自分用、鉄血感想まとめ

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

公共の電波で世界に物語を発信する以上、製作者は作品に乗せる伝えたいメッセージを持ち、明確にする義務があると私は思う。読み取れない視聴者が悪いなんて論は外野が言うならともかく当事者は思う事すらしてはならない。

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二期をイチから終わりまで再び視聴。見えてきたのはラスタルが思想も立ち位置も明らかにせず、大上段から正論を振りかざしマウントを取る小物という残念な結果であった。主人公側を打ち倒すキャラクターをなぜこうしたのか、理解に苦しむ。彼の思想や目的、過去を明確にしなかったのは逃げに感じる。

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マクギリスの大義は方便だったという説もある。しかしそうなると、彼の最期の戦いにおける「生まれや所属など関係なく〜から〜そうなれば、俺の勝ちだ！」のセリフが誰にも聞こえない場所で方便を叫んでいた事になってしまう。

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オルフェンズは終始チグハグだったのが惜しい。最初から主人公側が滅ぶ物語なら『分かりやすくダサい外見と捻じ曲がった人間性の悪役がヘイトを集めて主人公に倒される』なんて子供っぽい展開を乱発したのは悪手としか言いようがない。

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劇中で唯一明確な大義を掲げたのはマクギリスだけである。彼は『差別撤廃と競争社会の実現』という目的と『ギャラルホルン掌握による血統・出身主義者の一掃』というプロセスを持って大義とした。これなら石動が賛同し、鉄華団が参加するのは当然である。 #g_tekketsu

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大義の為とジュリエッタは言う。しかし彼女は個人的事情から生じた忠誠心の為に戦っている、大義ではない。 しかも忠誠を捧ぐラスタルは思想や大義を明確にしておらず、同僚には功名心の塊イオクと愛と友情の戦士ガエリオ。彼らの大義はどこにあった？ #g_tekketsu

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歪んだ社会、間違った軍隊、腐敗した政治、理不尽な力や圧力をガンダムシリーズは正面から描いていた。 鉄血も途中まではそうだった、しかし最後には理不尽や誤りを正面から描くのではなく正しい事として肯定してしまった。 今後が少しだけ不安である。

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モノ作りには柔軟性が必要だ。企画の初期案に縛られて商機を逃しては意味がない。オルフェンズは鉄華団が一期で人気を集めた時点で方針を変更すべきだった、監督や脚本家はビジネスをしている自覚はないのか。 作品とは商品だ、売れない作品や伝わらないメッセージなど製作者の自己満足に過ぎない。

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鉄血のラストは企画の初期段階で決まっていたとか。企画が出来たのはAGEと同時期か前という話。 なるほどそれならば鉄血がウケなかった理由も分かる。あの頃と今では社会情勢も流行りも違うのだから、当時ウケるはずの企画も今となってはただの時代錯誤だ。 #g_tekketsu

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少年兵、同性愛、差別、センシティブな題材を物語のスパイスとして気軽に扱うのはいかがなものか。 オルフェンズの問題点の一つだ。

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

ラスタルと鉄華団、先に喧嘩を売ったのはラスタルだがラスタル側は喧嘩を売ったつもりはないだろう。鉄華団は、ラスタルにしてみればマクギリスの攻撃に利用する為に起こした紛争における現地民兵組織でしかないのだ。 利用された挙句に支部を潰されても恨んでいなかったのだから、鉄華団も割と甘い。

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ラスタルは立場と名を捨てガラン・モッサとなりガエリオの治世を裏から支える。その方がより物語としても綺麗で説得力もあった。 視聴者に不快感とインパクトを与える為にあえてラスタルを勝利者として演出したように思えて仕方ない。

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

ラスタルが新生ギャラルホルン代表として表舞台に残ったのが彼を権力に取り憑かれた小物にしている原因である。マクギリス暴露により脛に傷持つ身となった以上、ガエリオに後を譲り自身は裏方として汚れ仕事で秩序を守る方がラスタルらしかったように思う。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

阿頼耶識という社会的、心情的なリスクを負ってまで戦いクーデター主犯のマクギリスを討ったガエリオ。しかし劇中で英雄とされたのは火星決戦で何の戦果も上げなかったジュリエッタ。 これは視聴者に不満が出ても当たり前である。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

仮にマクギリスのクーデターが成功した場合、劇中の鉄華団がしたたった二つの違法行為『ドルトにおける戦闘及び大気圏でのカルタ艦隊交戦』『エドモントン武力侵攻』は帳消しになる。

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作品ではなくスタッフについて語るとすれば、監督や脚本家の善悪正邪といった倫理観が大多数の人間とズレていたのが問題であろう。何せ彼らは正規軍の将官が、偽装退役した元将校に主権国家の代表を暗殺させる行為が正義だと考えているのだ。感性が普通ではない。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

オルフェンズ二期について語るのはこれくらいにしよう。私の愛するサンライズならきっとあの二期を総集編か何かで作り直し、正しい作品として再び復活させてくれるはずだ。 私はそれを確信している。

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

二期でアインは物言えぬシステムにされ、挙句に本懐である鉄華団討伐を果たす機会さえもらえぬままガエリオに志を曲解されマクギリスと戦わせられた。 アインからすれば、利用されてようと三日月に拮抗出来る力をくれたマクギリスを恨む理由はないだろうに。

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

友情、仇討ち、感傷に彩られた行動は綺麗に見える。それはガエリオやアインが証明しているだろう。だが一期で彼らがしたのは正規軍人でありながら私怨で任地を決めて転戦し私的感情のまま軍事力を行使したというイオクと大差無い行動である。 しかも結果は返り討ちなのが笑えない。

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

フィクションとはいえ、子供が無惨に死んでいくのを見ていい気持ちがしないのは当然だ

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

身内に優しいヤツは問答無用で良いヤツ、そういう思想が根底に流れてるのがこの作品の大きな違和感と矛盾に繋がっている。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

ガランとラスタルは悪人だ。敵であれ利用する相手であれ、少年兵を獣と嘲笑するような人間は決して善人ではない。好きで戦う子供はいない、子供が戦うのは大人が不甲斐ないからだ、大人が作った社会の犠牲だ。 それを棚に上げ、戦う子供を嘲笑い利用する人間は悪である。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

ガンダムシリーズに連なる作品として、戦争という手段を目的の為に能動的に使ったラスタルの罪だけは明確にして裁き、それを否定して欲しかった。 要はそれだけの話である。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

不満で言えばマクギリスの思想における最も危険な点、弱肉強食による戦乱の肯定を誰も否定しなかったところだ。 ガエリオにはアインやカルタなどという感傷的な事柄の前に、まずそこをキッチリ否定して欲しかったのだ。 #g_tekketsu

焙煎公爵 @Gusion_Fullcity

私は別にラスタル・エリオンが嫌いなわけでも勝利した結末が気に入らないわけでもない。ただ彼の功罪と思想をしっかりと描かなかった事で結果的に彼の悪事を肯定しているのが良くないと考えている。