【かってに想像殺人事件・第一章(17)】「初手からってなんですか」「まず子爵を助手に選んだのが…もっとかわいい女子にしとけば…」ぶつぶつ。「そんなことしたら贔屓って言われます」「まあ、そうか」裏話している暇はない。ふと思い出して俺は子爵に訊ねた。「なんでこれ殺人事件なの?」(続)
2011-03-26 23:21:30【かってに想像殺人事件・第一章(18)】「ダイイングメッセージ」「幼女はダイイングメッセージじゃねーよ。この時点で単にいなくなっただけ。むしろ蒸発って線で考えろ。いなくなっただけだってば。そうだ、この手のことは詳しい人がいるから訊いてみようか」俺は再びツイッターに向かった。(続)
2011-03-26 23:21:54【かってに想像殺人事件・第一章(19)】「誰ですか?」「寝息さん」「ちょっと待って下さい、調べてみますね。あれ? 想像のことフォローしてませんよ」「なんだ、俺と一緒か」「そんな人になぜ?」「うん、彼は失踪のプロでね」しばらくやり取りをしてZ.N.だけだとキレられてしまった。(続)
2011-03-26 23:22:12【かってに想像殺人事件・第一章(20)】「でもどうすんですか、殺人事件と銘打っておいて人死んでなかったからってもはや題名変えるわけにもいかないでしょう」もはやここは探偵事務所ではなく作家と編集者の打ち合わせ場所みたいになっている。「まあ、考えとく。とりあえずでかけてくるよ」(続)
2011-03-26 23:22:37【かってに想像殺人事件・第一章(21)】公園のブランコをキコキコと漕ぎながら、記憶を甦らせていた。以前想像がいなくなった時は、確か大量に@をつけてツイートしたっけな。あの時は確か… ふと思い当たることがあって携帯を取り出そうとした。コケた。頭にブランコがガツーンと当たった。(続)
2011-03-27 15:34:53【かってに想像殺人事件・第一章(22)】「@katteni_imagine @katteni_imagine @katteni_imagine @katteni_imagine @katteni_imagine @katteni_imagine 生きてる?」とツイートする。(続)
2011-03-27 15:34:57【かってに想像殺人事件・第一章(23)】@攻勢のツイートをすると「やめいww」とRTされる。 想像でしょうか。いいえ、レイシー。前回もそうだったもんね。「いや、奴がなかなか現れないからさ。死んだんじゃないかと思ってさ」「確かに見ないですねー」うーん、彼も特に知らないようだ。(続)
2011-03-27 15:36:02【かってに想像殺人事件・第一章(24)】悪ふざけでもう一度@katteni_imagineを連呼。また「だからやめいww」とRTされる。 想像でしょうか。いいえ、やっぱりレイシー。♪レイ、シー♪ これが載る頃にはとうに旬を過ぎているだろうと不安になりつつ公園を出ようとする。(続)
2011-03-27 15:36:16【かってに想像殺人事件・第一章(25)】すると、公園の前に移動販売車が停まっているのが見えた。クレープかな。小腹もすいてるし悪くない。たこ焼きが無理だったからこっちで埋め合わせといこうか。そう思って近寄ってみると女の子が一人いて楽しそうに笑っている。雰囲気も悪くなさそうだ。(続)
2011-03-28 09:13:44【かってに想像殺人事件・第一章(26)】「かわいいいい(*´ω`*)」そうか、ここのクレープのデコレーションが素敵なんだろうな。そう思って近づいてみると、クレープ屋ではなかった。ちょっとかっこいいお兄さんがパペットマペットショーをやっているだけだったりという。何やってんだ?(続)
2011-03-28 09:13:45【かってに想像殺人事件・第一章(27)】俺はすっかりどうでもいいっちゃどうでもいい想像のことなど忘れて、そのショーに近づいた。だが、手にしているのはウシくんとカエルくんではなかった。「(n‘∀‘)ηホラ、こんななっちゃったよ」「ヽ(*´∀`*)ノキャッキャ」リ、リラックマ?(続)
2011-03-28 09:13:47【かってに想像殺人事件・第一章(28)】車が鳥取ナンバーなのに気づいて、確信した。こんなの鳥取なんて過疎県に何人もいるはずがない。糸色叫氏だ。まあ俺をフォローしてる絶叫さんは二人いるのだけど、つまりはこっちの方だ。もう一人はアタコワでネタ投稿してる方なのでちょっと違うのだ。(続)
2011-03-28 09:13:48【かってに想像殺人事件・第一章(29)】「じゃあまた来月来るね、霧ちゃん」ええー!! この女の子が霧ちゃんでしたか。会ったことなかったからなあ。ていうかこの二人がこんな密会を! 偶然もいいとこです。これ、もしもバレたら小指どころじゃ済まないんだろうな。想像したら怖くなった。(続)
2011-03-28 19:16:18【かってに想像殺人事件・第一章(30)】叫さんに声をかける間もなく、移動販売車は出発してしまった。残った霧は車に向かって手を振っている。もう片手の方にはお土産のリラックマを抱いて。あ、俺がフォローしているもう一人の霧ちゃんの方は本当に籠っているはずだから区別はつきますよね?(続)
2011-03-28 19:16:19【かってに想像殺人事件・第一章(31)】車が行ってしまって立ち去ろうとする霧に声をかけるのは、勇気が要った。「あのう、霧さんですよね?」「lω・`)」予想通り怖がってる。そりゃまあそうでしょう。「ええと、あの、こんな偶然ですいませんが、凡です」「( Д ) ゚ ゚凡さん?」(続)
2011-03-28 19:16:21最近は彼女の機嫌がすこぶる良いのであんまり小指をミシミシされません。でも先週親指をミシミシされそうになりました。
2011-03-28 19:17:20【かってに想像殺人事件・第一章(32)】「ええ、訳あって、探偵帽子かぶって虫眼鏡持ってますが。なんか、損な役回りで。なんで俺主人公……はぁ…」こんなことを言っても霧はきょとんとするだけだった。そりゃそうだ。自分が出ると知った時((((;゚Д゚)))))))って反応だったし。(続)
2011-03-29 04:42:40【かってに想像殺人事件・第一章(33)】他の人を主人公にするとこれまた贔屓だとか言われるんだとさ。でも自分主人公にしても自己顕示欲と叩かれる。絶望した!「そんなことより霧ちゃん、今の叫さんだよね?」「はい。そーですよ?」「遠くからわざわざ、霧ちゃんに会いに?」若干嫉妬込み。(続)
2011-03-29 04:42:46