TSSP「知っておきたいエピソード」⑵朝鮮半島の平和を阻んでいる者は、本当は誰なのか?〜続・世界核戦争勃発前夜?に明かされる秘められた北朝鮮現代史〜
- taiyonoibiki
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⑨もちろん、そのときは北朝鮮そのものもなくなってしまうでしょうが、アメリカの攻撃と北朝鮮の反撃はこの地域全体を破壊することになるでしょう。この地域全体にわたって起きるでしょう。そのダメージの計り知れないことを少なくともマクマスターと、マティス(国防相)は十分理解しているはずです。
2017-09-11 23:55:25⑩ですから、アメリカが北朝鮮を攻撃する可能性は極めて低いと思います。 しかし、本当の大事なことは、この問題に対処するにはどういう方法があるのか考えることです。
2017-09-11 23:55:57⑪例えば経済制裁とか、それから新しい大掛かりなミサイルシステムの構築とか、しかし、これは中国を刺激し、中国との緊張を高めてしまう結果になるでしょうね。
2017-09-11 23:56:40⑫それから、様々な軍事的圧力、例えばカール・ビンソンなどの航空母艦を北朝鮮海域付近に派遣するとか、どうしたことかカール・ビンソンは間違えて見当外の方角へ行ってしまいましたが(会場から笑い)、けれども私たちはそういったことをすぐに忘れてしまうでしょう。
2017-09-11 23:57:13⑬ところで、そもそもこういう様々な手段は一つの問題を解決するためにあるのではないでしょうか。そうそう、これまでに何度も提案されてきた手段なのですが、たった一つだけ意図的に無視され続けている手段がありました。その手段は何かというと、それはとてもシンプルなものです。
2017-09-11 23:57:59⑭目的は北朝鮮の軍事システム、特にミサイルシステム、核兵器プログラムを凍結することですよね。ですから、その目的を達成するための有効な手段は、<ミサイルシステムを放棄したいという北朝鮮の提案を受け入れること>なのです。もっともな話ですよね。そして実際に彼らはその申し出をしたのです。
2017-09-11 23:58:52⑮ミサイルシステムおよび核プログラム放棄を北朝鮮が提案し、それには中国が保証人の名乗りをあげました。すると、アメリカ合衆国はどうしたか?なんと、アメリカ合衆国は直ちに北朝鮮のこの提案を拒絶したのです。
2017-09-11 23:59:28⑯ですから今、トランプに批判が集中しているようですが、そのことでトランプだけを責めるわけにはいきません。数年前、あれは確か2015年のことだったと思いますが、北朝鮮から核兵器プログラム廃棄の提案が出された時、オバマが直ちに拒絶しているからです。なぜ、拒否したのでしょうか?
2017-09-12 00:00:18⑰北朝鮮がアメリカに見返りを求めたからです。北朝鮮が求めた見返りは無理難題だったのでしょうか?いえ、たいへんもっともな要求でした。つまり北朝鮮は、ミサイルシステムと核兵器プログラムを放棄する代わりに、アメリカも国境付近で北朝鮮に軍事的圧力をかけるのをやめることを要求したのです。
2017-09-12 00:00:48⑱アメリカの軍事的圧力とは何か、それは例えば、トランプ政権が今実際に行っていることですが、核攻撃能力を持つB52などを国境付近に飛ばすというようなことです。それは北朝鮮の人々にとって、冗談でも戦争ゲームでもないのです。
2017-09-12 00:01:26⑲何故なら、おそらく、ほとんどのアメリカ人が忘れてしまっていると思いますが、北朝鮮の人々はあの時のことを鮮明に覚えているからです。それほど遠いことでもない過去に、アメリカの空爆によって北朝鮮の国土は文字通り完全に真っ平らになるまでに破壊し尽くされたことがありました。
2017-09-12 00:02:07⑳空爆のあと、標的となり得る物は何一つ残っていませんでした。その内容は公式アメリカ空軍四半期レビュー報告書に詳述されているので、わたしはここで皆さんにそれを読んでみることを強くお勧めします。そこには、鮮明かつ正確に朝鮮戦の実態が詳述されています。
