《「核燃料プールを冷やせ!~自衛隊と消防 決死の放水作戦~ 視聴感想》

自己ツイートをまとめました。 2017年8月27日NHK総合で放送された 「明日へ つなげよう 証言記録東日本大震災 第67回 福島県 核燃料プールを冷やせ!~自衛隊と消防 決心の放水作戦~」の視聴記録と感想です。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2017年8月27日(日)放送のNHK総合「明日へ」は、 2011年3月17日から19日にかけての、自衛隊と東京消防庁による、東電福島第一原発の「冷却作業」を詳細に描いた、新映像や情報も多く含まれる番組だった。 本来なら3時間程度必要な内容を45分程度に収めるので省略が多かったが

2017-08-27 21:20:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2011年3月17日の段階では、東電福島第一原発に必死で対応していた人たちは、既に爆発を起こしていた1号機と3号機について、「水素爆発だし、多くの燃料棒は原子炉内に残っている」と考えて対応していた。現在の解析や分析では燃料棒はその時点ではほぼ全量メルトダウンしていたとされている。

2017-08-27 21:24:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

それにしても2011年3月17日段階では、1号機と3号機の格納容器は残されていて、外部から水を放っても冷却は困難だが、3号機使用済み燃料プールは剥き出しになっており、空中からの観察では水も喪失しているように見えたので、放水冷却の対象にされた。 しかし東京電力には打つ手がなかった。

2017-08-27 21:28:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2011年3月15日には、米国のNRC等から「使用済み燃料プールへの注水と冷却」を要求されていた。当初は4号機のプールが対象だったが、上空からの観察で4号プールに水が残っていることがわかり、冷却対象は3号機プールになった。それができる装備は東電にはなく自衛隊と東京消防庁が呼ばれた

2017-08-27 21:32:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

では、自衛隊に放射能汚染地で人間が陸上にむき出しで出て作業する装備も訓練もなかった。大型ヘリで上空から水を投下する、山火事の消化のような方法を、放射線を遮蔽しながら行うしかなかった。しかも、1度に投下できるのは50トン。原子炉や燃料棒プールを冷却し続ける能力はなかった。

2017-08-27 21:36:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

それでも、自衛隊の存在と尽力を国民に見せる必要はあったし、米国からの要求に応える必要もあった。ミリSv単位の被曝を隊員に強いることになるが、1回は冷却作業を実行することになった。実際、ヘリによる放水は、投下した水の量が少ないので一部の人を落胆させたが、一部の人には希望を抱かせた。

2017-08-27 21:41:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

その自衛隊の海水投下に続いて、東京消防庁の「ハイパーレスキュー隊」という精鋭が、原発冷却の作業に入ることが報道されていた。大地震が起きるまでは、東京から東電福島第一原発まで車で4時間程度の所要時間で、消防隊は夜明け前に東京を出発したと報道があった。しかし、なかなか放水が始まらない

2017-08-27 22:10:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東京消防庁から消防隊が出発してから、放水が始まるまで、時間がかかり過ぎた。しかし、今日の放送で、なぜ時間が必要だったのか、どの様に「官邸」に伝わっていたのかがわかった。まずは道路の寸断で到着に時間が掛かった。現場から10㎞地点で酸素マスク着用した。正門から事前計測部隊を出した。

2017-08-27 22:22:48
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

正門に本隊を残した東京消防庁隊の計測隊は、1時間で数十ミリSvから数百ミリSv被曝する場所があることを記録し、海水汲み上げ地点を決定した後、正門に戻ると本隊がいない。この法が「官邸」に伝わり、「東京消防庁が撤退した」と大騒ぎになった。この「官邸」が政治家か東電役員かは不明だ。

2017-08-27 22:27:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東電福島第一原発に向かい正門から姿を消した東京消防庁本体は、撤退したのではなく、酸素マスク用の酸素補給の為に後退しただけだった。それを「現地」自衛隊部隊経由で「官邸」に連絡し、官邸の混乱は収まった。しかし、消防庁の冷却準備のホースや機械の配置は、夜間に行わざるを得なくなった。

2017-08-27 22:38:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

夜間に、緊急を要する状況で、これまで経験がない放射線に身を晒しながらの、ホースや機器の配置、設置。当時の動画で理解できるのは、計測器は現代のものだが、意思の疎通は人間関係の初歩、声の掛け合いに頼らざるを得ないことだ。詰まる所、人が土壇場で頼るのは信頼できる人同士の声の会話だ。

