@henda4のついのべまとめ

へん子@推し増し中 @henda4

#twnovel 傘の骨が折れた。降るはずの雨も止んでしまった。悪いと思いながら、立ち寄ったコンビニの傘立てに放置。お店を出てほどなく「忘れてますよ」とさっきのコンビニの店員さんだ。忘れていいやつだったのに、と苦笑い。「あと、よかったら連絡ください」溶けはじめたアイスが指を伝う。

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#twnovel 君がかなしんでいるのなら、いちばん先に駆け付けて大丈夫だと言ってあげる。君がよろこんでいるのなら、飽きるまでその話を聞いてあげる。君の泪は止めれないけど、頬を拭うことはできる。君を笑顔にさせれないけど、一緒に笑うことならできる。僕らは似ている。まるで鏡だ。

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#twnovel 酔っ払ってフラフラしてベタベタしてるオンナって、だいたい自分で「いまのわたしかわいいー♡」って思ってる。過去の私がそうだったように、だいたいそういう恋愛は失敗するんだ。周りの冷たい視線にオトコが気付いていればあっさりと終わる。そうじゃなければドロ沼決定。

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#twnovel 神楽坂の高層マンション。建ったばかりでFOR RENTが揺れている。上層階。さながら悪趣味と云いたくなるほど、大きく陣取られたガラス窓。そこに立ってごらんなさい。遠くの椅子から声がする。黒い絨毯。窓の向こうの夜景の中にふうわりわたしが浮いていた

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#twnovel 左脚にできたアザが、いまもまだ消えない。君が文字通り最後の力を振り絞ってつけたツメアトだ。悪かったと思っている。苦しみに歪んだ表情。その顔が助けを乞うていたのか、恨み辛みの類だったのか知る由もない。くっきりと抉れた痕がアザになって残っているだけ。 #書き出し

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#twnovel 追いかけっこの距離は一向に縮まらない。今年もひとつ歳をとる。同じ日にあなたも歳をとる。歳の差はずっと変わらないままだ。それもロマンチックで素敵かも知れないけど。やっと同い年になれたね、みたいなそういうシチュエーション、一回はやってみたかったりもする。

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#twnovel 「私ね、あの人のこと好きでもなんでもないんですよ。先輩、あの人のこと好きだったでしょ。みんな知ってましたよ。憧れの先輩。私は先輩の醜い顔が見たかっただけ。どうでした？ 可愛い後輩に好きな人をとられた気持ち。とられたっていっても貴女もものでもなかったんですけどね」

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#twnovel 私には大好きな人がいました。その人は余りに素敵で、釣り合わないって諦めてました。それに、その人にはフラれても諦めつかないくらい好きな人が居たんです。その女性も素敵な方でした。その人の隣はあの女性が相応しかった。だけど、どうして、貴方はほかの女と結婚するのですか。

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#twnovel 面倒なやつからメールがきた。久しぶりです、電話してもいいですか。やめてやめて、やめてくれ。せめてメールで済ませて頂戴。そんなこというのも嫌だったので、何もしないで画面を落とす。ごめん寝ました、またいずれ。いずれがこないことだけ祈る。

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#twnovel 姉が彼氏さんと同棲をはじめるという。出ていくのは姉なのに追い出された気分だ。上京して8年、金銭的にも二人住む理由はもうなくて、当たり前のように続いてた共同生活。帰りの遅い姉にゼリーを頼むことも、飲み過ぎを笑われることもなくなるのか。淋しいな、とんだシスコンだな。

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#twnovel 世界から青が居なくなって久しい。心配性の水色はすぐに後を追いかけて行った。陽気な緑はオレらも行こうと、黄緑を連れて出掛けてしまった。知らん顔していた赤もそろそろ不安を隠せない。我関せず白と黒だけ自分の世界に篭ってしまう。モノクロームの空だけ青い自分たちだけの世界

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#twnovel カバンおろしたらびっくりするほどからだが軽くなった。拍子抜けして、転んでしまいそうだ。気持ちはずっしり重いのに、からだだけすっからかんみたい。これはバランスが悪いこと。とりあえずもう一度カバン背負って、少し考えてからまた歩き出そう。

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#twnovel 世界から青が消えて久しい。はじめはひどく混乱したが、それもすっかりおさまった。空は夕闇を繰り返し、海もつられて思い出すことをやめてしまった。青は言葉だけの存在となり語り継がれる。誰も青を知らない世界で、青は姿なく居続ける。

