つ た え る

倦怠期きみくんまとめました。
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Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

1 きみくんと久しぶりに会える日。 夕方、錦戸くんに呼び出された。 『どうしたんですか?』 〈いや、あのさ。〉 『……?』 出会って1分。 言われた言葉に驚いた。 〈付き合えへん?〉 『……ど、どこに?』 〈彼女になって、って意味。〉

2015-09-17 22:05:58
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2 〈横山くんと付き合ってんのは、分かってんねん。せやけど、諦めきれんくて。 ちょっとでも気持ちが揺れるなら、考えてくれへん?〉 『……。』 正直、少し揺れた心。 きみくんは気持ちを言葉にしてくれなくて。 私ばっかり、一方的に好きな気がして辛くなってた。

2015-09-17 22:06:03
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3 倦怠期のようなものだと思ってた。 でも、それも勝手な思い込みなのかもって。一人で悩んで。 そんな時の告白。 ストレートに伝えてくれる錦戸くんに、自分のことが重なった。 『きみくん……』 私のこと、ちゃんと好き……?

2015-09-17 22:06:09
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4 「ただいま。」 久しぶりに直接聞こえた声。 全然元気がなくて。 『おかえり。疲れた?』 「おん。」 『ごはんは?』 「食べた。」 私に会えて嬉しいとか、そんな気持ちもないのか……なんて、考え出したら止まらなかった。 『……っ、』 辛くて、辛くて、辛くて……

2015-09-17 22:06:14
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5 勝手に流れる涙を止める術もなく、すぐに目があった。 「……。」 『、っ……ふ』 その目はしばらくして、テレビへと向けられた。 『……きみくん、』 「なんやねん。」 『……ぇ、』 「久しぶりに会いに来たんに、泣かれたらかなんわ。」 テレビを見たままの言葉。

2015-09-17 22:06:19
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6 『なに、それ……』 「……。」 『きみくんは……会いたくなかったの?』 「そんなん言うてへんやろ。」 呆れた顔で振り向かれて、辛さが増す。 『疲れて、面倒なら来なきゃいい。』 「なん、」 『嫌なら、別れるよ……私。』 「……。」 私を見据えたきみくんから、目をそらした。

2015-09-17 22:06:27
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7 「お前は、別れたいんか。」 『……きみくんが、そうしたいなら。』 「……分かった。」 そう、一言残して立ち上がり、目の前に立たれる。 ゆっくりと、顔を撫で……ゆっくり、唇を合わせると…… 「じゃあ、な……」 それだけ言って、部屋を出て行った。

2015-09-17 22:06:32
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8 それから、相変わらずの毎日。 変わったのは、錦戸くんからたくさん電話がかかってくること。 くだらない話だったけど。 たくさん元気づけてくれた。 いつもの時間に、電話が鳴る。 だけどその画面は、錦戸くんじゃない人からだと伝えてきた。 着信:横山 侯隆

2015-09-17 22:43:08
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9 『もしもし、』 「……、」 『きみ、くん……?』 電話の向こうで、息を詰めるのが分かった。 『きみくん……』 「……間違えた。」 『きみくん、』 「ほんまごめんな、切るわ、」 『会いたいよ……っ』 「……っ、」 無音になった画面を見ると、通話終了の文字が浮かんでいた、

2015-09-17 22:43:14
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10 なんで、なんで、なんで…… なんであんな事言ったんだろう。 別れるなんて、ありえないのに。 止めてくれるって、思ってた。 嫌だって、別れないって、 それも勝手な思い込みだったの……? 『きみくん、きみくっ、うっ、』 大声で、泣いた。 きみくんの名前を呼びながら。

2015-09-17 22:43:18
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11 「ごめん、」 急に聞こえた声と共に、身体を強く抱きしめられた。 「ごめん、ごめんな……」 その声は、すすり泣くもので。 初めて聞く声は、私の涙も、溢れさせた。 「あの日、どっくんに言われたんやろ?」 『……』 「俺知っててん。宣戦布告されたから。」 『え……?』

2015-09-17 22:43:24
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12 「帰ったら泣くし……あかんかったんやって、どっくんとこ行くんやって、思った。」 『ごめん、なさい……』 くるりと振り向かされると、涙の跡が光るきみくん。 「あれから毎日説教されてん。気持ち言わんから後悔するんやぞ!って。」 『ん、』 「ほんまにそうやな。」

2015-09-17 22:43:32
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13 それから口にした言葉は、 錦戸くんの物よりずっと重くて、 ずっと心が揺れ動いた。 「俺たぶんずっとお前のこと好きやから。俺の事もちゃんと好きでおってや。」 fin