2017-08-27 22:51:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

今の時点から見れば、結果として、福島第一原発に存在した放射性物質の全てが放出される、という最悪の事態は、2011年3月では避けることができた、と言える。しかしその為に、本来、原発事故で制御不能になった原子炉や使用済み燃料プールへの対応をすべきではない自衛隊や消防庁の人が被曝した。

2017-08-27 22:54:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

今日の番組を見なかった人にも、是非、記憶して欲しい言葉を、番組終盤に、自衛隊部隊の指揮官と、東京消防庁の指揮官(どちらも当時)が、同じように口にした。「原発事故に対する対応を、事故現場で行うのは、私たちの任務ではない。次に同じようなことが起きても、対応できない」

2017-08-27 23:15:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

特に自衛隊の指揮官(当時)は次のような喩えを口にした。 「私たちは、火災が起きた現地の消防団のように、本来の仕事として対応する人達が来るまでは対応した。しかし火災ならば、本来中心で対応すべきなのは消防団ではなく、消防署の専門職の人たち。専門的な人が対応すべきことだ」と。

2017-08-27 23:18:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東京消防庁の当時の指揮者は、こうも言った。 「原発の事故に消防士が対応しなければならないとしたら、法律を変えて、消防士の育成カリキュラムも変えて、何十時間も勉強しなければできない。今の法律のままで、消防士が対応できることではない。」と。

2017-08-27 23:22:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

原発事故が発生してから、間もなく6年半が経過する。その間「この原発事故は収束不可能だ」と考えるしかない材料が増え続けるだけだった。 にもかかわらず、幾つもの原発が運転を再開してしまった。 危機対応に関する法律は大きく変わることもなく、高線量下で作業する組織も決まっていない。

2017-08-27 23:27:50
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

真正面から考えれば、現行憲法下で、放射線が高線量で放たれ続ける場所で、その危険性を承知の上で作業させることは、日本国憲法で禁止された「苦役」に該当する怖れがあるので、対応する組織を法で決め、その組織に属する人に強制的に作業させることは、無理があると思われる。

2017-08-27 23:31:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかし、原発が事故を起こせば、誰かが高線量被曝を覚悟して作業しなければならない。この矛盾を法的に解決することは非常に困難だと私は思うのだが。 一部の政治家たちは「自衛隊は入隊時に宣誓をしているのだから、非常時に危険に身を晒すのは当然だ」と決めつけているが、それは無茶な解釈だ。

2017-08-27 23:34:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

消防士も消防団員も、自身の生命を危険に陥れるような消火・救命作業は強要されない。 そうは言っても、原発が過酷事故を起こした場合、危険に身をさらさずに収束作業を行う事はできない。 この矛盾を解決するには、一つしか答えはないはずだ。「そんな危険なものは作らない・使わない」これしかない

2017-08-27 23:38:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ところが、「日本の原発は過酷事故を起こさない」という「安全神話」が崩壊して、 「原発は過酷事故をおこすこともある」という想定に立っているはずの現在でも、緊急時の危険作業を行う人や組織を決めないまま、原発を動かし続けている。 被害者である私は「日本社会は愚かだ」と言うしかない。

2017-08-27 23:43:49
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

既に原発の過酷事故が発生し、収束の目途も立たず、世界中に放射性物質を撒き散らし続けているという現状でもあるし、 「停止している原発は過酷事故を起こさない」とも断言できない状況もある。 しかし、危険があることを承知の上で、リスクを増やす再稼働など、正気の沙汰とも思えない。

2017-08-27 23:48:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

少なくとも、日本の電力会社、「原子力ムラ」の住民たち、未だに原発推進を掲げて恥じない人々が、この日本社会には相当の人数、存在する。 311の教訓を、そういう人たちは学んでいないのだろうし、他の人達にも同じように愚かであることを強要している、と私は感じている。

2017-08-27 23:52:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

他の原発事故が起きる前に、できる事はしてほしい。 まずは、今起きている原発事故の後始末を考える。 そして、できるだけ早く、今稼働している原発と関連施設を止める。 同時に、原発と関連施設の片付け方を相談して決める。 本気の避難計画を作り、住民に徹底する。 順番を間違わないでほしい。

2017-08-28 00:01:54