グダポン(@bonchacchanga)について考えた。-「畳精神」の正体-

「おまえが長くセルフくそまとめを覗くならば、セルフくそまとめもまた等しくおまえを見返すのだ。」
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塩崎ツトム :「ダイダロス」早川書房様より2月21日発売! @kaspar_63

togetterに住むセルフまとめマイスター、グダポン君(@bonchacchanga)が使う謎単語・畳精神。「畳精神ってぶっちゃけなんなんですか?あなたの妄想なんじゃないんですか?」と指摘してブロックされた人も多いと思う。 twitter.com/kaspar_63/stat…

2017-09-17 02:51:30
塩崎ツトム :「ダイダロス」早川書房様より2月21日発売! @kaspar_63

そこで、グダポン君自身の畳精神定義のまとめをもとに、「畳精神とはなんぞや」という点と、そんな造語を編み出したグダポン君のメンタリティについて考察してみた。

2017-09-17 02:54:19
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まず結論、グダポン君はこの身勝手な造語さえ振り回していれば日本人についてすべて語れると思いこんでるが、幻想である。特定の民族や階級・文化圏にだけ発見される精神病理というものは存在しない。Aという集団にある精神指向が観察されたら、他集団にもそれと相似の精神指向が見つかるはずだ。

2017-09-17 02:57:38
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例)黒人奴隷特有のドラペドマニア(逃亡黒人精神病)はのちに存在が否定されたし、21世紀において東洋人を「従属的人種」と定義して事足れりと思う東洋学者はほぼいないはずであり、いたとしたらそれはただの偏見・オリエンタリズムである。

2017-09-17 03:00:10
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例2)太平洋戦争中に「大和魂」を胸に宿してアメリカ兵と対峙した日本兵たちは、アメリカ兵たちにも「ヤンキー魂」とでも呼ぶべき、勇敢さや自己犠牲の精神が存在することを発見し、戦慄した。

2017-09-17 03:01:39
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また、もし集団ごとに心の形が異なっているのなら、西洋で開発されたカウンセリング手法や抗うつ薬などが、日本人に対して効き目を発揮するはずがないじゃないか。

2017-09-17 03:03:16
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早い話が、「畳精神」とはは、グダポン君個人の患う認知の歪み、(おそらく)自己愛性パーソナリティ障害の症例の集まりである。彼が日頃感じている生活の精神的困難さに彼が与えた、偽りの名前にすぎない。

2017-09-17 03:06:38
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要するにグダポン君は、イソップ物語の有名な犬のように、社会という水面に映った自分の影に対して、一生懸命吠えたてているにすぎない。彼の投稿した「畳精神の人間を見破る方法」は、彼の意志とは別に、彼のいびつな内心の、遠回しな告白になっているのである。

2017-09-17 03:09:48
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ここからは彼の定義した畳精神の要点を一つ一つ解体していってみたい。まず「①ウチ・ソト意識にやたらとこだわる人」。

2017-09-17 03:13:23
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その後の彼の説明を要約すれば「他人の優劣や上下関係にやたらこだわる。他人とは軒先の(うわっつらの)コミュニケーションしかとらない」だが、他人との上下関係について夢中なのはグダポン君その人だ。

2017-09-17 03:15:54
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彼にとって「茅ヶ崎」「アメリカ」「ハワイ」「土足」は無条件に「優」であり「善」である。逆に、「田舎者」「北関東」「裏日本」「畳」などは無条件に「劣」であり、「悪」である。この自己中心的で内向きな偏見に基づいて、この世のすべての事象について、評価を下す。

2017-09-17 03:17:14
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「劣」に加えられた対象は彼の精神の土間から一歩たりとも内側に入るはできない。自分このような間違った考えに囚われているから、自分より劣っている(とみなした)人間は、この思考の歪みがより一層顕著になると思い込んでいるのである。

