- Machandel_boom
- 797
- 1
- 0
- 0
さて、そういうわけでまるで見てきたかのように語る架空のスピンオフシリーズ、エピソードofバランスの話をします。このエピソードはマヤさんの脳内にしかないフィクションです。
2017-11-13 20:49:08天秤座系の機械生命体は数千年単位の非常に長い寿命を持つゆえに新しい子孫を作ることは稀で、また数十年程度しか生きないヒューマンとは価値観が違いすぎて交流も薄く、閉鎖的な暮らしをしていました。(だいたいハイエルフの森のパクりです)
2017-11-13 20:49:33バランスは、そんな機械生命体の一族に数百年ぶりに生まれた若い個体です。一度は同盟(相互不可侵条約程度の関係だったかも)を結んだ宇宙統一政府が大統領の不在とジャークマターの攻勢により瓦解したあとに生まれた彼は、長く外界を知らずに生きてきました。
2017-11-13 20:56:19長い時間、変化の少ない淡々とした日常を暮らすことに、まだ年若いバランスは不満を募らせていました。そして二百何十歳の誕生日を迎えたある日、彼はかつて外宇宙から天秤座系に贈られた宝物を目にし、その美しさに魅入られ、星を出ることを決意します。
2017-11-13 20:59:34外界ではジャークマターの支配が広がっていて危険であることや、短命の生き物との価値観の違いなどを懇々と説かれたものの、年若い彼は外宇宙への憧れを抑えることはできずに星を飛び出しました。けれどそこに待ち受けていたのは、ジャークマターの支配のもと、疲弊し荒廃した宇宙でした。
2017-11-13 21:03:20食事を摂る必要もなく厳しい環境にも耐えられる機械生命体だったこと、持ち前の機転の良さと口の上手さで、そんな末法宇宙でも生き延びることはできたものの、彼が求める美しいものはみなジャークマターに独占されていて、それをただ見ることすら容易くはなかったのです。
2017-11-13 21:04:33天秤座系を離れて放浪していた彼は、ある惑星でその星の少年と仲良くなり、ひっそりと守り隠されていた宝物を目にする機会に恵まれます。
2017-11-13 21:04:53しかし、外界のものに見せたことを契機に、その星のダイカーンがその宝の存在を知り、武力に任せてそれを奪おうとその隠し場所を襲います。少年とその家族は傷つき、一族の宝はダイカーンに持ち去られてしまいます。
2017-11-13 21:09:07責任を感じたバランスは、単身ダイカーンの本拠を訪れ、手八丁口八丁で取り入り、どうにかその宝を盗み出すことに成功します。わざと証拠を少しだけ残して、己の単独犯であることを示して。
2017-11-13 21:11:52そのことによってジャークマターの指名手配を受けた彼は、宝を元の惑星に「売りつけ」、ささやかな資金を得て逃亡を開始します。それから、ジャークマターの持つ宝を盗み出す盗人稼業がはじまったのでした。
2017-11-13 21:15:03それから、十年か、二十年か。生まれた星座系ではなんの変化もなく過ぎていく一瞬一瞬が、外界ではめまぐるしい。宇宙幕府に追われる立場のその日暮らしでも、彼にとってそれは充実した日々でした。
2017-11-13 21:15:25そんなある日、彼はへびつかい座系惑星の噂を聞きます。自ら感情を捨て、外界との接触を断ち、ひっそりと暮らす種族。それは故郷の一族を思い起こさせ、ほんの僅かな違和感を覚えます。そしてその星に宝があると知った時、迷わずそれを盗むことを決めたのでした。
2017-11-13 21:17:27へびつかい座の惑星に降り立った彼は、判で押したように同じ顔をして同じことを言うその惑星の民に、つい言わなくてもいいことを言ってしまいました。「みんなが毎日同じに暮らすなんて、そんなの楽しくなくなくなくない?」
2017-11-13 21:24:24その時のバランスにとって、へびつかい座系の住人は誰もが同じに見えていました。だから、その相手が少しばかり期待に満ちたような目をしたのにも気付きませんでした。
2017-11-13 21:26:53さて、一方、へびつかい座系の惑星に生まれたナーガは、生まれつき少しだけ、感情を閉ざすことが苦手でした。へびつかい座の同胞の誰も、彼のそれが感情であることなど分からず、あるいは教えず、ただ違和感だけを抱えていた彼は、ある日、外宇宙から来たという機会生命体に出会いました。
2017-11-13 21:34:42大仰な身振り手振り、見も知らぬ外宇宙のことを語る朗らかな声。彼はとても感情が豊かで、楽しそうだ。そう思った時、機会生命体が言いました。「みんなが毎日同じに暮らすなんて、そんなの楽しくなくなくなくない?」
2017-11-13 21:36:53そうして数日が経った、ある夜のこと。街中に警報が響きました。警報が鳴っている間、警備員以外のものが外出することを禁じられています。けれども、ナーガは不意に思い出しました。彼の無味乾燥な日々に突然現れた黄金の光。バランスと名乗った機会生命体の男のことを。
2017-11-13 21:39:34ひっそりと家を出て、同胞が勝手に閲覧することなど考えられてもいないシステムを使って追われる機会生命体の場所を調べ、先回りをして、彼が来るのを待ちました。
2017-11-13 21:39:57それから先はみなさんご存知の通りです。バランスはナーガの助け得てへびつかい座を脱出し、二人は怪盗BN団になったのです。しし座からやってきたあの男に出会ったあの日から、少しばかり前の話です。
2017-11-13 21:40:16いまいち盛り上がりに欠けるので、前半を軽めにしたうえで、怪盗BN団になった二人が、てんびんさんがはじめて盗みを働いた星を訪れる話を盛り上げどころに使う方がいいような気がしますね。
2017-11-13 21:43:15以下追加分
架空のepofBの続きなんですけど、彼らがキュータマに選ばれたあと、てんびんさんが最初にお宝を盗み出し返却したとある惑星にたまたま立ち寄ったところ(近隣を航行中にふと気付いたとか救難信号をキャッチしたとか)、圧政がより厳しくなり、
2017-11-14 13:17:21あの時お宝を見せてくれた少年が大人になって、かつててんびんさんに取り戻してもらった宝と仲間を守ろうとしているシーンに出くわす、というエピソードをメインに据えたほうがいいような気がしています。
2017-11-14 13:18:32