@henda4のついのべまとめ

へん子@推し増し中 @henda4

#twnovel 上を見ながら不恰好に走る君。「どうしたの」「もう少しでお月さまの真下に行けそうなんだけど」いくら走っても月には追いつかないよ。それは君もわかっているんだろうな。小さく吸った息を言葉にしないまま白く吐いた。

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#twnovel もう逢うことはないわ、さよなら。早朝の坂道、彼女は頂上で振り返り、ニッと笑った。強がった私はこんな妄想をしてみた。きっと彼女は神様の遣いで、哀れな私を更生させるのが使命。それが済んだ彼女は天へ戻る。昨日のケンカでひっ掻かれた傷跡が消えているのが証拠です、なんてね

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#twnovel 早朝の坂道。湿りっ気のある空気をまとい、ふと幼いころに記憶が戻る。ふたりでよく駆けっこしたな。わたしは何度も転んで、その度につよがって、差し出される手を拒んだっけ。あのころの足跡を辿るように、一歩ずつ登る坂道。もう、差し出された手は拒んだりしない。一緒に歩こう

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#twnovel 「死にたい」なんてツイートしても誰も何の返事もくれない。発破かけるやつも、慰めるやつもありえない。現実ってそんなもんだ。でも、何かしら期待してしまったりする。そんな自分が嫌だ。こんな現実も自分自身も全部ひっくるめて「死にたい」

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#twnovel 内緒で忍び込んだ夜の教室。あれから15年、変わったのは僕らの身長と警備のかかっていない校舎。約束。うん、約束。憶えていてくれてありがとう。あのときと同じ、僕は彼女の頭を撫でた。結婚しよう。うん。糸が切れたように泣きだした彼女をそっと包み込む

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#twnovel どれくらい好き？ シングルベッドに背中あわせ。うーん、朝がこなければいいと思うくらい。ぎぎゅっと軋む音。ふとんがふくらんで一瞬冷たい空気が入ってきた。わたしは毎日食べても厭きないくらい好き。耳を噛まれた。時計は3時から4に変わろうとしている。もう一回。する？

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#twnovel そこは寒いかも知れない。太陽が遠いかも知れない。でも、あのうたのように、タンポポが咲いていたら素敵だと思わないかい。風に揺られて、鈴が鳴るように綿毛が舞う。その音はきっと君にも届くはずだよ。足もとにつぼみ、ないかな？

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#twnovel 15日。一日遅れのなんとやら。今年何個目だよ。チョコレイト苦手なんだけど。学校一のマドンナも下調べくらいしろっての。やっぱり俺のいちばんはあのひとだけ、だれも敵わない。「はい、あなたの大好きなチーズケーキよ」「ありがとう、母さん」

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#twnovel 芸能人を本気で好きになるなんて、おかしな話だよね。ハルカは何も云わなかっが、ユリは続けた。面識はあるが会話は片手で足りる、連絡先も知らないし、たぶんもう会うことはない、ハグされたことが嬉しかった。「でも、もしかしたら好きでありたいっていう希望なのかも知れない」

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#twnovel いまにも音が鳴りそうなくらい、少女のこころは締め付けられていた。飲み会の帰りの電車、寄りかかられてるわたしの右肩。寝てしまっているの、呼吸が深い。対する少女は生きた心地がしていない。あぁ、どうしよう。わたしは次の次の駅。彼の降りる駅を知らない。

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#twnovel 強迫観念。誰かを好きにならなくちゃという、幼い思考はときにわたしをぐるぐるの渦の中に投げ込んでしまう。"親友"も同じくらいのチカラを持つ言葉だ。どうしよう、ぐるぐるの渦の中、どうしよう、誰の名前を叫んだらいいの。

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#twnovel 上を見ながら不恰好に走る君。「どうしたの」「もう少しでお月さまの真下に行けそうなんだけど」いくら走っても月には追いつかないよ。それは君もわかっていると思ったから、白い息だけそのままはいた。

