ハロウィンansノベルゲーもどき企画
本日19:00よりansを題材とした自己満足ノベルゲーもどき企画を行います。投票機能を利用した選択式にしていきますので、もしご協力いただける方がいらっしゃればありがたいです。
2017-10-31 06:53:42今日はハロウィン当日。ansの生徒たちも思い思いの仮装に扮して、いつも以上に楽しそうです。 「あれ?zzzくんは?」 「今年も人間界に遊びにいってるんじゃない?」 pic.twitter.com/kFldsswnx7
2017-10-31 12:18:11ハロウィンの夜だというのに、ふくれっつらの女の子がいます。 かわいい魔女の格好に、肩からさげたバスケットはカボチャのランタン。それでも機嫌が悪いのは、近所の友達よりも貰えたお菓子が少なかったからです。
2017-10-31 18:14:07「なによ、なによ、なによ!あんなうそっこのお化けのかっこうして、ちっとも怖くない!」 貰えたお菓子が少ないせいで、自分の前を通りすぎるおばけたちにも腹が立ちます。バスケットの中には、小さなキャンディがすこしだけ…… 「あれっ」
2017-10-31 18:17:29「ない!ない!ない!」 カボチャのランタンのバスケットがありません。さっきまで確かに肩からさげていたのに!慌ててきょろきょろとあたりを見回しますが、やっぱりどこにもありません。 「zzz!」
2017-10-31 18:19:23パパのいびきのような不思議な声がして顔をあげると、少し先にカボチャのお面をして、ピエロの衣装を着た子がいました。何かを楽しそうに振り回しています。 「私のバスケット!」
2017-10-31 18:21:18向こうに走っていったその子を、女の子は必死で追いかけます。 「待って、ねえ待って!それあたしのよ!まってったら!」 その子はまってくれません。それどころか、ひょいひょいとさらにスキップしていきます。まるで宙を飛んでいるかのよう。
2017-10-31 18:23:14はしってはしってはしって、まちのはずれの小さな茂みにもぐって、ぐるぐるとどこを進んでいるのかもわからないまま、ただピョンピョンと揺れる帽子の先を追いかけます
2017-10-31 18:26:09はしってはしってついたのは、おおきなお城みたいな建物。ハロウィンパーティーでもしているのか、世闇の中でこうこうと光っています。 「近くにこんなおおきなお城があったなんて…」 気づくとその門を通り抜けたのは、さっきのかぼちゃのピエロ 「あっ!まって!」
2017-10-31 19:01:31「あの子はきっとあのお城にむかったんだわ」 そういって暗い道を進みます。ちょっと速足なのは、べつに怖いからではないのです。ひゅうひゅうとなる風も、茂みの向こうに見える沼もちっともこわくない、そう言い聞かせているのです。
2017-10-31 19:18:20「こんばんは」 後ろから聞こえた声にびくっと肩が揺れます。 「こ、こんばんは」 振り返ってみて安心しました。しましまのシャツに黒いフード。仮装はしているけど、ただの男の子です。ふわっと落ちた黒い羽根はマントの飾りでしょうか。 「ねえ、かぼちゃの男の子がここを通らなかったかしら」
2017-10-31 19:22:15そう尋ねると男の子は首をかしげます。 「zzzのこと?そういえばさっきランタンをもってここを通ったような…」 やっぱり! 「ほんとう?ありがとう!じゃあ私急ぐから!」 そういって女の子は駆け出しました。あんまり急いだせいで、その男の子の影が空に消えていったのも気づかないまま…
2017-10-31 19:29:08そのとき、視界のはしで緑色の帽子が揺れました。 「あっ!」 その方向に慌てて走り出します。お城の真っ暗な廊下を、中庭のランタン飾りが淡く照らしていました。 pic.twitter.com/rFLJ8Kphzr
2017-10-31 19:43:11はしってはしって、いきなり途中の廊下で男の子が曲がりました。あわてて女の子も方向転換しましたが… 「きゃっ!」 間一髪の所で止まります。曲がった先に女の子。 大きな帽子にとんがり帽子。定番の魔女ですが、箒の先にはかごに入ったクマが下がってます。 「ごめんなさい!いそいでるの!」
2017-10-31 19:48:30向こうに見える彼を追って、あわてて彼女を避けました。 「廊下は走るなよ!」 かわいい子なのに、ずいぶんと乱暴な言葉遣いなのね。 振り返らず走った彼女は思いました。本当なら彼女に隠れて見えないはずのカボチャのピエロが透けて見えたのかも考えないまま。
2017-10-31 19:52:12美しい花が芽吹く瞬間をとらえたような、草木を模したドアノブはひんやりとしています。思ったよりも重い扉をなんとか開けると、ふんわりと覆い被さってきたのは紅茶のいい匂い。 「ああ、びっくりした」 ビックリしているようには聞こえない声が聞こえます。 pic.twitter.com/HEpNxZgYw9
2017-10-31 20:14:52談話室でお茶をしていたのは、うんと背の高いハンサムな男の人と、色っぽい衣装を着た赤い目の黒いウサギのお姉さん。 「ハロウィンパーティの準備をすっぽかしていたのがばれたのかと思いました」 「私はサボりじゃなくて休憩です」 「おや、それは困った。怒られるのは私だけになってしまう」
2017-10-31 20:24:27「かぼちゃの子、ここにきませんでしたか?」 なんとなく緊張しながら、おそるおそる尋ねます。 「zzz君?さあ、どうでしたか?」 「そういえばさっき、あっちの扉へすりぬけていった、」 ような、というまえに、女の子はだっと走って行ってしまいました。 「知らない子ですね」 「転校生?」
2017-10-31 20:29:56通り抜けた向こう側は、またぐねぐねとした廊下。向こうから吹いてきた風にぶるっとしたのは、さっきかいた汗が冷えたからでしょうか。 「こ、こわくなんかないわ!私のバスケット、とりかえしてやるんだから!」
2017-10-31 20:34:40