彼女をライブに誘うなら〜忠義編

レオナ @leo_msk_tdys

26. 「…俺も、ゴメン」 たーくんの腕にほんの少し、力が入った気がした。 「…俺も怖かった。ホンマの俺を知ったら、君が変わってしまうんやないか、って。 もしかしたら、離れてしまうんちゃうかなって。 そんなん、イヤや。 俺、君が好きやから」 #彼女をライブに誘うなら

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27. 「君がどこの誰でもいい。 俺のことも、そう思ってほしかった。 でも、ゴメン。不安にさせて。 好きや。 めっちゃ好き。 離れんといて」 「…たーく、」 初めて触れた唇は熱くて、涙で少ししょっぱい味がした。 #彼女をライブに誘うなら

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28. それから一週間後、仕事帰りに私はドーム球場にいた。 野球を観に来たわけではない。 今日は関ジャニ∞というグループのコンサートがあるらしい。 たーくんが自分の正体を明かしてくれると言い、チケットを渡され、この会場を待ち合わせ場所に指定された。 #彼女をライブに誘うなら

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29. 色とりどりの女の子達で座席が埋まっていく。 たーくんが座ると思っていた私の隣には、知らない女の子が開演直前に滑り込んできた。 すっぽかされた？それともやっぱり全部、騙されてた？ 私の胸に、また不安がよぎった。 #彼女をライブに誘うなら

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30. 突然フッと会場のライトが消え、一斉に黄色い歓声が湧き上がる。 程なくして巨大なモニターに浮かび上がった映像を、私はぼんやり眺めていた。 「…え、」 今、なんだか知ってる顔が映ったような…。 すると、画面に現れたクレジットはーー #彼女をライブに誘うなら

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31. “TADAYOSHI OHKURA” …ただよし、…た………、たーくん⁈ え？嘘⁈ いやいやいや…そんなことーー あまりの衝撃に思考がついていかない。 混乱していると、ステージ上にシルエットが浮かび上がり、7人の男性が現れた。 #彼女をライブに誘うなら

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32. 爆音が鳴り、7人が散らばる。 見慣れた長身と端整な顔が近づいて来る。 私の目の前を、キラキラの笑顔でウインクして横切ったのは、紛れもなく“たーくん”だった。 「嘘でしょ…」 #彼女をライブに誘うなら

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33. ねえ、信じてもいい？ あの夜の夢は、正夢。 彼は、私を救いに来た王子様だった。 そして今夜、二人は誓いのキスを交わす。 終. #彼女をライブに誘うなら pic.twitter.com/zg426CZyj8

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