2017-09-17 03:18:51
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実のところ、グダポンの「畳精神」はこの①の定義で破綻している。畳を最も優先して敷く部屋はどこか? 家の中で最も格式の高い部屋である。じゃあその最も格式の部屋はどこか? 「客間」である。

2017-09-17 03:20:19
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「畳のくつろぎは特権なのだ」「畳はウチの中の優位者が謳歌するものだ」とグダポン君は言うが、実際にその特権を享受するのは外から来てくれたお客様だ。お客様に快適に過ごしてもらうために、畳という最上級のアメニティ・グッズを用意して、ウチの人間は客間を決して使わず、常に綺麗に清めておく。

2017-09-17 03:21:20
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そもそもなぜ、グダポン君の頭にある来客のイメージが、家主に対して立場の低い「軒先どまりの御用聞き」しか存在しないのだろうか。彼の家には友達とか、対等な間柄の人間や、家庭訪問で学校の先生のような目上の人間が来たためしがないのだろうか。

2017-09-17 03:22:35
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「畳に土足で歩かれたら怒る」ということを畳精神による排他性とグダポン君は言う。しかし、畳はデリケートなものなので傷みやすい。そして現代はともかく、昔は高級品でもあった。知らなかったのならともかく、壊れやすい高級品をわざと踏みつけるべきではない。

2017-09-17 03:26:37
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そんな畳のある部屋に客を招待するのは、相手への誠意の現れであり、それを土足で踏みにじるのは相手からの誠心誠意の贈り物を目の前で壊してみせるのに等しい野蛮な行為である。例えるならプレゼントされたシルクのスカーフを、送り主の目の前で床の雑巾がけに使用するようなものだ。

2017-09-17 03:28:35
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誠意を踏みにじる行為に対して怒りを表明するのは、心ある人間なら当然なことであり、それを排他的だ狭量だというのは傲慢である。

2017-09-17 03:30:02
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「②知人のプライベートゾーンに「土足で立ち入る」人」。①を見たあとでは「お前が言うな」以外の言葉が容易に見つからない。こんな風に、グダポン君は自分の意固地で狭量な自意識が刺激されることには敏感だが、他人の感情を無下にすることには驚くほど無頓着である。

2017-09-17 03:34:12
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とりわけ他人(とくに田舎者のレッテルを貼った相手)の気持ちにたいしては無頓着を通り越して冷酷である。彼は頻繁に、地方からやってきた知人の田舎者っぷりを、鬼の首を取ったかのようにTL上で報告しているが、そこにはその知人に対する、「人間として遇する」程度の思いやりすら存在しない。

2017-09-17 03:36:56
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「③外国文化を特別視して敬遠する人」。グダポンはしょっちゅう海外文化を盲目的に礼賛するまとめを書くが、いずれも観光情報サイトの記事やツイッターで知った情報を丸々コピーペーストしているだけであり、むしろ外国に対する無理解ぶりを露呈することも多い。

2017-09-17 03:39:26
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それに、自分たちの好みにあった文化を取り入れて、あまり趣味にあわないものは取り入れないというのはむしろ、能動的・主体的に海外の文化を吸収している証拠である。海外にあるものはすべて神聖で優れていると無批判に受け入れるグダポン君と比べて、なんと堅実で健全な営みであることか。

2017-09-17 03:43:51
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「④若者であれば「揃いの茶髪大学生」も畳精神」。これはもう、客観的事実に擬態し損ねた私怨・一方的な逆怨みにすぎない。自分が世間の女性に相手にされないのは、世の女どもが畳精神に蝕まれて卑小になっているから、自分の器の大きさに気づけないのだ。というわけである。

2017-09-17 03:46:13
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「⑤それでも畳精神は世代・地域で割り切れない」。⑤で彼は実質、「畳精神かどうかはおれの匙加減だ。おれが許せなければ畳精神で、おれが気に入れば畳精神のレッテル貼りは勘弁してやる」と白状したのである。「見破る方法」なんて最初から存在しなかったのだから、題名詐欺である。

2017-09-17 03:54:15