大河内一楼氏が語る『コードギアス』の思い出

🕵💩大河内8⃣一楼🛸 @ichirou_o

【ギアスの思い出56】ちなみに当時、アイデアとしてあがったけど消えていった展開……その１。ブラックリベリオンに敗北し、牢獄に囚われたルルーシュ。しかし、ルルーシュは看守の目を欺き、夜な夜な外出することに成功。密かに黒の騎士団の再集結を目指す。（つづく）

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【ギアスの思い出57】（つづき）そして始まるエリア11の大統領選挙。だが、それは懐柔策。形だけの民主主義で、大統領はシュナイゼルに決まっている。しかし、そんなシュナイゼル相手に立候補を届け出た者がいた。死んだはずの仮面の男、ゼロだった！

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【ギアスの思い出58】その２。ブラックリベリオンに勝利した黒の騎士団。新生日本軍の旗艦ヤマトに、ルルーシュという少年が入隊してくる（艦長はゼロ）。先輩風を吹かせた玉城がルルーシュに掃除を押しつけると、なぜかそのことを知っていたゼロから怒られる(笑)。

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【ギアスの思い出59】その３。アッシュフォード学園に転入してきたルルーシュそっくりの容姿の女性。彼女の名はリリーシャ・ゴッドバルド。運命のいたずらで、リリーシャはルルーシュの影武者を務めることになり……。

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【ギアスの思い出60】リリーシャと入れ替わったルルーシュは、女子寮に取り残されてしまいドキドキのラブコメ展開……って話もありましたｗ　ちなみに名字で分かる通り、彼女はジェレミアの妹。そっちの方向でも楽しく描けそうだったけど……ボツに。

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【ギアスの思い出61】その４。ブラックリベリオンで日本が勝利した。日本人は名前と誇りを取り戻し、名誉ブリタニア人へのリンチが始まった。理想に敗れ、街を歩くだけで石を投げられる状況に、スザクはリフレインに逃げ、街角のゴミのように生きながらえていた（つづく）

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【ギアスの思い出62】（つづき）ユフィを悪く言う日本人にくってかかるも、もはや体はボロボロ。そのへんのチンピラにもボコられてしまうスザク。そんなボロ雑巾なスザクの前に、身をやつしたロイドが現れた。熱い！　けど、ボツに。

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【ギアスの思い出63】そんなわけで、無印の第一話と同じ形だけど、一枚めくると実は違う、あの第一話になったのです。で、その後は順調にいったかというと、そうでもなく。大きく紆余曲折したのは、中華連邦編でした。

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【ギアスの思い出66】脚本２本、プロット２本……を書いたところでボツに。Ｒ２の第一話を、無印からの直結ではなく、語り起こす形にしたので、当初の予定通りにやっていると、２クールでおさまらなさそうというのもありまして。

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【ギアスの思い出64】中華連邦編は、武侠小説テイストで、三国志的にやろう！　というコンセプトでした。大陸を支配する連邦と、それに抵抗する蒼の騎士団（黒の騎士団に触発された）。そして、ゼロたちの三つ巴の戦い。

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【ギアスの思い出65】メインの敵は、蒼の騎士団の首領――仮面の男「無名」。蒼いランスロットを駆る知勇兼備の将（後の星刻です）。敵の手にＣＣが囚われ、それを単身追うルルーシュというラブロマンスも用意され……というか実際書きました。

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【ギアスの思い出67】素敵なルルーシュとＣＣだったのですが、泣く泣くボツに。敵は鉄道がメインの移動手段で、メカデザインの寺岡さんには、鉄道戦艦なんかも発注していたのですが、まとめてボツに。スミマセン！

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【ギアスの思い出68】先日の打ち上げの時に、寺岡さんとその話になった。「いやあ、あの時は大変でしたね」と言ったら「なに言ってんですか。大河内さんが自分でボツにしたんじゃないですか」。あ？　あれ。そうだっけ？　労を厭わない昔の自分に乾杯(笑)。

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あ、ちなみに。ギアスの思い出のナンバリングが飛んでいるのは、間違えたわけではなく理由があります。映画『コードギアス　反逆のルルーシュⅠ　興道』のブルーレイ＆ＤＶＤの方でも、つぶやかせてもらったからです。２月23日発売なので、よかったら、そちらもよろしくです！geass.jp/L-geass/blu-ra…

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【ギアスの思い出76】ルルーシュという人間の物語を書くにあたって、最初に谷口監督と確認し合ったことがあります。それは、ルルーシュの結末が「死」であるということです。

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【ギアスの思い出77】なぜ、そこを確認したのか？　自分としては、このルルーシュという人間は、許されてはならない人間だと思ったからです。彼の想いは純粋ですが、でも、あまりにも殺しすぎます。欺きすぎるのです。

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【ギアスの思い出78】そうした彼の罪が、許されるような結末であってはいけない。少なくとも彼は、自分の罪を自覚して、死をもって償うべきだろう。それが、僕と、谷口監督の作品倫理観でした。

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【ギアスの思い出79】『コードギアス』という物語は、以前つぶやいた無印からＲ２への時間変更などもあって、当初想定したストーリーとは異っています（おかげで、ロロなどのキャラクターも生まれたので、ネガティブな意味で言っているわけではなく）。

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【ギアスの思い出80】ただ、谷口監督と約束した通りに、結末に関してだけは変わっていません。ルルーシュという男は、自分の罪を「死」という形で償う。これは、彼がそれを選択するまでになる物語なのだと。

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【ギアスの思い出81】おそらく、第一話のルルーシュだったら、「死」を選択しなかったでしょう。なんとかその選択肢を回避できないかと、あがいたはずです。ナナリーのためにも、彼は死ねなかった。

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【ギアスの思い出82】でも、最終回の彼は違います。罪への意識と、ナナリーの成長。50話かけて、彼も、彼の周りも、善し悪しは別にして「変わった」のです。

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【ギアスの思い出83】あらためて思うのですが、『コードギアス』は50本も書かせてもらえて、本当に幸せだったなと思います。12本だったら、ルルーシュは変わりきれなかったと思うので。

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【ギアスの思い出84】今回の映画『コードギアス』三部作は、本当に濃密な作品だと思います。しかし、この濃密さは、ルルーシュが変化していくために必要な積み重ねなのだろうと思います。

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【ギアスの思い出85】そもそも、ロボットに超能力に、ピカレスクロマン、知略とゲーム性、学園モノ……など企画の段階で全部入りだったのですから、そりゃあ濃い映画になろうってもんです。

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【ギアスの思い出86】そんな濃い映画『コードギアス　反逆のルルーシュⅢ　皇道』、今週末から公開です。みなさま、よろしくお願いします！