ハロウィンansノベルゲーもどき企画
まがった背中をぴんと伸ばして、息をいっぱいにすって、大きく一歩踏み出したとき。ふわ、と何かが横を通り過ぎた気がして、すぐに後ろを振り向きます。でもそこには、さっき通ってきた扉があるだけ。 ほっとしたような、でもまだもやもやするような、そんな気持ち担っていると、首が、ひやっ
2017-10-31 20:47:16目だけを動かして見た先にいたのは、青い肌のきれいな女のひと。それだけならきっと驚かなかったのに、その身体はふわふわういていて、はためくドレスの先には、あしが、なくて、骨が、 「きゃああああああああ!!!!」 思い切り叫んで、女の子ははじけるように走り出しました
2017-10-31 20:54:19がらっ!と勢いよく緑色の扉を開いてその中にはいる。けどその中は、ばくばくとなる心臓の音を忘れるような、ぞくぞくするような景色だった。 何の骨だかわからないような標本。ホルマリン漬けのとかげは首がみっつもあるし、ガラスに入った植物標本は人の形をしてる。 「り、理科室……?」
2017-10-31 21:13:46「アレェ?!珍し~~!!」 いきなり聞こえた大きな声にびっくりする暇もなく、両肩を掴まれぐるん!と勢いよく身体がはんぶんまわります。 「君人間だよね?!うわあ何でこんなトコいるの?今ヒマ?!」 元気に話しかけられても、女の子の身体は固まったままです。
2017-10-31 21:24:44「きゃああああああああ!!!」 付き飛ばした手についたどろっとした何かの感触も、首飾りの指が作り物にしてはやわらかかったのも、きっとなにかのまちがい! そう無理やり言い聞かせながら、また女の子は部屋を走って出ていきました。
2017-10-31 21:26:56もういや!バスケットなんていらない!早く帰ってママのごはんが食べたい!こぼれそうになる涙を必死で抑えながら終わらない廊下を走ります。 キンコンカンコーーン 突然、燭台の飾りになっているドラゴンの口から鉄琴のような音がしたかと思うと、続けて女の人の声が聞こえてきます。
2017-10-31 21:31:50『え~、校内にいる生徒の皆さん、先生方に連絡です。ただいま、人間の女の子が校内で迷子になっているようです。ワンピースを着たかわいい女の子です。見つけたら、できるだけ怖がらせずに保護し、早急に先生の所まで連れてきてください』 キンコンカンコーーン
2017-10-31 21:36:06走っていた足が、ぴたっと止まってしまった。 人間の女の子、っていってた。やっぱりここはお化けの学校なんだ! どうしよう、早く逃げなくちゃ!どこでもいいから……
2017-10-31 21:45:50廊下の柱の横に、小さい石のトンネルがありました。先は暗くて怖いけれど、向こうから吹く風の方が、この廊下のこもった空気よりもずっといい気がします。もういちど拳にぎゅっと力をこめると、女の子は暗い通路の中へ入っていきました。
2017-10-31 21:58:19通路を抜けた先は、中庭でした。高い石の壁に囲まれた四角い夜空には月が輝いていますが、それよりまぶしいのは女の子よりもずっと高く積まれたおばけかぼちゃのタワーです。町のお化けかぼちゃ大会の一番よりずっとおおきなかぼちゃが、数えきれないくらい積まれています。
2017-10-31 22:02:55あんまりにまぶしいランタンの行列にしばし見入っていましたが、自分が逃げていたことを思い出しぶんぶんと首を振ります。 「でも、もう外は見えるんだからすぐに外に出られるはず…」
2017-10-31 22:07:55見上げてみると、かぼちゃタワーは中庭の壁よりも大きいようです。 「この上から見れば、帰り道がわかるかも…」 積み上げられたかぼちゃは大きさがばらばらなので、うまく足をかければ上まで登れそうです。女の子は疲れた体に力を入れて登り始めました。
2017-10-31 22:21:09どれくらい登ってきたでしょうか。てっぺんまではまだ遠いですが、もう屋根が少し下に見えるくらいです。 「ここまできたら、抜け道くらいみえるんじゃないかしら」 そういって下を見下ろそうとしたとき、横に何かが浮かんでいるのに気づきました。 「あっ!」