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#twnvday 大きなお風呂屋さんの売店には、ペロペロキャンディが売っていて、漫画のようなぐるぐるを来るたび来るたび眺めてた。ほしいなぁ、食べたいなぁ。ママはちっとも聞いてくれない。パパは笑っているばかり。「ねぇママ、ぐるぐるほしいなぁ」我が子にふと幼い自分を重ねてみてる

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#twnovel 電車に少し強面の男が乗ってきた。男は網棚に鞄を置き、空席の前に立つ。ジャケットを脱いで座るのか。違う。男は尚も立ったままだ。誰もその席に座ろうとしない。ある駅でひとりの妊婦が彼に声をかけた。夫婦、ではないらしい。譲り屋のことを知ったのはだいぶあとのことだった。

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#twnovel 「いつから明日だと思う」夜更かしをしている深夜、貴方は何とこたえただろう。わたしは妙に共感し、貴方の申し出を受け入れた。そのことだけは憶えているのに、貴方のこたえは忘れてしまった。風化してしまった記憶。これを時間と呼ぶのだろうか。

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#twnovel 真っ白なカフェオレボウルに、飴色の紅茶を注ぐ。お砂糖多め、ミルクをたくさん、甘くて飲めないくらいにするの。それでも貴方は美味しいよって、何も知らずに云うんだわ。バターたっぷりのクッキーと油にまみれたドーナッツ。ただの毒より猛毒を、毎日貴方の皿に盛る。

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#twnovel ぼくは初めて恋をした。池の畔でぼくらは出会い、お互いが、同時に、恋に落ちたのは明確だった。愛しい君よ。声を聞かせて。愛しい君よ。ぼくらは見つめ合うことしかできない。その頬に触れたくて、伸ばした手の行き場はなく。ぼくのからだは冷たい池の、底へ底へと沈んでく。

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#twnovel ねぇねぇ、きみはいなくなっちゃったの？ おへんじはありませんか？ 糸電話に話しかける。うーん、これがこわれちゃったのかな。大きな声で紙コップに向かいます。ぼくはね、きみのわらったこえがききたいんだよ。遠くの糸の向こう側、啜り泣くもう一人のぼくがいる

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#twnovel いつもこの部屋に居ると、時折り雨の音が聞こえてきます。その度に窓の外を見るのですが、降っていないことが殆どなんです。今日も、なんとなく雨の音が聞こえたので窓から道行くひとを探します。傘をさしたのがぽつりぽつりと、それほど降ってないことを知らせてくれました

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#twnovel 足元を赤茶色のアレが走り抜けていく。ここは繁華街のド真ん中。酔っ払った学生が地面に突っ伏している。誰彼構わず声をかけてくる居酒屋のキャッチ。カラオケの前でたむろする人たち。鳩が吐瀉物を突ついている。ここは繁華街のド真ん中。欲と疲れた顔に満ちる場所

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#twnovel 世間では「エイプリルフール疲れ」というものが流行っているらしい。ある人は31日、今年のネタはウケるのか心配でノイローゼ。ある人は1日、溢れかえるネタを間に受け人間不信。ネットが恐くて見れなくなるという。わからなくもないが、ウソかマコトか怪しいところでもある。

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#twnovel 満員電車。ただ惚けっと音楽を聞く。ゲームに夢中で、揺れるからだを気にすることもなく。これでいいのか。最後に本を読んだのはいつだ。最後に友達と会ったのはいつだった。このままではよくないだろうな。そうは思うも、空いた座席にからだを沈めれば、自然とまぶたが落ちてくる。

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#twnovel 月曜日はオレンジジュース。火曜日にはピーナッツチョコ。水曜日はカレーを食べて、木曜日に目玉焼き。金曜日にビールを飲んで、土曜日と日曜日はその日の気分、たっぷり甘いカフェオレと生クリームのケーキを食べる。

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#twnovel ちょっとズレだ時期にお花見に誘ってもいいですか。そう、近所の公園が八重なんです。だから、咲くのが少し遅くって。それに八重は満開のほうが見応えあるでしょう。できれば夜に。肌寒いくらいがちょうどいい。紺色の空にぼんやりと桜のピンク。貴方と一緒に見たいんです