これに対し、デクタ社の駐留企業戦士がすぐさま排除行動を開始した。アナイアレイターは市民会館に偽装された地下実験施設で激しいカラテをふるい、フマー・ニンジャのソウルに由来する恐るべきジツを解放し、ニンジャを含むデクタ社の戦力を返り討ちにした。まさにその名に恥じぬ殺戮であった。 7
2017-09-25 22:00:11彼は一面に放たれた己の鏖殺鉄条網とトルーパーの死体を見渡した。地下実験施設。……否、彼は連なる黒いトリイと、草一つ生えぬ超自然の荒野を見ていた。頭上には黄金の立方体が自転していた。連なるトリイをゆっくりとくぐり、現れたものがあった。その顔は闇そのもので、影すらも見えはしない。 8
2017-09-25 22:02:27尋常の存在ではない。何者だ、とアナイアレイターが口にするより先に、答えがニューロンに刻まれた。サツガイ。一歩進み出るごとに、スリケンが放たれ、まだ息のあった企業戦士たちを殺していった。アナイアレイターは呻き声をあげ、後ずさった。「BWAHAHAHAHA!」サツガイは狂笑した。 9
2017-09-25 22:06:31アナイアレイターに、サツガイは何かを為そうとした。そのとき彼のニューロンに去来したのは、直接に体験したことのない記憶だった。フジサンの麓、飛び交う矢と、スリケンと、炎と、氷と、鬨の声。東と西にわかれた陣営。恐るべきイクサだった。彼はそこにいた。彼の憑依ソウルが。 10
2017-09-25 22:08:59それはバトル・オブ・ムーホン。遥かな昔、ニンジャ始祖カツ・ワンソーに反旗を翻したハトリ・ニンジャ、そして彼に従うニンジャ六騎士の巨大なるイクサであった。六騎士。すなわち、ハガネ、ソガ、ゴダ、ドラゴン、フマー、ヤマトの六人のアーチニンジャだ。フマー・ニンジャこそが彼である。 11
2017-09-25 22:12:46そして今目の前に現れたこの者は?フマー・ニンジャのソウルは猛り狂い、肉体を焼き溶かすが如きカラテで、彼の血管を満たした。ニンジャ始祖カツ・ワンソー。最大の敵……恐るべき敵……絶対の恐怖……目の前の「サツガイ」には、微かな、だが決して無視できないエッセンスが含まれていた。 12
2017-09-25 22:15:19アナイアレイターは……フマー・ニンジャは、咆哮とともに爆発した。彼のカラテは内より破裂し、狂い跳ね、あらゆる場所から地上に這い出し、サキモノシティを蹂躙した。サツガイは己の意図の通らぬ事に気づき、ますます笑った。「BWAHAHAHA!MWAHAHAHAHAHA!オカシイ!」13
2017-09-25 22:18:13サツガイの笑い……何もかもを貶め、嘲る、虚無的な笑い。「破裂」の結果、サキモノシティはアナイアレイターのジツに覆われ、外界から隔絶され、暴走したソウルは無数のミニオンを無計画に作り出し、動くものがあれば襲い掛かった。住人は避難生活を強いられた。 14
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