2017-10-31 22:24:10あのかぼちゃのピエロです!ニコニコと浮かぶその手には、かぼちゃのランタンのバスケット! 「どこいってたの!あんたのせいですっごくこわかったんだから!返して!」 最初の目的も忘れて、バスケットに手を伸ばします。するりと抜けた手は、バスケットについたリボンの肩紐だけを掴みました。
2017-10-31 22:28:35「わっ、わっ、わっ!」 そのままバランスを崩した女の子は、リボンだけをつかんだまま宙にぶら下がってしまいました!かぼちゃのピエロもそうなるとは思わなかったのか、そのままふらふら、よろよろとお城の外まで飛んでいきます。ドもそこまで。最後には二人でお城の外の森に落ちてしまいました。
2017-10-31 22:32:15せっかくの仮装はぼろぼろ。走ったせいで身体はおもいし、ころがったせいですり傷だらけ。おまけに帰り道もわかりません。まっくらな暗い森で、女の子はとうとう泣き出してしまいました。 徐々に大きくなるその声に気づき、最初こそきょとんとしていた彼もおろおろと女の子のまえでうろたえます。
2017-10-31 22:35:34ちいさな手が女の子の頭を撫でますが、なきじゃくる女の子はその手をばしっと払います。こまりはて、一緒に泣き出してしまいそうになった彼の前に、突然つむじ風が起きました。 「まったく、いたずらもほどほどにしなさいっていったでしょうzzzくん。女の子を泣かせるなんて、いけない子!」
2017-10-31 22:39:08凛とした優しい声は、さっきお城で聞いたような気がします。拭ってもぬぐっても晴れない視界のまま、女の子はやさしい声の方に顔をむけました。 「私の生徒が随分あなたを困らせてしまったみたいで、ごめんなさい。ほら、zzz君も謝りなさい!」 「……so、…rry…」
2017-10-31 22:43:19そういってふわふわ浮かぶ手でバスケットを差し出します。泣きすぎたせいでしゃっくりがとまらなくてうまく受け取れないでいると、女の人が優しく手を取ってバスケットを持たせてくれました。 「さあ、目を閉じて。すぐにあなたのお母さんの所に送ってあげますからね。しっかりバスケットを持ってね」
2017-10-31 22:46:55「まあ、この子ったら!」 聞きなれた優しい声がします。 「玄関先で眠ってしまうなんて、どれだけ歩き回ってきたの?困った子!さあ、夕ご飯ができていますよ!」 なんとなくぼうっとしたまま、流れてきたシチューの匂いになぜだかとても安心して女の子は思わずママの足にぎゅっと抱き着きました
2017-10-31 22:52:43「あらまあ、ずいぶんたくさんお菓子をもらってきたのね」 「え?」 そういわれて目を向けたバスケットには、溢れんばかりのお菓子の数々!どれも近くのスーパーではみたこともないような珍しいものばかりです。 「わたし、こんなにたくさんもらったかなあ……?」 pic.twitter.com/WFVAToq4rz
2017-10-31 22:56:29「今回の罰として、zzzくんのハロウィンのお菓子はあの子にあげましたからね」 「zzzzzzzzz?!」 「あれだけ人間の女の子をこまらせたんですから!ちゃんと反省なさい」 「zzz…………」
2017-10-31 22:59:36ハロウィン企画!無事終了しました~~~~(ドンドンパフパフ) このような自分勝手企画にもかかわらずたくさんの投票本当にありがとうございました!0票とかあったらどうしようとか思ってたんですが皆様のおかげで無事に終了させることができました~~~ハッピーハロウィン!!(私が)
2017-10-31 23:03:58グレゴリーホラーショウみたいな、ansに普通の人間が迷い込んじゃうみたいなゲーム欲しい!ってずっと思ってて、そういった形のものをハロウィンにやりたいなーって思ってたのがきっかけだったので、やり遂げられてよかった…おれはひとりじゃなかったんだ…(感涙)
2017-10-31 23:20:03