私の好きなタイプのネタ!

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神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

奇跡は奇跡であればこそ奇跡と呼ばれ、そこに契約の無い奇跡など存在しない。

2017-06-07 10:02:45
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

対価の無い奇跡など存在せず、人はただ祈り、時間を溶かすだけである。

2017-06-07 10:03:25
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

少年は、取り立てて顔がいいわけでもなく、頭も中の上程度で、生まれてこの方16年間モテなかったし、特殊技能は持っていたので就職には困らないだろうと思っていたものの、親友のように彼女が数人常に居たり、同僚のように、一途に婚約者を愛しているなんていう未来は一片たりとも持っていなかった。

2017-06-07 10:08:55
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

だからこそだろうか。少年は高校生活に突如現れた金髪の少女に目を惹かれ、恋焦がれた。ただの転校生、仲の良いクラスメイト、そして非日常での邂逅。時を経て、二人は手を繋ぎ語らい、未来について話す関係になった。 表情の薄かった少女もやがて、年頃らしい表情をするようになった。

2017-06-07 10:13:48
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

まるで夏のような暑さの日に付き合い始めて半年が経った記念日がクリスマスだった、だからだろう。少年は少女に隠し事をしたくはなかったし、どこかで言わないといけないと思っていたことを打ち明けた。 満天の星空の下、精一杯の勇気を込めて。 それが運命の女神の逆鱗に触れようとも。

2017-06-07 10:18:30
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「マリー、だますつもりはなかったんだけど、言ってなかったことがあってさ……俺、魔法使いだったんだ……結構強いんだぜ、これでも一応今の生活が好きだからバレないようにアルバイトみたいなもんだけど……正直ずっと言えなくてモヤモヤしてたからスッキリした……」

2017-06-07 10:31:17
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

軽い口ぶりとは対照的な、縋るような目。強くはないがしっかりと握られた少女の掌に彼の汗が染み込んでいく。 「下手な冗談、だと思いたいけど、その顔じゃ、嘘は、ついてないんだよね」 昔の出会った頃のような口ぶりで少女はそれだけ呟いて。 「ジュンは私にガラスの靴を履かせてくれたんだね」

2017-06-07 10:37:45
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「ガラスの靴?シンデレラ?なんで」 「ジュンがサンドリヨンの魔法使いだってこと、恥ずかしいから何度も言わせないでよ」 「いや、まじで、どういうことなんだってば!」 夜空の下、他愛もない言葉遊び。少年は心の底から異国の少女と通じ合えたと感じた。

2017-06-07 10:41:21
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

やがて二人の姿が重なりあうのもまた自然なことだった。 いくばくかの時間が経った後、少年は、出会えた奇跡に感謝して彼女を家まで送り届け家路についた。 明日からの彼女と過ごす日々を脳裏に浮かべて、心配事何一つなく、運命の女神に感謝を捧げて。

2017-06-07 10:46:08
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

ここまで書くと、きっと、魔法使いであることを隠した少年が、彼女と共に困難を乗り越え、ハッピーエンドを掴み取る話だと思うだろう。 でもそういう話じゃないんだ。

2017-06-07 10:48:12
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「コード0865555。対象Dが因子保持者であることを確認。」

2017-06-07 10:50:17
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「出力形態からも日本政府管理下S級エージェント、仮称:アイオーンと一致。」

2017-06-07 10:54:38
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「状況設定30-Bに移行しました。今後の方針は……はっ、では一度帰投ポイントAに向かいます。…はい」 これはそういう話で。

2017-06-07 10:59:08
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「はい、この寒い中、わざわざごめんね。やっぱほら成功した子は褒めてあげたいじゃない?」 「きょ、教官?なぜこちらに?本国にいらっしゃるはずでは」 「キミのために決まってるでしょ、ほらぎゅーってしてあげるから」 黒い髪の女、マリーの教官でもあった女が手招きをした。そして。

2017-06-07 11:05:57
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

乾いた銃声と共に、湿った塊が地面に叩き付けられる。 「考えたやつを殺したくなるよねぇ……何が感情が芽生えたから新しいものに入れ替えるよ、何が、最期の情けだ、生きてるうちに抱きしめさせてもくれない癖に」 力の抜けた肉塊を背負って暗闇に消える女の姿はひどくしょぼくれていた。

2017-06-07 11:16:12
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

どんなに最適解を掴み取っても、既に何もかも終わっていたくらいじゃないとダメなんだ

2017-06-08 03:26:42
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

だから、彼は分からないことだらけだった。 「マリー…?」 出会った頃と同じ感情の乏しい顔で己を見上げる少女の顔は見慣れたもの。 ただ二人の間で過ごした時間が消え去っただけ。 「所用があるので帰る。早瀬、これを渡しておく」 早瀬巡、少年はまだそれが何を示すのか分かっていない。

2017-06-08 04:43:50
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

級友たちがざわつく中、彼は渡された紙切れを開く。 アイオーンへ 彼女の記憶を取り戻したければ、下記住所に。 貴殿も軽率な真似は控えるといいだろう。 ぐしゃりとしらず握りつぶした手紙に赤色に染まった。 これは階段を踏み外した魔法使いの物語。その手に彼女の後ろ髪は掴めなかった。

2017-06-08 04:52:46
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

住所は彼女の自宅マンションを示していた。教室を飛び出した。人目に付かぬところまで走った少年は時を結び、越えて目的地に急ぐ。それが用意された断頭台への道筋であろうとも。 マンションの4階にある彼女の部屋まで能力を駆使し最短距離で向かい、少年は飛び込むように、悪意の底に吸い込まれた。

2017-06-08 04:59:24
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「ん、いらっしゃい。君がアイオーンねえ、普通のガキんちょじゃない…まだマリーは帰って来てないけど、とりあえず紅茶でいいかな」 彼女の部屋にいたのは、年齢のわかりにくい、黒髪の女だった。日本人のようでもあるし、そうでないかもしれない。分かりにくいのが特徴の女。

2017-06-08 05:05:19
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「マリーに何をした!」 少年が一足飛びに女に飛び掛かる。女は叩き付けるように床に押さえつけようと込めた力をいなして、そのまま床に倒された。 「こんなのがマリーの心を溶かしたってのは複雑よね。ま、とりあえず退いてくれる?落ち着いて、分を弁えなさいな」 女の目が笑っていなかった。

2017-06-08 05:11:20
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「簡単に言うと、日本が持ってる最大戦力でいて秘密主義の魔法使い≪アイオーン≫の特定とヘッドハントのためにマリーみたいな駒をばら撒いて、魔法使いの兆候のあるガキにつけて監視しておくってのがうちの組織の方針で、君が見事に釣り針に引っかかったって話。首輪は情を交わした彼女の記憶」

2017-06-08 05:21:03
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「オトナが手ぐすねを引いて考えた反吐の出るような話よ。首輪≪マリー≫を付けて記憶を取り上げて、目の上の瘤だったアイオーンをDGSEの所属にして今後の仕事をしやすくするって話」 ゆっくりと立ち上がった女が、キッチンに立って、紅茶を入れる様を少年はぼんやりと眺めていた。

2017-06-08 05:27:45
神殿娼婦マリナ♥4歳ロリ幼女 @marinaresca0928

「別に私を殺して、貴方のせいで記憶を消されたマリーからも逃げてもいいわよ。ほんとはそれくらいの方が後腐れないんだけど、まあそういうタイプじゃないからこうやって底無しの汚泥の中に引きずり込まれるのよね」 女が少年にサーブした紅茶の匂いは心を落ち着かせる物だった。

2017-06-10 23:27:48