かってに想像殺人事件

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（34）】しかし霧からの返事は意外なものだった。「私に会うのはついでですよー。なんでも、想像を乗せて東京まで来たらしいです」「！！」犬も歩けば棒に当たるというやつか。偶然に偶然が重なってこんなことに。このストーリーがフィクションだから許される。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（35）】「想像を？　奴、東京に来てるのか？」「そうみたいですよー」「で、東京のどこに」ちょっと想像に食いつきすぎたかもしれない。霧は「想像さんのこと、そんな気になるんですね」と意地悪く笑ってきた。心がちょっと折れたがとりあえず可愛いから許す。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（36）】こんな時に何か言うとツンデレ扱いされるのも癪だ。そんなことよりいずれにせよ霧からもう少し詳しい情報を聞き出さないといけない。「奴が関西から東京に車で来るとして、何があったんだろう、そして何のために。こういうこと、霧は気にならないの？」（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（37）】「多少はなりますけど、プライベートにあんまり深入りするのはよくないかな、って」うん、それが良識人の考え方かもしれない。しかしこっちはそれをするのが仕事になっちまってるわけで。「それに、私も話のついでに聞いただけなので…(´・ω・｀)」（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（38）】まあ、そうすると、霧もこれ以上のことは知らないってわけだ。叫さんに聞くかなあ。「そうか。じゃ、とりあえず、今日会ったってことは姉達にはまだ内緒で」「わかりました」霧とは別れた。うーん、手がかりなしと取るか、手がかりがあったと取るか…。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（39）】ていうか、叫さん、来月も来るって言ってた！！　あれ？　これ伏線だったら気づくの早くないか？　いやいや、来月までかかるような巨編にはならないでしょ。まあそんなことを考えながら事務所へと戻った。「ああよかった凡さん。散歩程度で」と子爵。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（40）】「へ？」「お客様です」「なんで帰さなかったの。不在時は連絡先聞いて折り返しって」「それが、強引に…」子爵もちょっと困惑している様子だ。そんなクセのある客が上がり込むとは、また厄介な事件かね。できることなら関わりたくないな。仕事だけど。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（41）】奥へ入ると待ち構えていた男が「凡さんですね」と振り向いた。「はあ、そうですが」「あなたに容疑がかかっています、署までご同行をお願いできますか？」は？　事態がよく飲み込めないが、「警察の方？」「申し遅れました。葱曲署の寸田です」ええっ！（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（42）】「ちょっと待って下さい。私に何の容疑が？」「収賄です」「収賄？　ご冗談を。性犯罪ならともかく収賄なんて」いや、性犯罪もまずいでしょうがと子爵が心の中でつっこんだ。「大体、政治とは無縁ですよ。障子に挿したりしませんよ！」いやソレ性犯罪。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（43）】「いえ、あなたが主催している大喜利を巡ってあなたに袖の下が入っているんですよ」「ああ、なるほど、贈賄じゃなくて収賄だから貰う方ね」「そうです、ちなみにおかしな日本語をしゃべるのはしゅうまいです」人を捕まえにくる警察が言う台詞か？　否。（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（44）】「収賄が成立するには、金銭の移動だけではなくて、そういう指示が出たとか、いろんな証拠が必要な筈なんですけどね。それに、大喜利というみみっちい舞台の賄賂とはいえ、署の私服警官がなぜ来ますか」「ぎくっ」「普通、検察とかじゃないんですか？」（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（45）】「さすがは探偵さん、冷静ですね」「探偵じゃなくて本当は同心とかになってお江戸の町を駆け巡りたかったものです」「さて、まあお互い冗談はやめるとして、捜査に協力して下さいまずんだ？」「その語尾は冗談ではないのですか」無視して寸田は続けた。（続）

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【かってに想像殺人事件・第一章（46）】「この男のことを追ってるんです」写真を見せられた。見たことはあるような気がするが、まあ要するに依頼ですか。私立探偵に頼みますか普通。「準性犯罪容疑がかかっていて逃走中なんです」漸く本筋に入るという展開なのですね、とごくりと唾をのんだ。（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（47）】「準性犯罪容疑って」「つい最近、お笑い芸人が準強姦で報道されたでしょう」「ありましたね」「条例が厳しくなりましてね、性犯罪の芽は事前に摘もうという方針です。特にネットで著しく悪質な書き込みをした場合はマークされます。彼もその一人です」（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（48）】「はあ。しかしあまり協力したくありません」「なんでですか」「いきなり収賄容疑と恐喝してみて、あわよくば取り引きと称して捜査を手伝えというつもりだったんじゃないですか？」「あはは、まさかそんな筈はありませんよ」俺はジト目で見るばかりだ。（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（49）】まあ疑っても仕方ない。俺の評価が下がる。「とはいえ、今私が関わっている事件ともどうやら関係がありそうな予感がするので、お引き受けしましょう」「本当ですか。じゃあこの写真はお預けします。要注意人物筆頭、通称、ぼくおぼといいます」「へ？」（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第一章（50）】客が帰った後、俺は脱力した。この話、散らかり過ぎだ。伏線でもなんでもねえ。なんで始めちゃったんだろう。というより、準性犯罪取締の『条例』ってことは、都外の想像には関係ねえじゃん。強いて言うならそれが直後に後悔するための伏線だったのか。（終）

言葉が骨董バーガー @bon__19

第一章終わりね。そんで、第二章書けてないから、しばらくお休みね。

言葉が骨董バーガー @bon__19

第二章も終る見込みが立ったし、ぼちぼち始めますかね。

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・前章のあらすじ】私立探偵凡のところに舞い込んだかってに想像殺人事件。実体は殺人でもなんでもなく長期的な音信不通状態。しかし彼がなぜか東京に来ているという噂。そこに突如現れた警官に依頼された人探し。だが、その対象は想像ではなく、準性犯罪者通称ぼくおぼだった。

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第二章（1）】やる気が全然出ない。虚脱感。情景描写や心理描写をすれば140字ではとても語れない。かといって台詞ばかりでは味もそっけもない。そんなことをぶつぶつ言いながら、俺は都内のボロコーポに到着。203号室。ここにホシ、ぼくおぼが住んでいるという。（続）

まる @maru_deshu

2章ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ!!

@ashrings

準性犯罪者ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第二章（2）】黒ペンキの剥げかけた外階段を昇る。早朝のことだ、いるに違いない。外廊下を歩く。203、行き止まりの部屋だ。郵便受けにご丁寧にも平仮名で「ぼくおぼ」と書いてあり、はしない。当然だ。通称だもの。ていうか名前がない。恐らく素性を隠した生活か。（続）

言葉が骨董バーガー @bon__19

【かってに想像殺人事件・第二章（3）】とりあえずガスメーターを見る。生活感は微妙。廊下側にガス台はあるのだが、格子窓のところに洗剤のボトルなどの備品の影がない。そういえば警察は「ぼくおぼ」飯など食わずとも生きられるとかなんとか仙人みたいなこと言ってたなあ。どういう意味だよ。（続）