素直になれたら④

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101 じっと大倉くんを見つめてしまうと そんな私に気がついたみたい 「ん、急にどうしたん！？そんな見ないでや」 照れてる大倉くんの顔を見てしまうと 私も急に顔が熱くなる ひゃあああ！！！ 私なに考えてるの！？ 昔と今のキスは意味が違うじゃない #素直になれたら

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103 咄嗟に手を振り払ってしまって 一瞬…、後悔する… そのあとは どんな顔してるのか見るのが怖くて 挙動不振になってしまい 大倉くんの顔を見られなくなってしまう 『…っ、今日は本当にありがとう、また明日ね、』 ダッシュで中庭から去っていく私 #素直になれたら

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104 「…、え！？、結真ちゃん、1人で帰れるん〜？」 遠くで大倉くんの声が聞こえる またやってしまった なんで素直になれないの？ ホント可愛くないな… でも、こんなとき どうしたらいいかなんて 知らないの そんなの誰も教えてくれないんだもん #素直になれたら

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105 不器用な私は ここまで言うのが精一杯 大倉くん こんな私は どうやら大倉くんのことが 好きみたい やっと気がついた もう大倉くんしか考えられない 私の心は大倉くんでいっぱいだよ でもこんな気持ちになったとき 私は、どう伝えたらいい？ #素直になれたら

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102 うわぁぁあ〜！！！ …私はっ、 一体なに考えてるの！？ こんなこと考える自分が恥ずかしくなる 絶対変だ だって全身が大倉くんを求めてる ふぇ〜ん 一体どうしちゃったのよ私は 『…あ、あのっ…、もう大丈夫だからねっ…、うん、私帰るね、』 #素直になれたら

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106 ーーー はぁ…、今日もいい天気だな それなのになんだか気が重い また大倉くんの隣の席で1日過ごすんだよね 昨日助けてもらったのに 来てくれて嬉しかったのに 逃げて帰ってきちゃったもんね 顔合わせにくいな どんよりとした気持ちで靴を履く #素直になれたら

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107 『じゃ、行ってきまーす』 「あぁ結真、気をつけてね〜」 パタパタとスリッパの音を鳴らせて 玄関まで走ってくる うぅ… お母さん爽やかだよ 笑顔が眩しすぎるって 「ねーちゃん、どいてどいて」 そしていきなり後ろからタックルしてくる隆平 #素直になれたら

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108 『いったぁ〜、ちょっとなにすんのよ！』 軽く睨んでみる 「ほら、ねーちゃん！ボケーっとしてると遅れるって」 そんな私の顔も見ず 玄関から飛び出す ったくもう… 姉をなんだと思ってるのよ しかも外が騒がしいな 朝からなにしてんのよ隆平は #素直になれたら

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109 まったくしょうがないな ため息をつきながら外に出ると 大倉くんが家の前にいる 『…っな、んで！…え！？』 「何だよねーちゃん、忠義くんが戻ってきてたのなんで教えてくれなかったんだよ〜！」 あっ、そっか 隆平も大倉くんと一緒に遊んでたもんね #素直になれたら

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110 「忠義くん、もっと話したいけど遅れそう！…ねぇ、また遊びにきてよ！」 「おん、隆平今度ゲームしような！」 じゃあまたね〜って 大きく手を振って 慌ただしく学校に行く弟 やれやれ… 嬉しかったんだろうけど 落ち着きないんだもんな隆平は #素直になれたら

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111 しょうがない弟だなって苦笑いしてると 隣にいる大倉くんと目が合ってしまう ドキッ… 急に2人きりになって 今更のように気づいてしまったこの気持ちに どうしたらいいかわからなくなる 「一緒に学校行こうと思うて来たんだけど…、迷惑やった？」 #素直になれたら

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112 大倉くん…っ、 そんなことないよ でも、なんて言えばいいのかわからなくて わかってほしくて大きく首を振って伝える 「…なら良かった」 少し笑顔になる大倉くん 『よく私の家覚えてたね』 「実は昨日、あのあと職員室に行って先生に聞いてきた」 #素直になれたら