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#twnovel なんでだか、君のことを考えると元気になれる。君の姿を見るとがんばれるって思うんだ。なんでだろうね、とっても不思議。恋？ 憧れ？ よくわからない。ただ、わたしはわたしでがんばれる、がんばろうって、すごく前向きになれるんだ

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#twnovel 生理ほど安心させられる生理現象はない、と彼女はいった。なんの不実もなかったというのはもちろん、なんとも、生きていると思い返すことができるのだと。経血の赤も下腹部の痛みも"生"を感じずにはいられない。月に一回憂鬱な日々、人間の機能を再確認する。

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#twnovels 酔っ払いの千鳥足。月明かり明るく、らったらったら。口ずさむ歌はボリューム小さく、周りを気にして、らったらったら。曲がる交差点ちゃんと見付けた、右指鳴らして、らったらったら。らったらったら、らったらったら。僕は家路へらったらったら。

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#twnovel 朝帰りの不良少女は、繁華街を出るまで音楽をきかない。乗り換え一回、電車に揺られて、豚小屋みたいな部屋に帰れば、何も云わないぬいぐるみたちと、出し忘れたゴミに出迎えれて。朝帰りの不良少女は化粧も落とさず、歯も磨かずに夕方過ぎまで寝るだろう。

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#twnovel 言葉のかたまりが喉につっかえて息が苦しい。そのうち嗚咽が込み上げてきて、泪、鼻水まで出てきた。背中をさすって、でも、必要以上に優しくしないで。かたまりを溶かすくらいでいいの。呼吸が楽になってきた。もう云える。「さよなら」今度はわたしが、あなたの背中をさする番。

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#twnovel 彼女は我儘だ。夏の電車は冷えるからと必ず長袖の上着を着て、外を歩く時は暑いからとそれをデートの間中僕に持たせる。彼女はバレていないつもりだろうけど、僕は理由を知っている。毎夜その上着を抱いて寝ているんだね

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#twnovel 携帯が壊れ、電話帳データが飛びました。恐れ入りますが、私にメールをください。流行りのSNSに日記を書いた。たくさんの足跡がついているのに、実際にメールをくれたのは手と足の指で足りるほど。電話帳のデータは不動産。連絡のないやつを入れていたら無駄ですよ、ということか

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#twnovel 死にたいというのはただの逃げなんです。自分があまりにも社会に適合してないから、死んでしまえば楽だろうと考えているだけなんです。彼女は虚空を捉えるような目をして言いましたが、誰も相手にしませんでした。仕方ないので彼女は死んだ魚の目をしたまま、屋上に上っていきました

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#twnovel わたしの死が世の中に与える影響なんてどうでもいいの。ひとりでもわたしという生き物の死を悲しんでくれればいい。そう、ツイートして彼女は屋上から飛び降りた。これが遺言と、狂った笑顔を見せながら、しっかりとiPhoneを握り締めて。

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#twnovel 特技も何もないただの女の子がいました。女の子はお金を持っていなかったので、マリオネットになる契約をしました。初めはいう通りに動くと評判でしたが、期待や要求に応えられず、自ら首を括りました。みな女の子の死よりも、マリオネットがいなくなったことを悲しみましたとさ。

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#twnovel 携帯電話の着信履歴。ほとんど家族で埋まっている。リダイヤルもまた然り。上京5年目、社会人は3年目。これは何を意味しているのか。よくわからないけど、履歴もリダイヤルも全削除した。わたしは今日もがんばってます、そやってまた電話するんだろうけど。

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#twnovel 企業アカウンターな私。憧れだった先輩がtwitter始めたっていうから、ID聞いてフォローしたんだ。私が中のひとってバレるよね。でもそれでよかった。仕事をしている私を見てほしかったから。でも決まりは守るよ。「私的な友達とはこのアカウントで絡まない」悲しいけど

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#twnovel “青”という字が書けなくなった。書こうとするとどうしても“赤”になってしまう。だから、青が赤に変わる世界を想像した。空は何時でも夕暮れの橙で、海もその橙を映写している。青葉は常に紅に染まっている。透き通る雪の影は血を滲ませたよう。今度から青はカナで書こうと決めた