劇場版ラテルナマギカ「怪物卿ヘルシングの挑戦」

銅折葉 @domioriha

劇場版ラテルナマギカ「怪物卿ヘルシングの挑戦」

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帝都東京に来航する豪華客船《ジブリール》。欧州貴族の表敬訪問に湧く帝都で、幻想京の博麗の巫女・宇佐見桜子はツェペシュの幼き末裔を名乗る吸血鬼に出会う。時を同じくしてメリーベルは継ぎ接ぎの死体の怪物に襲撃され、星と那津は月夜に吠える人狼を追う。 twitter.com/domioriha/stat…

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「はじめまして、この地の幻想を束ねる者よ」真円を描く満月の下。山高帽を持ち上げ、吸血鬼はその背に蝙蝠のごとき羽を広げた。「このような東の果ての島国に、こうも多くの幻想が生き残っているとは驚きだ」「はるばるご苦労様ね。吸血鬼って海を渡れないんじゃなかったの？」「私は旅好きなのさ」

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「それに、《教授》がいたくこの地をお気に入りでね」「あんたは、その手下ってわけ」「いつの世も、みっつの下僕は難儀なものさ。ツェペシュの末裔として、いつかは自分の館を持ちたいところだ」三つ。吸血鬼は確かにそう言った。（こんなのが、あと２匹も……？）桜子の首筋を冷たい汗が伝う。

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◆◆◆ 「なんなの、あれ！」メリーベルは金髪を振り乱して叫ぶ「何度やっても、全然効いてない！」「うぉー……」霊撃の熱に溶解したクレーターの中央。うっすら焦げが額の札をそのままに鈍い声を上げながら、継ぎ接ぎだらけの死体は再度身を起こす。出っ張った電極がぱりぱりと紫電を放っていた。

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「花嫁……」「はあ？！」「わたしの、いとしい人だぞ……」黄色い乱杭歯を剥き出しに、死体が微笑む。「《教授》は、わたしに伴侶をくれると言った。うぉー…おまえが、そうなのかー？」醜悪な姿とは似つかわしくない、あどけない笑み。「冗談でもごめんよ！」構えたメリーベルの拳に霊気の光が灯る。

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◆◆◆ 「駄目だ、ご主人！　そいつは……！」「へえ、その匂い、あなたもそうなのね」ばさり、女がフードを払いのける。現れたのは艶やかな鬣と尖った耳。「あなたも大変よね、人間のフリなんか。……《教授》に紹介してあげようか？」人狼は満月の下に高らかに吠え声を上げる。

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「遠慮いたします」「そう言わないでよ。せっかくご同輩に会えて嬉しいんだから。独逸の森にいた仲間はみんなおなかをすかせて死んじゃったの」「……お気の毒に」「あなたもそうなんでしょ？　ねえ、その子もいつか食べようと思って取っておいてあるのよね？」「ッ……！」火花が走る。

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「《教授》ってのは何者なのよ！」「ヘルシング卿。欧州にあってあらゆる化け物を狩り尽くした退魔の末裔よ」傷だらけのメリーベルが窓枠に体をもたせかけていた「私みたいなまがい物じゃなく、本家本元、本物のね」「メリー？！」「もう、とっくに引退したって聞いてたのに」

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◆◆◆ 「お前のことが気に入ったぞ、サクラコ」「残念だけど、ついて行ってはあげないわよ」「……残念だな、永遠の命を与えてやろうと思ったのに」「夜だけでしょう？　世界の半分だけなんて願い下げよ。この世の中には、もっと面白いことがたくさんあるもの」「…………」「だから、ね」

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「そうだな、私の従者は、お前と同じように時間に詳しいやつにしよう」「……どういうことよ？」「そのままさ。お前がいちいち時間を数えるのが面倒だから、好き勝手に時間を操れるやつを私の配下にしてやる」「あ、そ。……楽しみにしてるわ、吸血鬼」「忘れるな。今度会う時は“スカーレット卿”だ」

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これと、菫子ちゃんが桜子おばあちゃんから「千年陰陽玉」を渡されてそのパズルを完成させ、目覚めた偉大なる超能力と共に現世を引っかき回して古代のイザナギオブジェクトを復活させ、闇のゲームで悪を討つ「スミレコが通る・不思議王」を同時上映にしていきたい。 twitter.com/domioriha/stat…