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113 あの後って 私が逃げて帰ったあとだよね 「心配やったから…、本当は昨日帰りに行こうと思った。でも結真ちゃんが嫌やったらと思ったら来られなかった」 私あんなに ひどいことしたのに 心配してもらえるような人じゃないのに なんでそんなに優しいの？ #素直になれたら

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114 「俺たちも遅れるから行こっか」 胸の奥がキュンとなって 目の奥が熱くなって 涙が出そう 歩き出す大倉くんの手に 触れたくて 近づきたくて 後ろからそっと握ると 驚いた顔で私を見てる 今…私きっと 信じられないくらい顔が真っ赤だよね #素直になれたら

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115 それを見られたくなくて 視線を外してしまう でもね 大倉くんがどんな顔してるのか 気になるなぁ 不安なのもあるけど 大倉くんを見ていたいの そっと顔を上げてみる …っ、そんな…// 大倉くんってば そんな優しい顔で私を見てたんだ #素直になれたら

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116 心の準備が出来てないまま 目と目が合って ますます頬が熱くなる 「…っ、そんな可愛え顔で見ないでや。俺の気持ち…、抑えられなくなるからっ」 ……？ ぎゃぁあああ〜！ そんないきなり どゆことよ えっと…、 っ…、そういうことだよね #素直になれたら

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117 心臓のドキドキが激しくて 助けて こんなのどうしたらいいの？ もう耐えられなくて 焦って手を離そうとすると 今度は大倉くんが 私の手をギュッと掴む 「今度こそもう逃さない」 『…ひゃあ、』 「なんの心配もせんと、俺の側におればええよ」 #素直になれたら

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118 『…すごい自信だね、』 少し冷静になってしまう可愛くない私 「当たり前や、俺はずっと結真ちゃんしかあかんから…。全力で守るつもりやで、」 え…っ！？ ずるいよ大倉くん なんでそんなこと言えるの？ そんなの ドキドキするに決まってる #素直になれたら

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119 でも、確かにそうだよね さりげなく自然に 歩くときは大倉くんが車道側を歩いてくれるし 電車でも私を守るように立ってくれる そして私を見つめる その優しい瞳 まただ そんな顔しないでよ こんなに大切にしてくれる人 大倉くんしかいないよ #素直になれたら

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120 学校に着いて教室に入ると 波美がにやにやしながらこっちを見てる 「おっはよ〜！なになに〜今日は仲良しなんだ〜♡」 『ちょっと波美っ、違うんだからねっ！』 「もうそんなに意地張らないで、早く好きって認めちゃいなよぅ」 『…っ、波美ってば〜、』 #素直になれたら

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121 「まったく結真は奥手なんだから〜。モタモタしてると大倉くん、他の人のものになっちゃうかもよ？」 なにやら廊下のほうを見て 指をさしてる 何だろって思って その方向を見ると いつの間にか大倉くんが別のクラスの女子に呼ばれて 教室から出ていく #素直になれたら

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122 「あれだけカッコいいんだもん、そりゃ女子がほっとくわけないよね〜」 大きく頷いてる波美 『うう…、』 確かに 背も高くて 手足も長くて 遠くから見てもかっこいい わからない そんな完璧な人がどうして 私なんかを好きって言ってくれるの？ #素直になれたら

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123 朝のHRの時間になり 自分の席に戻る 大倉くんも女子たちのところから戻ってきて 私の隣に座る う〜ん… さっきの気になるな モヤモヤする 聞いてもいいのかなぁ 思い切って聞いてみる 『…ねぇ大倉くん、さっき廊下でなんの話してたの？』 #素直になれたら

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124 「ふ〜ん…、ちょっとは俺のこと気にしてくれてるんやね〜♡」 『…んなっ！べ、別に私は！』 そうだよ 大倉くんは 甘い言葉で女の子たちを翻弄して 私の苦手なタイプだもんねっ！ そんな私を 波美が後ろを振り返って 呆れた顔をして見てる #素直になれたら

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125 しょうがないじゃない だって自信がないんだもん 波美みたいに もっと素直になれたらな… 「なぁ結真ちゃん、」 『ん〜？』 「デートに誘われた」 『…え？』 「明日、2人で出掛けませんか？言うてた」 そ…、そっか 明日は土曜日だもんね #素直になれたら