稲川淳二の『つぶやき怪談』(2017.10.27)

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稲川淳二 @Junji_Inagawa

今度は、こっちが、そのお爺さんの後付けて行くような格好になって、 とっ、とっ、とっ、とっ、とっ、とっ・・・・

2017-10-27 22:26:10
稲川淳二 @Junji_Inagawa

歩いているうちに、 「・・・はて? おかしいなあ・・・」 って思った。

2017-10-27 22:26:36
稲川淳二 @Junji_Inagawa

暗い闇ですからねえ、姿、はっきり見えないんだ。 判らない。 でも、明かりは点いてんのは判るんだ。

2017-10-27 22:27:16
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「へえ・・・」 よおく見たら、・・・・・。

2017-10-27 22:27:37
稲川淳二 @Junji_Inagawa

お爺さんの姿が、無いんだ。

2017-10-27 22:27:52
稲川淳二 @Junji_Inagawa

・・・・「へえっ!」・・・・・! また、もう一回、よおく見たら、 ・・・・・!

2017-10-27 22:28:36
稲川淳二 @Junji_Inagawa

それねえ・・・提灯だと思ったの、青い、人魂、だったんですよ。

2017-10-27 22:29:04
稲川淳二 @Junji_Inagawa

人魂が、堤防の道を、 すっ・・・・・飛んでる。

2017-10-27 22:29:36
稲川淳二 @Junji_Inagawa

でえ、どんどん、飛びながら、 ひゅーー消えたんで、

2017-10-27 22:30:09
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「うえあ・・・・・!」 気味悪いなあ。

2017-10-27 22:30:29
稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、なんとかねえ、その夜はなんとか家に帰った。

2017-10-27 22:30:53
稲川淳二 @Junji_Inagawa

二、三日したら、 「堤防の側の坂元さんちのお爺さんが、亡くなった」 って聞いたんで、えっ!

2017-10-27 22:31:39
稲川淳二 @Junji_Inagawa

聞いてみると、どうやら、それは、 あの堤防の上で会った頃、同じ日の同じ時間、らしいんですよねえ。

2017-10-27 22:32:05
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「はー、そんな事もあるもんなんだ」

2017-10-27 22:32:23
稲川淳二 @Junji_Inagawa

と思って、隣のお爺さんの所にねえ、 「実は、この前、こういう事があったよ」 って言いに行ったんだ。

2017-10-27 22:32:55
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「実はねえ、この間、堤防の所で・・・」

2017-10-27 22:33:20
稲川淳二 @Junji_Inagawa

って話したら、隣のお爺さんが、 「ああ、そうかい。実は、俺もあるんだよ」 って。

2017-10-27 22:33:53
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「へえー、何だい?」 って聞いたら、

2017-10-27 22:34:12
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「実はな・・・・」 丁度、その日だ。

2017-10-27 22:34:34
稲川淳二 @Junji_Inagawa

聞いてみると、隣のお爺さんの話も、 自分が坂元さんちのお爺ちゃんと堤防の上で会った、 丁度同じ時刻らしいんだ。

2017-10-27 22:35:14
稲川淳二 @Junji_Inagawa

隣のお爺さんはその時刻、家で寝てた。

2017-10-27 22:35:30
稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、時間は判らないけれど、 夜中、突然に、鳴る筈のない柱時計が、 ど・・・んと鳴って、ふっと目が開いちゃった。

2017-10-27 22:36:08
稲川淳二 @Junji_Inagawa

あれ? おかしいなあ・・・

2017-10-27 22:36:33
稲川淳二 @Junji_Inagawa

鳴る筈のない柱時計が、しかもなんであんな風に鳴るんだろう・・・。 思った。

2017-10-27 22:37:06
稲川淳二 @Junji_Inagawa

と・・・・・、 がら、がら、がらがら・・・!

2017-10-27 22:37:39
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