企業研修用テキスト開発プランナーの考え方

読解力・図解力研修講師にして、研修テキスト開発コンサルタントの開米瑞浩が、研修テキストの相談に乗りながら考えたつぶやきまとめ
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開米瑞浩 @kmic67

今週、社内研修を開く方からの研修テキスト相談依頼あり。 気がついたことその1。 フォントが大きすぎる。 小さすぎるよりはマシだが、大きすぎて行間がピチピチに詰まってるのはかえって見づらい。適宜行間を空けましょう。

2010-03-28 23:03:50
開米瑞浩 @kmic67

PowerPoint のテキストブロックは「行間を空ける」という設定が出来ないので、この種の問題を起こしがち。そもそも箇条書き用に作られているので、テキストブロックは「文章」を入れるものではない、ということなのかもしれない。このへんはユーザーが注意して使わないといけない

2010-03-28 23:07:47
開米瑞浩 @kmic67

デマ飛ばしてしまった。「PowerPoint のテキストブロックには行間の設定ができない」というのはデマでした。テキストブロックには設定できないが、「段落」には設定できました。謹んでお詫びします(*_*)

2010-04-17 11:29:22
開米瑞浩 @kmic67

ま、プレゼン名人の多くは「そもそもプレゼン資料で1ページ50字以上は書くな!」 と主張される。が、プレゼンとティーチングは違うので、プレゼンの原則をティーチングに無条件には適用するわけにはいかない。ティーチングの場合は文字数を減らせないことがある。

2010-03-28 23:10:57
開米瑞浩 @kmic67

とはいえ文字数を減らしたほうがいい場合も確かにある。 あるページを見ると全体で308文字。そのうち110文字相当のセクションを見ると、重要な情報は「6割」「8割」という比率の数字だけだった。 これなら文字を全部削ってグラフにしてもよさそうだ。

2010-03-28 23:14:48
開米瑞浩 @kmic67

また、箇条書きの各条が同レベルの情報に揃っていない、というケースも多い。たとえばあるところでは ○○問題へ対応しないとどうなるか?  (1)A問題が起る  (2)B問題が起る  (3)C問題が起る  (4)A・B・Cへの予防措置が必要 と書かれていた

2010-03-28 23:18:23
開米瑞浩 @kmic67

この場合は(4)は(1)~(3)を踏まえた「結論」なので、(4)ではなく「結論」としてハッキリ別項目を立てるべきだった。こうした情報のストラクチャーを踏まえていない箇条書きが実は大変に多い。

2010-03-28 23:19:57
開米瑞浩 @kmic67

また、企業における実務的な教育研修を行う場合、目的は「講師である私はこの問題を理解してますよ」という自己アピールではないし、学術的な議論、論争を紹介することでもない。

2010-03-28 23:25:48
開米瑞浩 @kmic67

企業における実務者向けの教育研修で大事なのは、「相手が自分で実践できるようにすること」だ。そのためには、研修の場に「実践」の機会を取り入れなければならない。

2010-03-28 23:26:45
開米瑞浩 @kmic67

研修の場に実践機会を取り入れるための良く使われる方法。その1:ワークをさせる。コミュニケーション系の研修では受講生相互にコミュニケーション・メソッドのワークをさせるのが簡単で、かつそれがそのまま実践機会になるので、よく使われる。

2010-03-28 23:28:42
開米瑞浩 @kmic67

しかし、コミュニケーション系スキルではなく、知識や思考を必要とする研修では「受講生相互ワーク」だけではうまく行かない。 そこで必要になるのが講師からの問いかけだ。

2010-03-28 23:31:30
開米瑞浩 @kmic67

問いかけにもいろいろあって、一番単純なのは、1分前に言ったばかりのことを尋ねてみること。「この答えですが、さっきも出たアレです。 さっき私なんと言いましたっけ?」 という感じの問いかけを入れる。1分前のアレはすぐ出てきても5分前のアレはなかなか出ないので時間差で難易度調整可能。

2010-03-28 23:36:04
開米瑞浩 @kmic67

プロ講師はこの「問いかけ」を入れる回数が非常に多く、かつ、タイミングがうまい。それはもちろん事前にどこでどんな問いかけを入れるかシミュレーションしているからだ。

2010-03-28 23:38:00
開米瑞浩 @kmic67

ちなみにこの「問いかけ」のことを教育工学では「発問」と呼ぶ。 ただ、一般には知られていない用語なのと、もう1つ理由があって私はあえて「発問」ではなく「問いかけ」という日常語を使っている。

2010-03-28 23:41:06
開米瑞浩 @kmic67

私が「発問」という言葉を使わないもう一つの理由、それは、教育工学における「発問」という概念の位置づけに微妙な違和感を感じている、ということだ。

2010-03-28 23:57:42
開米瑞浩 @kmic67

たとえば文科省サイトで「発問」について説明されているページ http://bit.ly/aX6lkh を見ると、「質問」は子供が本文を見ればわかるもの、「発問」は子供の思考・認識過程を経るもの とある。

2010-03-29 00:02:37
開米瑞浩 @kmic67

この「質問」と「発問」の使い分けには違和感を感じる。 その区別をしたいなら、私なら 単純質問 対 複合質問 のような表現をするだろう。

2010-03-29 00:04:14
開米瑞浩 @kmic67

また、「一問一答とならず、子供達の間でも関連発問が出るとよい」という説明もある。ここも違和感のあるところ。

2010-03-29 00:08:17
開米瑞浩 @kmic67

私が研修の中で「問いかけ」を組み立てるとき、「受講生の中から関連発問が出る」ことを狙っているシーンも確かにあるが、だいたい8割~9割の「問いかけ」では、そんなことはまったく考えていない。

2010-03-29 00:08:40
開米瑞浩 @kmic67

そんなわけでどうも教育工学方面の「発問」概念は私にはなじめないので、「問いかけ」という単なる日常語を使っているわけだ。

2010-03-29 00:10:55
開米瑞浩 @kmic67

さてまたまた研修テキストの相談受付中。 あるとき箇条書きが6項目あった。よく見ると、1 と 25 と 346 の3グループに分類できそうだった。

2010-03-29 00:26:45
開米瑞浩 @kmic67

こういうときに僕が良くやる手は、分類した状態を見せておいて、そこに「分類名」をつけさせる、というもの。分類をすること自体もさることながら、名前をつける、というのは人の頭を働かせる非常に良いワークであり、その結果よく記憶に残る効果がある。

2010-03-29 00:28:30
開米瑞浩 @kmic67

より難易度を高くすることを狙うなら、未分類のままの状態で見せて、分類するところから行わせる。途中で様子を見ながらヒントを出す。

2010-03-29 00:29:27
開米瑞浩 @kmic67

こんな形で「考える」ワークをさせることが、そのまま「実践」機会になる。もちろん、現場に出て実践する機会、という意味ではないが、現場での「情報の評価、判断」を事前に疑似体験しシミュレーションする機会になるわけだ。

2010-03-29 00:31:25
開米瑞浩 @kmic67

「考える」ワークをするためにどの程度の情報量がよいか、これは千差万別。情報量が多くなければ見えてこない特徴もある。そのため、教育研修ではプレゼンテーションと違って「1ページ100字以内、いや50字以内」といった、文字数の目標値は設定できない。

2010-03-29 00:33:55