『アンナチュラル』脚本家野木亜紀子さんによる　#アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

そうです。一人暮らしの心不全死と判断された大勢が実は給湯器の不具合による一酸化炭素中毒つまり事故死だった。解剖していなかったために何年も発覚せず、その間に被害が拡大してしまった。結局何十人死んだのかもわからない。焼いてしまえば調べようもない。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識 twitter.com/Slight_Bright/…

西大寺偽善人＠愚かな明智十兵衛一人奮戦記（カシコイソウチャンニハナレソウニアリマセン） @Slight_Bright

@nog_ak テンポの良さでさらっと次のシーンにいってしまいましたが、初回冒頭で所長に対して依頼人がガス給湯器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒死の新聞報道を手にしていたのが印象的でした。これも実際にあった事故であり、事故後１０年経ってから遺族の依頼で警察の検死を見直し発覚したのだとか。

2018-02-06 13:46:49

野木亜紀子 @nog_ak

土葬の骨と火葬の骨では情報量がまるで異なる。高温で火葬した骨からはほとんど何もわからないため、日本ではBONES博士ことブレナン博士の出番はほとんどありません。火葬する前に調べなければ。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

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バチスタシリーズを見ている方ならお馴染みの「Ai（Autopsy imaging）＝死亡時画像診断」について。当初、Aiで一話つくろうかとも思いもしましたが全10話には入らず。５話で「解剖を嫌がる遺族のために死後CTを使用した」という設定で一瞬出すに留めました。→ #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

→ Aiは簡単に言えば、遺体をMRIやCTにかけて、傷をつけずに外側から調べる技術。解剖医が足りない現状において死因究明の急先鋒として期待されているが、まだまだ問題も多い。というのも、CTやMRI画像を診断する技術を持ち合わせているのは放射線科医。→ #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

→しかし放射線科医は法医学者ではない。逆に、法医学者は放射線科医ほど的確な画像診断を行えない。つまり両方を兼ね揃えた医師が必要という中で、ただ機器を増やし「Aiで確認したから解剖なしで大丈夫」になってしまうと、死因を見落とす可能性がある。→ #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

→もちろん、何もせず火葬するよりはAiで診断した方がいいに決まっている。だがAiだけではわからない症例も多いので、理想は「Aiで調べた後、解剖調査する」だというのが法医学者側の見解。そのため本作では「何にせよ解剖は必要」というスタンスをとっている。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

神倉所長の家は共働きで、娘たちに持たせるお弁当を作るのは神倉所長の係。上の子は大学生になるのを機に、弁当を拒否。下の子もあと１年で高校卒業。毎朝の弁当作りから解放されるのは嬉しいが、切なくもある。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

きらきらひかるや上野先生のイメージから法医学者＝監察医と思われがちだが、監察医とは監察医務院（東京と大阪＋神戸）で働くごく一部の人を指す言葉で、ほとんどの法医学者には該当しない。日本の法医学者は約170人、実質稼働わずか140人前後と言われている。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

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監察医務院では事件性のない遺体を解剖する。もし事件性があれば司法解剖に切り替えるが、そうした例は年に２・３件程度だそう。警察が事件性のある遺体を運ぶのは大学の法医学教室。つまり事件ファイル。どちらでもないUDIは『法医解剖医』の呼称を使っている。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

きらきらひかる、ゼロの真実＝監察医務院 ブルドクター、名取裕子さん＝法医学教室 臨場の内野さん＝警察所属の検視官で解剖資格なし BODER波瑠さん＝海外の検死官制度を模した解剖する検視官（架空） アンナチュラル＝UDIラボ／不自然死究明研究所（架空） #アンナチュラル知らなくていい豆知識

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UDIラボでは「司法解剖」「調査法解剖」「依頼解剖」のすべてを扱う。これは欧米の死因究明制度（詳細は過去豆知識）にならったもの。解剖が主目的ではなく、死因究明が主目的であり、犯罪の見逃し防止・公平独立性・公衆衛生等から鑑みて理想の組織ともいえる。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

日本でもご遺体すべて解剖すればいいのに。と言われても、今のままでは予算もなく場所もなく人もいない。ということを法医学女子会で入れようとしたけれど尺に収まらず、決定稿ではまるっとカットしショートver.になりました。ロングver.を準備稿よりお蔵出し。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識 pic.twitter.com/WvBHqNY0fd

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野木亜紀子 @nog_ak

フランス製のルミノール液は実在します。タブレット式で水に溶かす。お値段が高いのも本当。日本の捜査ではほとんど使われてないそうです。高いから。 #アンナチュラル #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

遠隔死亡診断は、基本的には老衰や持病で亡くなった方のみを対象とし、映像診断により死亡診断書を発行するものであり、中堂さんがクソと言うほどおかしなものではありません。神倉所長の言うように、必要があって作られたシステムです。 #アンナチュラル #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

中堂さんが六郎に「写真撮っとけ」と言いましたが、もちろん普通のカメラでは写りません。ここで渡したのは紫外線も赤外線も写る法医学用一眼レフで、これまたお高い。 #アンナチュラル #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

法医学者二人体制。ミコトが言うようにそうした体制をとっているところはあります。ダブルチェックができることが主な利点の一つ。ただし法医学者が不足している現状ではそんな贅沢を言ってられないので、二人体制をとっているところは少ないようです。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

Ｙ字切開とＩ字切開。どちらにするか、師匠筋のやり方を踏襲している法医学者さんが多いそうです。Ｙ字はご遺体の首を傷つけないで済むので葬儀の際に気にならない。Ｉ字は喉を直接開くことで視界が開け多くの情報が得られる。どちらがいいとは言い難い。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識

野木亜紀子 @nog_ak

ご遺体は基本、何も身につけていない状態で運ばれてくる。司法解剖なら現場写真必須で状況説明もあるが、調査法解剖だとイヤーカフをつけていても知らされないとか、交通事故で服にタイヤ痕があっても服を持ってきてもらえないとか、状況不明な場合がよくある。 #アンナチュラル知らなくていい豆知識