2017-09-12 00:02:46㉑「空爆の後、標的となり得るものは一つも残されていなかった」と。そこでアメリカ軍は次に何をしたか?「そこで、次に我々は巨大ダムを攻撃することにした」と、言うのです。ダム破壊は主要な戦争犯罪の一つです。ニュールンベルグでは、そのことで数人が絞首刑に処せられたほどですから。
2017-09-12 00:03:23㉒しかし、同じことでもアメリカがやったとなると犯罪にはならないようですね。報告書はダム破壊の経過を嬉々恍惚として詳述しています。ダムが破壊されると、それは凄まじい洪水となっては谷という谷を飲み込み、下流の水田地帯を破壊した。
2017-09-12 00:04:11㉓ご存知のように、アジア人は主要な食料を米に依存しています。米は文字どおり命の糧なのです。コメがなくなることは餓死することを意味しています。ところが空軍報告書はこの破壊の有様をそれこど有頂天で嬉々として詳述しているのです。
2017-09-12 00:04:59㉔報告書のセンテンスというセンテンスに反アジアのレイシズムに溢れています。皆さんは、本当にこの報告書を一度読んでみる必要があると思います。私は強くお勧めします。けれど、北朝鮮の人々はそれを読む必要がないのです。なぜなら、彼らはそれを実際に経験してきたのですから。
2017-09-12 00:05:59㉕ですから、核やその他の大量破壊兵器を搭載したB52が国境付近を飛行するとき、彼らが冷静でいられなくなるのはまったく当然のことなのです。しかし、そうした事情を知らされていない私たちの目には彼らはただ奇怪な人々として映るわけですね。相変わらず頑固に核開発をやめない、わからず屋だと。
2017-09-12 00:07:01㉖しかし公平に見てみると、彼らにとってそれこそが政権と国土を破壊から守ってくれる可能性を持った最後の<抑止装置>だということがわかるのです。こうしたことは全て、北朝鮮政府が悪い政権であるとか良い政権であるとかには一切関係ありません。たぶん、彼らは人類史上最悪の政権かもしれません。
2017-09-12 00:08:08㉗よろしい。しかし、そんなことは関係がないのです。そして、この基本的事実は消えることなくそこに存在しているわけですね。そこでもう一度、問題の本質に立ち返りましょう。ミサイルシステムと核兵器プログラムを放棄するという北朝鮮の提案を、なぜアメリカ合衆国は拒否するのか?
2017-09-12 00:08:47㉘お返しとして、アメリカはただ国境付近で北朝鮮に軍事的圧力をかけることをやめるだけでいいのです。それがアメリカには何故できないのでしょうか?この問題の解答を、私は皆さんに預けておこうと思います。
2017-09-12 00:09:28㉙そうそう、忘れてならないことが一つ。北朝鮮からの提案が、民主党・共和党の両党が満場一致で拒否されたことです。「私たちは彼らと交渉することができないのか?」そこで彼らの議論は「我々は彼らを信用できない」というところに行き着いていつもそこで止まります。
2017-09-12 00:10:01㉚しかし意外にも、交渉によって成果を得た歴史的事実が実はちゃんとあるのです。とても興味深いことだと思います。それは1993年、クリントン政権下で起こりました。あのとき、北朝鮮とイスラエルが密約を結んだのです。
2017-09-12 00:10:36㉛つまり、北朝鮮は中東に核技術を持ち込むことをしない、何故ならそれはイスラエルにとって重大な脅威となるでしょうから、そしてその見返りとして、イスラエルは北朝鮮の核開発を認めるというものでした。しかし、それはクリントン政権にとって受け入れがたいものでした。
2017-09-12 00:11:09㉜そこでクリントン政権は直ちにイスラエルに圧力をかけ、北朝鮮との密約を反故にさせました。すると、一方的に約束を反故にされた北朝鮮は、それに反応して北朝鮮が最初の中距離弾道ミサイルを発射しました。
2017-09-12 00:11:50㉝私はここでその成り行きの詳細について語ることはしませんが、これはたいへん興味深い話だと思います。つまり歴史的事実として2005年に、北朝鮮が実際に核プログラムとミサイルシステムを放棄することに同意したことがあったのですから。
2017-09-12 00:12:28