【FGO×ZZ】イラストレーション締め切り◯◯ザ◯ 1001話 〜アガルタの女〜

Φ @ahiruchan_phi

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俺の名前はリッカ・フジマル。容姿は悪くないが、人生は退屈。地面から生えた腕や、よくわからねぇ扉……そういうのを壊す毎日だ。今はタスクも終えてマイ・スウィート・ルームに帰り、シャワーも浴びて……要するにあとは寝るだけってとこだ。まったく。代わり映えしない日々だ。嫌になってくる。1

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退屈しのぎに趣味でも持とうかってスタッフに頼んで用意してもらった絵描き道具も、最初の3日くらい使ってそのまま部屋の隅に放置したままだ。当然さ。渾身の一枚をナーサリーライムに鼻で笑われたんじゃ描く気も失せる。どうせ俺は平凡な一般人さ。もう寝るか。そのとき、ドアがノックされた。2

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「誰だい」俺はベッドに寝転がったまま声をかけた。「物語に参りました」声で俺はすぐにピンと来た。今朝新しく来たキャスターだ。俺は瞬時に体を起こしてルームを見回した。妙なものは出てないな。よし。「どうぞ」「失礼します」ドアが開いて、口元を隠した妖艶で豊満な美女が入って来た。3

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俺は高鳴る心臓を抑えて平静を装う。「昼間に聞いたけど、物語が得意なんだって？早速お願いしてもいいかな」「わかりました……何かリクエストなどはおありですか？」俺はちょっと迷って答えた。「刺激的な話がいいな」「むかしむかし刺激的な男がいました……」キャスターは語り始めた……。4

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キャスターの物語は見事だった。なんというか、その声には俺を物語の中に引き込ませるような魔力があったんだ。「男は容姿は悪くありませんでしたが退屈な生活で……」俺だ……。「毎日林檎ばかり……」俺だ……。「死んだ目でアーチャーを爆散させ……」俺だ……！この辺で俺を睡魔が襲ってきた。5

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「眠ってしまっても構いませんよ……」「ああ……」俺は横になった。声が心地よい。「物語の中でお眠りください……私は毎夜、続きをお話し致しましょう……」「ああ……」「その代わり、私の物語のイラストを描いてくださいますか？」「ああ……」「……それは本当だな？」キャスターの目が光った。6

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「イラストを描くというのは本当だな！？」「ワッザ？」俺が目を開くとそこには悪鬼めいた形相のキャスターがいた！布で隠された口元から触手めいたものが覗いている！「ならば描け！ヘシャァァァー！」触手が一斉に俺の方に伸びてきた！「アアアアーッ！！」四肢が絡め取られる！ヌルヌルしている！7

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「カケェェェ！シメキリハ24ジカン！次ニ俺サマガ来ルマデニ仕上ゲテオクノダ！」「アアアアーッ！！」「新鮮ナファンアートヲヨコセ！死ニタケレバ、イラストセヨ！」「アアアーッ！！」「ワカッテイルノカ！」「アアアーッ！！」触手が口の中に入り込む……喉奥に向かって……！「イヤダーッ！」8

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そのときだった。俺のベッドがガタガタと揺れた。そしてベッドの下から妖怪めいた人影がぬるりと這い出した！「イラストを描くと約束したのではなかったのですか」「エッ」「約束を破るのか！それはこのヨヒメンが許さぬ！カネデムシヤキニシマス！」「アアアーッ！！」「正直！」「アアアーッ！！」9

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二体の怪物に肉体を蹂躙され、俺の心を絶望が支配したその瞬間！KRAASH！部屋の隅の観葉植物の植木鉢が粉砕し、飛散した破片が怪物の顔面に命中した！「アァァッ！」「ナンダ！」続けて壊れた植木鉢が爆発し、その中から何者かが飛び出してきた！その者とは！10

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それは長くはためく触手を持ち、ギラギラと輝く宝石の眼が恐ろしい奇怪な存在だった！「イラストレーション締め切りゲイザー、参上！」「バカナー！」「シャァァァー！！」怪物二人は跳びのき、俺は解放された。「アンタ一体」「この世には自然科学や魔術で解明できないことがたくさんある」11

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「そしてそんな奴らを殲滅するのがこの私だ」ゲイザーは怪物に向き直った。「ニガシマセン」「リッカハ俺サマノ専属イラストレータトシテ監禁シ憩ワセルノダ！」「喰らえ！熱視線！」ゲイザーの眼がビームを放った！「「ギャァァァァーッ！！」」怪物は光の粒子になって消え、静寂が戻った……。12

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「あいつらは一体」「恐らくお前が全裸やドラえもんなど妙なものを触媒にしたために霊基とかが狂ったのだろう。再召喚されれば正常に戻る。それよりも忘れていることがあるだろう」そうだ。俺は思い出した。「鬼ヶ島の素材交換期限がもうすぐだ」「そうだ。あれだけ集めたつづらとかを大切にしろ」13

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「それはそうとしてイラストを描くのだ！」「アアアアーッ！？」ゲイザーは俺の前に紙とペンや魔術タブレットや粘土板を並べた。「鬼ヶ島の温泉にタマモキャットがいただろう！それを描くのだ！」「アアアアーッ！！」「締め切りは今日中だぞ！」「アアアアーッ！！」カルデアの夜は長い……。FIN

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イラストレーション締め切りゲイザー第1001話 〜アガルタの女〜 おしまい