丸山隆平【雪の花】

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えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(´∀`)【雪の花・1】 「ただいま〜!」 今日も楽しそうな明るい声が玄関から届く。 「おかえりなさい。おつかれさまでした」 その楽しそうな声に導かれるように、私も玄関へと向かう。 自然と湧き出してくる笑みと共に。 私にとって彼は、毎日を生きるエネルギーとなる人だから…

2014-02-11 20:22:32
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(´∀`)【雪の花・2】 しかし、いつもは私が玄関にたどり着く頃には、靴を脱いでしまっている隆平が、今日はドアを背にしたまま立っていた。 後ろ手に何かを隠しているみたい。 不思議そうな顔をする私に、弾けるような笑顔になると 「Happy birthday!」 と叫んだ。

2014-02-11 20:22:41
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(´∀`)【雪の花・3】 それと同時に、彼の背後から差し出されたのは… 雪のように真っ白な花を集めた花束だった。 決して派手ではないけれど、可憐に清楚に、そして神々しい光を放ちながら、その存在感を示している。 あまりの美しさに、その花束を受け取るのを躊躇ってしまうくらいに…

2014-02-11 20:22:49
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(´∀`)【雪の花・4】 「どうしたん?」 花束を見つめたまま動かない私に、隆平が不安げに尋ねる。 「誕生日やから、名前にちなんで、真っ白い花で作ってもらったんやけど…やっぱり真っ赤な薔薇とかの方が良かった?」 そう告げる彼に、慌てて首を横に振る。

2014-02-11 20:22:57
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(´∀`)【雪の花・5】 「違うの…あまりにも綺麗すぎて、私には似合わないんじゃないかと思って…本当に私、この花、もらっていいのかな、なんて」 「当たり前やん」 と、ホッとしたような笑顔を浮かべて、彼がこともなげに言う。 「この花束は、お前そのものなんやから…」

2014-02-11 20:23:04
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(´∀`)【雪の花・6】 「どんな時でも、何をしていても、俺が帰ってきたら笑顔で迎えてくれる、そんなお前に癒されている。仕事がうまくいかなくて落ち込んだり、イライラしている時でも、お前の笑顔を見るだけで、重くのしかかってた何かが、すうっと軽くなる。また、頑張ろうって思える。

2014-02-11 20:23:11
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(´∀`)【雪の花・7】 俺にとってお前の存在は、この雪の花束のように、俺を和ませてくれる。 今日は、お前が生まれてきてくれた日やから、大切な日やから、俺の気持ちをたくさん込めて感謝を伝えたいと思った。だから、お前が受け取ってくれんやったら、俺も困る…」

2014-02-11 20:23:17
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(´∀`)【雪の花・8】 まっすぐ私の瞳を見つめて、まっすぐな言葉をぶつけられて、顔が熱くなっていくのを感じる。 でも、目を逸らすことはできなくて… 再び差し出された花束を、私は大切に抱きしめた。 隆平が込めてくれた想いを包み込むように。

2014-02-11 20:23:23
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(´∀`)【雪の花・9】 そんな私を、隆平が花束ごと柔らかく抱きしめる。 「ありがとう…隆平の想い、ちゃんと受け取った」 「まだまだ伝え足りんけどな…だから、これからもずっと側にいて、伝えていくから…」

2014-02-11 20:23:30
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(´∀`)【雪の花・10】 ありがとう、隆平… 正直、自分の誕生日なんて憂鬱な存在になりつつあるけど、貴方が大切な日だというのなら、それは私にとっても大切は日となる。 私は、この花束のように、これからも貴方を癒し続けていけるのなら、それだけで幸せなのだから。

2014-02-11 20:23:36