東日本大震災・宮城県石巻市雄勝町の様子 3/11-3/15

shiro9ma @shiro9ma

他の避難所で炊き出しが行われたとの事で、オムスビを誰かが運んできてくれた。老人と子供たちに渡るとすぐになくなってしまい、残念ながら俺らには回ってこなかった。

shiro9ma @shiro9ma

下の集落で炊き出しが行われるというので、他のメンバーらと移動した。そこの集会所は入釜谷という地区の集会所で、そこで炊き立てのお結びを分けてもらって食べた。塩味だけのお結びが驚くほど美味かった。しみじみと生きていて良かったと思った。

shiro9ma @shiro9ma

俺が車の移動等してる間、他のメンバーは病人の搬送などを手伝ったようだった。その先で衝撃的なものも見たとのことだった。その日は焚き火を囲みながら、そこの住人の方々らと色々と話をした。

shiro9ma @shiro9ma

家を流されてしまったおっちゃん、家族とはぐれた爺さん、田んぼが全部水没した爺さん…。それでもみな逞しく、諦めず、俺らにも優しかった。

shiro9ma @shiro9ma

車が全部流された、という話や、娘を学校に迎えに行ったまま帰ってこなかった母親の話…。着の身着のままで流され、助けられたときには冷たくなっていた人の話…。どれもこれも、自分のすぐそばで起きたことのはずなのにまるで現実感が無かった。自分の境遇も含めて…。

shiro9ma @shiro9ma

車中泊に疲れていたので、公民館内で眠りたかったが、次々に人が増え、体調不良の人なども増えるので外で焚き火に当たっていた。そしてそんな話を聞いたのだった。夜は寒く、焚き火から少しでも離れると凍えかねないほどだった。

shiro9ma @shiro9ma

焚き火のそばでうたた寝し始めたメンバーにも声をかけ、結局車中泊したのだった。

shiro9ma @shiro9ma

３月１３日（日）朝。メンバーの一人が、作業現場の状況を確認に雄勝に行くという。俺は疲れていたこともあり、行かずに車中で眠っていた。と、他のメンバーから起こされた。例の彼が居なくなっていた。雄勝に様子を見に行ったのかもしれない、とのことで俺たちも様子を見に行くことにした。

shiro9ma @shiro9ma

改めて行った雄勝の町は、瓦礫の山と化していた。現場事務所は跡形も無かった。ビルの上にはバスが乗り上げ、小学校の屋上には家が乗り上げていた。この辺の映像は、後にテレビでも報道されていた。震災から２日経ったが、自衛隊とは出会わなかった。先遣隊が入ったらしいという噂を聞いたのみ。

shiro9ma @shiro9ma

正直空腹だったので、なにか食べるものや飲み物が無いかと思って探してみたが、特にめぼしいものも無かった。養殖されていたと思しき銀鮭がやたらと泥の上に落ちていた。道端でなにやら紙切れを拾い上げてみると、楽しそうな家族写真で居たたまれなくなった…。

shiro9ma @shiro9ma

集会所に戻ると、分断された道路の向こう、北上へと船が出ているという。集会所の人々に一声かけ（ただし、相手もばたばたしていたので伝わっていなかったかもしれない）、船着場へと向かった。

shiro9ma @shiro9ma

そして船着場へ向かうと、潮が満ちて船は出ていないという。情報が錯綜しているようだ。歩いてわたれる浅瀬もあるが、やはり潮が満ちてわたれないという…。仕方ないので、また焚き火をしながら待っていると、船が出るという…。

shiro9ma @shiro9ma

船で北上へ渡る。これでようやく仙台に帰れる…とそのときは思っていた。向こう岸では警察車両が待っていて、俺たちをその先のビッグバンという公民館へ運んでくれた。そこではオムスビを二つと、ペットボトルの水がもらえた。正直、恵まれている、助かった、と思った。

shiro9ma @shiro9ma

しかし、期待していた仙台への経路は無い様だった。相変わらず携帯電話の電波も全く届かない。（３月１１日依頼、電波は隔絶したままだったので、俺たちは完全に行方不明者だった。）

shiro9ma @shiro9ma

しかし、期待していた仙台への経路は無い様だった。相変わらず携帯電話の電波も全く届かない。（３月１１日依頼、電波は隔絶したままだったので、俺たちは完全に行方不明者だった。）

shiro9ma @shiro9ma

ビッグバンは人でごった返していた。俺らが車両から降りると、家族を探していた人々からは失望の嘆息が漏れたようで、悪いことをしたような気分になった…。入り口付近のメッセージボードには、家族を探すメッセージが所狭しと書かれていた。

shiro9ma @shiro9ma

通されたのは広々した体育館にビニールシートが引かれた区画だった。手渡されたのはレジャー用のシート１枚。毛布などは無いらしい。絶望的に寒くて凍えそうだった…。

shiro9ma @shiro9ma

夜、食料として渡されたのはオムスビ一つとみかん、それに桜餅。どうやら昼にもらえたのは、空腹な俺達への配慮で増量してあったらしい…。

shiro9ma @shiro9ma

夜になって毛布が支給されたが、全員にはいきわたらなかった。寒くて具合が悪くなりそうだったが、何とかしのいだ。ロビーのテレビで情報を見れば見るほど、気が滅入りそうだった。隔絶された雄勝のことはほとんど報道されていなかった。そして、実家の気仙沼のことも…。

shiro9ma @shiro9ma

寒さに震える俺たちを見かねて、近くのおばちゃんが毛布を貸してくれた。ありがたかった…。

shiro9ma @shiro9ma

３月１４日。ビッグバンの近くのショッピングセンターでは大行列が出来ていた。特に食料、衣類、薬品。飯屋は当然のように休みだった。飢餓感が酷く、無性にラーメンが食いたくて仕方なかった…。そんなことを思いながら、テレビでニュースを見ながら一日過ごす。

shiro9ma @shiro9ma

ご飯は朝と晩の二回、おかずはおひたしのようなもの、オムスビは一つだった。食えるだけマシとは思いつつ、物資が足りていないのだなとも思った…。

shiro9ma @shiro9ma

その夜、俺たちの状況を知った親切な方が車を貸してくれると申し出てくれた。聞けば、その方も津波で家を失ったという…。ありがたく声も出なかった。

shiro9ma @shiro9ma

３月１５日。朝御飯をいただいた後で、お借りし車で仙台へと。途中で携帯が通じるようになり、実に４日ぶりに各方面と連絡が取れた。人心地ついた。反面、以前として実家とは連絡取れず。気仙沼はどうなったのだろうか・・・。

shiro9ma @shiro9ma

コンビニは軒並み休業、ガソリンスタンドには燃料を求めて長蛇の列…。それでも正直、仙台は電気があるだけマシだと思った。