放射線科医のつぶやき

友人の放射線科医 @nijuoti のつぶやき。 実際の所、しかるべく離れていたら大丈夫なのだろうと思うけれどもそれでも気になる人へ。 カウントとシーベルトの換算についての話もありましたが、そちらは不確かなことが多いので割愛します。
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じん @nijuoti

その1: 放射線と放射能って?

2011-03-14 03:59:39
じん @nijuoti

放射線=目に見えないくらい小さいミサイル 放射能=ミサイルを360度にまんべんにうつ砲台 と考えてください

2011-03-14 04:00:58
じん @nijuoti

ミサイルにはいろんな種類があります⇒放射線もいろんな種類があります。 ただ、どのミサイルにも共通したことは爆発するということです(電離作用等の相互作用を引き起こす)ということです。

2011-03-14 04:02:57
じん @nijuoti

さて砲台が体の外にある場合(外部被曝)の場合人体への影響は ひとことでいうのならば、何発爆発を受けたか、ということになります。 (ここのあたりはツッコミが多いのは重々承知です)

2011-03-14 04:05:06
じん @nijuoti

その「何発ぐらいミサイル当たったのか」を示す単位がSvです。 ミサイルが当たった結果人体にどのくらいの影響が出るのかを計算したのがGyです。

2011-03-14 04:06:34
じん @nijuoti

ただ、被曝している場所がどのくらい危険なのか、という事を知るためには どのくらいのミサイルが一定時間に飛び交っているのかすなわち弾幕が どのくらいスゴいのか、という事を知る必要があります。その時に使われるのが μSv/hという値です。

2011-03-14 04:08:40
じん @nijuoti

よく官房長官が言っているのはこのμSv/hの値です。

2011-03-14 04:09:38
じん @nijuoti

で、人間は自然界の砲台からミサイル攻撃を受けています、地中のRn・宇宙からやってくる宇宙線 そういう防ぎようのない放射線で我々に実際どのくらいミサイルが当たっているか(を示す時の単位はSvでしたね)というと、 諸氏により報告に差はありますが2.4mSvです。

2011-03-14 04:20:26
じん @nijuoti

他にたとえると 高度12,000mで飛ぶ飛行機では、ニューヨークへの往復で、0.19mSv。 年800時間のフライトをする航空乗務員で、年に3~4mSv。

2011-03-14 04:25:13
じん @nijuoti

では医療の検査はどうかというと 胸部で0.05mSv。 胃透視で0.6mSv。 CT検査で6.9mSv。 という報告があります。

2011-03-14 04:26:57
じん @nijuoti

さて、ここで重要なのはどれほどのミサイルを どの程度の弾幕で どのくらいの時間人間が攻撃されていたのか、ということが問題になってくる つまり「ミサイルの種類」 「ミサイルの弾幕=μSv/h」「被曝時間」の三点が 人間に対するダメージを決定するといっても過言ではありません。

2011-03-14 04:30:47
じん @nijuoti

ミサイルの種類はα・β・γ・制動Xせんなどなど色々あるのですが基本的には 今回の原発事故で(今のところ)問題になっているのはγ線をだす砲台君(核同位体)です。 

2011-03-14 04:33:41
じん @nijuoti

砲台君にも色々種類があり 二種類のミサイルを撃つもの(I131とか)もありますが、外部被曝に関する限りβ線は服でもとまる軟弱ミサイルなので心配無用。

2011-03-14 04:35:31
じん @nijuoti

砲台君も老朽化してミサイルを発射できる能力が落ちていきます。 ミサイルを発射できる量が半分になるまでの時間を半減期といい 半減期は各砲台で一定です。

2011-03-14 04:36:46
じん @nijuoti

さて、今回検出されている砲台の種類はあまり明らかになっていません。 が、外に出たら永久に放射線が危険水域以上で続けるのかと 心配されるかもしれませんが、砲台(核種)の種類によります。

2011-03-14 04:40:32
じん @nijuoti

漏れ出ているのの多くがキセノン等の希ガス類と131Iというタイプの核種(砲台)です。 これらの砲台自身の半減期は最長で8日ですが、これらが崩壊してできるCsは 半減期(砲台自身の寿命)がながく厄介です。 Csがどれくらい出ているのかは注目してみる必要があります。

2011-03-14 04:45:23
じん @nijuoti

放射線というミサイルが人体にあたるとどうなるの?  人体の中で爆発がおこってDNAに傷がつきます (電離作用によるDNA損傷)  でも、人間にはDNAを元に戻す働きがあるので傷は元に戻ります。

2011-03-14 04:48:01
じん @nijuoti

同じだけミサイルにあたっていても効果が違う事があります あたっている範囲、あたるのにかかった時間 このfactorが効いてきます。

2011-03-14 04:53:17
じん @nijuoti

あたっている範囲が広いほどダメージは大きくなります。 全身被曝大変だ、というのはそういうことです。 全身に2Svの放射線が当たると危険ですが、乳房だけに2Svあたっても全然大丈夫です。

2011-03-14 04:55:06
じん @nijuoti

あたるのにかかるじかんはかかればかかるほどダメージが小さくなります。 ミサイルが飛んでくる間に体が前の爆発でうけたダメージを回復してくれるからです。

2011-03-14 04:56:08
じん @nijuoti

なかまとめ ・放射線 目に見えないミサイル ・核種   ミサイルを発射する砲台 砲台ごとに老朽化の度合いが違う ・Sv    ミサイルがどのくらいあたったのかの指標 ・SV/h  ミサイルの弾幕濃度 です。こういめーじすれば大体は正しいかと

2011-03-14 04:58:47
じん @nijuoti

普通医療従事者がどれだけ放射線というミサイルを食らってよいかとされているかというと(逆に言えばこの程度なら遺伝的、発癌的影響を受けないだろうという量) ①50mSv/年 ③女子については 5mSv/3月 ④妊娠中である女子 1mSv ということになっている。

2011-03-14 05:06:54
じん @nijuoti

原発内部で1800μSv/h ぐらい最高値で出ていた。1800μSV/hでもしかりにこの放射能レベルが3日間ぶっ通しで働いていたとすると129mSVの被曝となり(しかも3日間で)将来的に遺伝的発癌的影響がゼロとはいえない。

2011-03-14 05:13:46
じん @nijuoti

ただ、この被曝で死ぬかといわれるとそれは大丈夫。 人間が全身被曝で死んでしまうためには2000mSvをごく短時間に浴びなければならない。仮に1800μSv/hという弾幕の中を立っていて死のうとしても1000時間以上はかかる。

2011-03-14 05:20:48
じん @nijuoti

ただ、http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110313-OYT1T00531.htm?from=twいう報道もあるようだし、原発内部の人は自分のみを削って被曝して日本国民を守ろうとしているのだということには間違いない。

2011-03-14 05:22:28
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