2015-09-17 22:43:40
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おまけ 「あ、どっくんからや。もしもし?」 〈ちゃんと言えた?〉 「え、おぉ、」 〈横山くんが言うてるんか、みんな心配してたんやで?〉 「どういう事?」 〈彼女が可哀想やって、話しててん。せやから手助けしたったら別れてまうし。俺めっちゃ困ってんぞ!〉 「そんな事で……」

2015-09-17 22:44:41
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おまけ2 〈ま、ほんまに俺のとこ来るんならいつでも大歓迎って言うといて!〉 「アホか!コイツは俺んじゃ!絶対やらんわ!」 『きみくん……//』 「あ……」 〈あーいいもん聞けた!明日みんなで撮影楽しみやなー!〉 「あかん!言うたらあかんで!?」 めでたし めでたし ?

2015-09-17 22:44:44
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1 〈横山くんって、彼女に好きとか言うてるん?〉 「なんやねん急に。」 どっくんが始めた話にドキっとした。 〈ちゃんと言わな、離れてくで?〉 「……そんなこと、」 〈誰かに取られるかもな。〉 たとえば、おれとか。 〈真剣に伝えたら俺とも付き合ってくれへんかな?〉

2015-09-23 10:02:54
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

2 そんな訳ない。 とは思いつつも、心当たりはあった。 最近会えてないし、毎日届くメッセージも既読のまま。 忙しいって逃げて、肝心な気持ちも未だ伝えた事はない。 〈俺今日、告白しようと思ってる。〉 そんな事言われても、どうしたらいいか検討もつかへんわ。

2015-09-23 10:03:00
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

3 今日久しぶりに会える日やったのに。 モヤモヤした気持ちのまま彼女の家に帰宅すると、すでに待っていた。 「ただいま。」 彼女の顔が歪んだ気がした。 『おかえり。疲れた?』 「おん。」 『ごはんは?』 「食べた。」 なんて話していいか分からず、テレビに顔を向ける。

2015-09-23 10:03:06
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

4 『……っふ、』 いつもと違う空気に振り向くと、涙を流しとって。 それが、誰に向けられたんか。 もしかして、どっくん? 俺に嫌気がさした? 負の感情が渦巻いて。 そんな事聞く勇気もなく、顔をテレビへと向けた。 『きみくん……』 「なんやねん。」 『…ぇ、』

2015-09-23 10:03:13
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

5 「久しぶりに会いに来たんに、泣かれたらかなんわ。」 どっくんに負けた。 勝手に解釈した頭から放たれたのは、思ってもない言葉。 ほんまは、こんな事言うつもりなかった。 俺の方がお前の事が好きやって。 どこにも行かんと側におってって。 そう言ってやりたかったんに。

2015-09-23 10:03:18
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

6 『なに、それ……』 「……。」 『きみくんは……会いたくなかったの?』 「そんなん言うてへんやろ。」 会いたかったよ。 けど、お前は違うんやろ? 『疲れて、面倒なら来なきゃいい。』 「なん、」 『嫌なら、別れるよ……私。』 「……。」

2015-09-23 10:03:24
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

7 「お前は、別れたいんか。」 『……きみくんが、そうしたいなら。』 「……分かった。」 優しいから、別れたいって言えへんやろ。 それでも、愛してる。 想いを込めて、唇を合わせる。 「じゃあ、な……」 どうしても、さよならは言えへんかった。

2015-09-23 10:04:11
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

8 〈横山くん!なんで別れたん!〉 「はぁ?」 〈ちゃんと気持ち伝えろって、言うたやんか!〉 「……。」 なんで説教されなあかんの。 〈ほんまに俺が貰ってもええの!?〉 「せやから告白したんちゃうんか。」 〈ちゃうよ!〉 「……え?は?なに?」

2015-09-23 10:04:17
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

9 〈横山くんが、気持ち言うたらん奴やって分かってるし。でも、そんなん彼女可哀相やんか!〉 どっくんの話を全て聞いて納得する。 ほんまに付き合うつもりはないけど、ちゃんと話し合うようにカマかけた、と。 〈それで別れるとは思わんかった……ごめんな。〉

2015-09-23 10:04:23
Haru@ありがとう!!! @Haru8ms

10 納得すると、はやる気持ちが抑え切れない。 早く、会いたい。 会って話がしたい。 思わず押してしまった、お気に入りからの発信。 そんなとこに登録されてるって知ったら、笑われるやろか。 何度目かのコールが途切れ、声が聞こえた。

2015-09-23 10:04:30