放射線科医のつぶやき
- t_aldehyde
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いっぱんに全身被爆で問題になるのは2Gy辺りから。 部分的に被爆するのであれば、脳腫瘍などの治療で数十Gy辺りまで使って 特に問題はない。
2011-03-13 11:34:11さて、荷重係数SvからGyへの変換が難しいように思われてしまうかもしれないが、 原子力発電所からは多分中性子なども多少は出ているが、爆発で飛び出す 放射性物質のほとんどがアイソト-プであろうことを考えると荷重係数は1でよいと思われる
2011-03-13 11:36:02閑話休題 本題へと話を戻す。 普通に我々がRI治療と言って人体に放射性物質を打って治療を行う際に その放射線を打たれた患者(放射能をもった人間)を市井に放つ基準の値がある。
2011-03-13 11:38:44I131というγ線・β線両方出す核種で半減期は1週間ぐらいのものを使うのだが その場合の退出基準は1m離れたで測定して30μSv/hという値になっている。
2011-03-13 11:41:31さて、それを踏まえた上で枝野官房長官は昨日1015マイクロシーベルトを記録した場所で,6am に36.7μSvまで低下.排気を開始した 9:20amには76.9μSv, 9:30am 70.3μSv.という値を報告しているようだ。
2011-03-13 11:45:12放射線は放射能からの距離に反比例して減弱していくので 原子炉本体からどのくらいはなれた位置から測定した値なのかがもんだいとなるが、施設内ということなので1km以内であろう。
2011-03-13 11:47:1620km離れたらその400の一なのでほんとうに1μSv/h以下となり全く全然問題ない。 つまり、非難区域外での被曝は全然気にしなくていいということになる。
2011-03-13 11:48:41ただ、実際多いか少ないかで言われると、多い。 というのも自然界で1年間に浴びる放射線(宇宙放射線など)は2.4mSv/年なので おおよそ30年間分ぐらいの被曝をしていることになる。
2011-03-13 11:58:40しかし、緊急時においては500mSvまでという考え方もある http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/housha/002/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2010/11/01/1298174_2.pdf
2011-03-13 12:02:18まぁ、どちらにせよ命に関わるほどの量ではないが、原子力発電所の内部の人たちはそれなりの被曝量を覚悟して対応に当たってくれているわけである。本当に感謝。
2011-03-13 12:05:57まとめ2:原子力発電所内の人の被曝量が最悪であったとしてもすぐに放射線 被曝で亡くなる量では無さそうであること、ただし相当量の被曝ではある
2011-03-13 12:08:41@nijutoti 不安を煽るつもりでいうわけではないけれど、距離の二乗で減衰というのは放射性物質というか、崩壊中の核子が定位置にある場合じゃないですかね?セシウムが散ってるなんて話があるけれども、放射性の原子が風に乗って運ばれて、みたいな場合はそういう計算にならんのでは?
2011-03-13 16:38:18@t_aldehyde もちろん放射性の原子が拡散すればまずいのですが、距離の3乗に比例して濃度は薄まっていくだろうし、あんまり問題にはならないかと。
2011-03-13 19:22:31