稲川淳二のつぶやき怪談　2013年10月30日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

急に冷えてきましたね。　皆さん、お変りないですか？稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

気が付けば今年もあと２箇月を残すだけ、全国ツアーも、１０月１９日のクラブチッタ川崎深夜公演をもって、無事千秋楽を迎える事が出来ました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

どの会場でも、熱い声援をいっぱいいただいて、嬉しい一時を、皆さんと共有出来た喜びに感謝しています。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

永かった私の夏も終って、ひと息つきたいところなんですが、溜り溜った、仕事と雑務に追われて、まだ当分は、落ち着けそうにありません。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さて、お待たせしました。　それでは「つぶやき怪談」始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

秋の夜長を、怖ーい噺で楽しんで下さい。どうぞ、お時間がありましたら、遊びに来て下さいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ゆったりと、くつろいで、お付き合いいただければと思います。楽しみにして下さいね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

少し遅い時間ですが、それでは、そろそろ始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

稲川淳二の「つぶやき怪談」、怖・楽しい時間を、共有しましょう。何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これ、場所はハッキリと申し上げらんないんだけども、東京とちょうど、埼玉県の県境になるんですがね、ちょうど戦後ですね、戦後すぐくらいにつくられた、トンネルがあるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

今でも十分使えるんですがね、このトンネル、ところが、何故かこれ入口に杭が打たれててね、車が通れなくなってるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

元々、このトンネルというのは、セメントを運び出すトラックのために掘られたトンネルなんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なのに現在は使われてない。まぁ新しいトンネルができたっていうこともありますがね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこを通るもんもいないし、杭打たれちゃった。ただ、歩行者や自転車はそこを通れるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なのに、地元の人間は誰ひとり、ここを通ろうとしないんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

深い山の中の一本道。ずーーっと行った、その突き当たりにね、黒い口を開けたトンネルがあるんですが、鬱蒼としてるんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

シーンとした中にある。確かに不気味なんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なぜ、このトンネルが使われなくなったかというと、実はね、それには、ちょっとしたわけがあるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

というのは、まだ、このトンネルが使われている頃の話なんですが、地元の老人が、このトンネルを歩いていたんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

明かりのない、古いトンネルなんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、ここはトラックが通るわけですから、その老人は暗い隅っこの方を歩いてる。小さい老人。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、入口からトラックが入ってきた。暗いトンネルの中、ヘッドライトを点けてブゥーーとやってくる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、もう一方の口からも、トラックが入ってくる。向こうもライト点けてブゥォーと来る。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

狭いトンネルの中ですから、どうしても、トラックの運転者さん同士は、お互いのトラックの方に目がいっちゃうわけですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ブゥゥーーーと、トラックが走ってくる。