は木に囲まれ、害虫もいない。小鳥はさえずり、尖った音はしない。住民達は口を揃えて言う「自然が好きなので」と。 #twnovel

2010-05-20 00:10:05
夢名 七志 @mumei7c

ぇママ。パパはどこに行ったの」母の顔を見上げて聞くと「パパはお星様になったのよ」視線の先には満天の星。どの星なの。「最終確認手順」の声。ふいに思い出した過去から戻り、反射的に計器レベルの確認に入る。「準備よし。点火まで待機」星に向かう決心はあの時だったのか。 #twnovel

2011-03-01 16:57:59