ニック・レーン 「生命の跳躍」 まとめ・感想

最初の投稿が2ヶ月前でした.時間が経つのって速いですね.TLが分けわかんなくなってて,自分の発言だけまとめるにとどまりましたorz
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ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ついでにそこから思い出すのは,「人類は火を使うことを覚えて,食物からのエネルギー吸収効率がよくなって,エネルギーをたくさん使う脳を大きくする余裕が生まれた」って話ですな

2011-02-08 23:12:58
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

そういえば,僕があつかっているThermus thermophilusという細菌には,大量に古細菌由来と考えられる遺伝子があって,なんなんだろねという話も.

2011-02-08 23:21:30
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

個人的には,「真核生物が進化した共生の流れ・ギミック」と「細菌はたくさん感染症を引き起こすのに対して,古細菌はあまり真核生物を攻撃してこないこと(俺個人の偏見かも)」になんらかの関連があるのではないかと妄想している.

2011-02-08 23:26:32
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ニック・レーン著 『生命の跳躍』 ハイライト,第5章:有性生殖,減数分裂の際には染色体が母親由来のものと父親由来のもので組み換えを起こし,新しい染色体が作られる.

2011-02-11 16:17:29
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

補足:僕らが高校のときの生物の授業では,“ときに”組み換えが起こると教えられていましたが,現在は“必ず”組み換えが起こることが分かっています.5年くらい前の大学院の講義 by フレディー・マーキュリー

2011-02-11 16:17:52
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第5章:有性生殖(続き),有性生殖が有利になる理由の考察→クローン生殖ではある遺伝子に有益な変異が入っても,同じ染色体上の他の遺伝子にダメな変異が入っていたらその有益な変異が広がらない.逆にダメな変異が入っていても同じ染色体上にナイスな変異がたくさんあればダメな変異も一緒に繁栄.

2011-02-11 16:19:47
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第5章:有性生殖(続き),さらにクローン生殖では1つの変異(遺伝子)の影響力が非常に大きい場合,他の遺伝子に破壊的な影響がでてしまうことも→男性のY染色体とか退化しまくりね.世代ごとに染色体組換えを行う有性生殖では,各遺伝子個別に選択圧をかけることができる.

2011-02-11 16:20:18
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第5章:有性生殖(続き),真核生物の誕生の際にはトランスポゾンが染色体を切り分けて線状染色体を作ったと考えられる.真核生物になるためには大きな変化がいくつも必要だったと考えられる.そのようないくつもの変化・遺伝子を有性生殖ならば1つの細胞に集めることができる.

2011-02-11 16:20:45
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

素人向け補足:僕らの染色体は僕らのおじいちゃんとおばあちゃんの染色体の遺伝子組み換え産物です.遺伝子組み換え怖くない.

2011-02-11 16:21:56
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

っていうか,洗濯洗剤みたいに「酵素のパワーで遺伝子組み換え!!」とかって宣伝したらイメージ良くならないだろうかwww

2011-02-11 16:22:59
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

あと,昔参加した学会で,大腸菌のゲノムにトランスポゾンみたいのを導入して,線状ゲノムをもつ大腸菌を作成したってのがあった.ファンタスティック♪

2011-02-11 16:24:29
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ちなみに,この章のなかでジャレド・ダイアモンドの著作についてのリマークがありました.ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』は専攻に限らず全ての人とって面白いんじゃないかと思われる名作です.春休みで暇してる学部生とかぜひ♪

2011-02-11 16:26:20
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ニック・レーン著 『生命の跳躍』 ハイライト,第6章:運動,ミオシンとキネシンは配列上は相同性は低いが,構造解析によって共通祖先から進化したと示唆された.これらのタンパク質は細菌由来のGタンパク質のグループに含まれる.変形する役割を持つタンパク質から運動を司るタンパク質ができた.

2011-02-13 23:36:37
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ニック・レーン著 『生命の跳躍』 ハイライト,第6章:運動(続き),アクチンやチューブリンについては細菌に相同なものはないと考えられてきたが2000年代になって(X線結晶構造解析の助けによって),細菌でも同様のタンパク質が細胞骨格や細胞分裂時の役割を担うことが明らかにされた.

2011-02-13 23:37:54
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ニック・レーン著 『生命の跳躍』 ハイライト,第6章:運動(続き),ただ細菌では染色体はアクチンに引っ張られ,細胞分裂面はチューブリンで分けられるのに対し,真核生物では逆になっている.これは真核生物の進化の歴史に関連するのかもしれない.

2011-02-13 23:38:23
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

この章で印象的だったのは,戦時中レーダーの研究をしていたヒュー・ハクスリー(アンドリューじゃないほう)が,原子爆弾への恐怖から物理学を放棄して,道徳・感情的に納得しやすいテーマに移った科学者のひとりだというくだり.

2011-02-13 23:38:45
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

当時の研究者にとってどれほどの衝撃だったか,また,研究者が人間の幸福を願って研究していることを感じた.このときの物理学者の心情を思うと,同じ科学者として言葉もない.

2011-02-13 23:40:41
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

ニック・レーン著 『生命の跳躍』 ハイライト,第7章:視覚,眼球の構造はあまりに精巧で,しかも不完全な眼球は役に立たないように思われる.そのため眼球は「インテリジェント・デザイン」の根拠にされることも多い.しかし,徐々に眼球が完成するまでの段階を追うことはできる.

2011-02-19 23:33:26
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第7章:視覚(続き),眼球は「網膜」と「レンズ」に分かれる.現在でも,むき出しの網膜だけを持つ生物や,レンズのないピンホールカメラのような目を持つ生物は存在する.少しでも視覚があれば生存上有利.

2011-02-19 23:35:30
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第7章:視覚(続き),むき出しの網膜から完全な眼球に進化するまでには40万回程度の微小なステップが必要だったと推定されているが,これは地球の生命史の中では一瞬で起こると考えられる.

2011-02-19 23:36:03
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第7章:視覚(続き),我々の眼球のレンズに用いられているクリスタリンというタンパク質は,眼球以外のところで他の機能に用いられていたタンパク質が流用されただけで,特別な点はない.

2011-02-19 23:36:54
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

第7章:視覚(続き),網膜で光を受容するロドプシンは,細菌でも光センサーとして用いられている.視覚をもつ生物は全てこのロドプシンを受け継いでいる.

2011-02-19 23:37:14
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

この章は深海熱水孔の生物探索などドラマチックなストーリーが多くて楽しめます.人間にとって最も重要な感覚器の話だけあって,生物に詳しくない人でも十分楽しめる話になってます.あと衝撃的な図があってタイトルどおり「視覚」に訴える感じww

2011-02-19 23:42:06
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

あと一般の人にとって面白いんじゃないかと思われるところ→人間の目は『赤』という色は直接観察できない.『緑』と『黄緑』を観察して,その差から脳で『赤』を再生している.

2011-02-19 23:49:11
ShunsukeTAGAMI @ShunsukeTAGAMI

正直,『色』については,各個人が脳内でまったく同じように再生している保証はないですよね? というかある程度個人差があるんだと思います.だから『色の好み』にはきっとそういう理由もあるのです.それは他人から文句を言われる理由は全くないものなのです. と,派手好きを肯定してみた.

2011-02-19 23:54:51