点描派探偵ツイノベまとめ

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「それでは皆さんに質問です。3年前のその時間、どこで何をしていましたか？」 A「私はその時、映画を見ていました。」 B「何もおぼえていません」 C「覚えてないって。」 #twnovel 「何もない普通の日、3年も前となると覚えてないのが普通です。Aさん、あなたが犯人ですね。」

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

たとえばこうだ。 一時間もののドラマで、35分ぐらいに犯人が捕まったとしよう。 そいつは犯人ではない。 しかしだ。そういう推理は推理ではない。

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「深い雪により、このロッジは外の世界から完全に孤立している。どういう訳か電話も不通だ。つまり、密室状態。私がここにいる6人の行動を把握しないでどうするというのですか？」 6人はお互いの顔を見回した。 「でも、探偵さん。何の事件も起きてはいません。」 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「中身の推理なら俺だって得意だ。君はどっちを選ぶ。探偵の俺か自称超能力者のこの男か？」「二人はここで待っていてください。福袋の中身なら店員さんが教えてくれます。」俺と自称超能力者は顔を見合わせた。「どうやら俺たちは荷物運びらしいぜ。」 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「庭は雪に覆われていて、足跡をつけずに母屋と離れを行き来することは不可能でした。」 「密室・・・ということですね。」 「そういえば、お嬢さん。あなた翼がありましたね。」 「あるわけないでしょ。」 「近所の人の話によると、この家でよく鳩が飛んでいたそうです。」 #twnvday

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「この中に嘘つきがいる。」 探偵の言葉に部屋の空気は凍りついた。 何故なら、今日は4月1日。 殆どの人が嘘つきだからだ。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「月を盗んだというのかい。」 「へえ、大泥棒だす。」 近頃、まともな依頼がこない。 「空を見て見なはれ。月がおまへんやろ。」 「たしか、今日は新月だったな。」 そいつを追い返してから一週間。月が姿を見せないのは、きっと天気が悪いからだろう。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「月を探して欲しい。」 自称狼男がやってきた。だが、この男は、本当に狼男なのか？月の無い今となっては、その証明は難しい。 「満月ポンじゃ駄目ですか？」 「もちろん、本来の姿に戻りたいのが目的だが。私の依頼は月を探すことだ。」 こいつを怒らせると怖いらしい。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

私が月泥棒のもとを訪れると、彼は私に月餅を勧めてくれた。 「あなたのことは狼男には話してはいない。でも、いつまでもというわけには・・・。」 「返しますがな。そやけど、分割やで。分割で返す。」 空にまん丸の月が昇ったとき、山の方から狼の遠吠えが聞こえたのだった。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

後日談。 空に満月が昇った翌日から、月は少しずつ小さくなっていった。 すると、狼男が気づいて私に文句を言いに来た。狼男には子供がいて、名前をアナとユキといった。私達は、みんなそろって月泥棒の所へいった。彼は私達にバナナを勧めてくれた。 「まあ、ええやん。」 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

密室？扉さえ無い。 その娘は壁をドンドンと叩いたり叫んだりしていたのだが、私の存在に気づくと、この部屋から出して欲しいと私に叫んだのだった。 私は出来るだけ穏やかに答えた。「実は・・・私も、3日前に捕まって此処で飼われているのです。」 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「あのひとは特別なひとなんです。念を送って雲を消したんですから。」 「その雲は青空にぽっかり浮いたシュークリームのような雲だったでしょう。」彼女は頷いた。「雲には短時間で、現れたり、消えたりするものがあるのですよ。」私の謎解きを彼女はお気に召さない様だった。 #twnvday

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

桜の樹の下には屍体が埋まっている。 それは、単なるデマにすぎません。いいですか。ここはひとつ冷静に考えましょう。根っこがありますね。桜には太い根っこが。あの根っこをよけて、そんな大きな穴を掘る事が出来るでしょうか。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

あのひとの趣味はサバゲー。銃の扱いに慣れています。つまり、犯人はあのひとじゃないかと…。ところがです。彼のやっているサバゲーとは、どれだけ年齢を、さばを読めるかを競う競技だったのです。推理はふりだしに戻りました。 私は今、必死で考えています。あいつは何歳だ？ #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

#物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ 「その時、貴方はお湯を線まで入れて蓋をしたのです。そうです。容器内に密室が完成しました。では私が密室を破りましょう。」私はそう言うと湯切り穴を塞いでいたシールを外した。「これでお湯を外に出せます。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「きび団子長殺しの犯人はこの中にいる。」 私の言葉に、犬、猿、雉はお互いの顔を見回した。 「成功報酬がきび団子というのは、いささか…？」雉。 「僕は一きび団子=百万円のレートと聞いている」猿。 「金じゃない世の為だろ」犬。 「私がやりました」鬼。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「あんこのおはぎときな粉のおはぎがあります。あんこ美味しいですよね。」 「あんこをどうぞ。」 「でもです。きな粉のおはぎの中にあんこが入っていたとしたらお得じゃないですか。」 「では、きな粉の方を。」 「あんこが入っていなかったら。」 「それを推理しろと？」 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「あんこ、美味しいですよね。こしあんの柏もちとつぶあんの柏もちがあります。」 「それを推理するのですね。どちらが、お好みですか？」 「普段なら、つぶあんです。しかし、柏もちとなると、こしあんじゃないでしょうか。」 私は右側を指差した。どっちだとも言わずに。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

容疑者の名前をひとつひとつ消していくと全ての名前が消えた。Aの証言はBの無実を、Bの証言はCの無実を、そしてCの証言がAの無実を証明しているのだ。そこから導きだされる答えは三人の共謀だった。 #twnvday Aが言う。「そんなに食べられるのが嫌なら名前ぐらい書いとけよ。」

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「あなたはその時、テーブルの下にガラスの欠片を発見したのですね。それで全てを理解したあなたは、コップの中の氷を床にぶちまけました。誰にも怪しまれずにガラスの欠片を回収するためです。 ・・・残念ですが、あなたの推理は間違いでした。彼は犯人ではなかったのです。」 #twnvday

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

140文字におさめろ！

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

いつまで仕事しているつもりだい？まさかと思うが、全員のアリバイを調べるつもりじゃないだろうな。労働基準局になんと言われるか。いいかい。こういう時は、全員の前で'犯人を突き止めた'と言うんだ。そうすれば、動く奴が必ず出てくる。そいつが犯人だ。 #twnovel

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「実は、推理をするのが面倒になってきましてね。いえいえ、ご心配にはおよびません。こんなこともあろうかと装置を用意してあります。このスイッチを押せば犯人が誰かが直ぐに判るようになっています。」 一人の男が言った「そんなことあるわけねえよ。」 「判りましたね。」 #twnvday

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

「カジノです。カジノが彼をギャンブル依存症にしたのです。」 「お嬢さん、あなたは考える手順を間違えています。結論が先にあって原因を付けているのです。パチンコで既に彼はギャンブル依存症になっていた。そうですね。」 この世界では存在しない事件が生み出されるのだ。 #twnvday

空と旅人文庫 @tenbyoutantei

夜になると黒板は透明になる。あまり知られていないのは、夜の教室を訪れる者がいないから。そして、見た者が再び戻ってこないから。 「探すのですか？私が？・・・。探偵の仕事ですかね。」 私は教室の扉を開いた。私は見たのだ。一匹の巨大な蛸が、板に墨を吹き付けていた。 #twnovel