鈴木優人のゴルトベルク変奏曲 解説 #金山通信

ヨハン ゼバスティアン バッハ 生誕333年に捧ぐ ≪ゴルトベルク変奏曲≫(クラヴィーア練習曲集 第4巻)BWV 988 アリアと30の変奏曲を解説
5
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第25変奏】3度目にして最後の短調による変奏。2段鍵盤を用いて、右手の旋律がソロを歌い上げるのは第13変奏と同じだが、こちらでは当社比13倍(推定)の半音階が練りこまれており、これからいよいよ終幕へ向かう覚悟を決めるかのような悲壮な舞いだ。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/8tY2IeiGSk

2018-03-15 21:01:09
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第26変奏】リズミカルでスピード感あふれる超絶技巧により一気に駆け抜ける変奏。上り下りは随所に多用されてきたが、前半が上り、後半が下りのみというのは新しい試みだ。左右の手は容赦なく交差し、脳細胞のみならず身体能力が大いに必要となる。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/CLEdAHP9zq

2018-03-16 21:00:49
拡大
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第27変奏】最も意識するべき数字3×3×3。まさにバッハ生誕333年に相応しい最後のカノンだ。ここを抜けると、いよいよこの金山も出口が見えてくる。9度離れた旋律はそれだけで安定した和声構造を持ち得るため、初めて伴奏のない2声部のみのカノンだ。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/Am6XnQP5SU

2018-03-17 21:00:42
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第28変奏】ひたすらトリ(ル)のさえずりが聞こえる2段鍵盤のための変奏。時おりトリルが止むと、まさに山なりの音型を上下のシンメトリーで演奏する印象的なシーンが垣間見える。後半は半音階の強い力で曲の終わりへぐいぐいと導き、山を登りきる。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/mpOJNuzx4t

2018-03-18 21:00:54
拡大
拡大
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第29変奏】ラグビーのタックルのように三和音がぶつかりながら実は一つの旋律を構成する。歴史上エコーとしての鍵盤交代は多く見られるが、この作品のように2段が対等の例は稀だ。かつてない頻度で左右の手が交代し、最後の2段鍵盤を楽しみ尽くす。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/C7SV6GtdiW

2018-03-19 21:00:45
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【第30変奏】最後はいくつもの民謡が散りばめられたクオドリベットという様式。ラテン語で「お好きに」を意味する。3の倍数の変奏ゆえにカノン的な書法だ。初めて冒頭にひとつ置かれた八分音符のアウフタクトが自然な呼吸を取り戻させてくれる。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人 pic.twitter.com/zSTSEU2tn5

2018-03-20 21:00:54
拡大
鈴木 優人 Masato Suzuki @eugenesuzuki

#金山通信 【アリア】ついに帰ってきた。第30変奏冒頭の民謡「こんなにも長く離れていたね」がまさに代弁する感慨だ。この旋律はコラール「神の御業は全て善し」と同一であり、この内容こそが驚くべき30の変奏を通して告白されたバッハの信仰に他ならない。 #バッハ #ゴルトベルク変奏曲 #鈴木優人pic.twitter.com/WV4FOxOCp3

2018-03-21 21:00:43
拡大
拡大