【サイト-"本丸" エイプリルフール？'2018】

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毛利「なんてことしてくれたんですか！」████「いやまさか本当に引っ張ってこれるとは思ってなくてな。正直、その後のことはあんまり」毛利「無責任すぎですよ！」████「ははは。そうそう、俺はこの本丸の近侍、Dr.鶴丸・ワンダーテインメント・国永だ。気軽に鶴丸博士と」毛利「それで」

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毛利「貴方は僕を他の世界の本丸から攫ってきた挙句、戻すことはできないと」鶴丸「その通り！受取箱はどの本丸にも必ずある。それに目を付けて別の本丸に繋ぐとこまでは良かったんだが、受取箱だろ？出すことはできても、入れることはできないからなあ」毛利「当然のように言わないでください！」

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鶴丸「繋いだ先が財団の息がかかった本丸だったってのが一番の誤算だった。そこの君！座標はきちんと確認してから繋ごうな！」毛利「何の呼びかけですか！」鶴丸「よし、向こうに気付かれる前に君を追い出…ごほん。帰す方法を探ろうじゃないか」毛利「最低だこの刀」

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鶴丸「まあ手っ取り早く証拠を消すには刀解が一番なんだが、俺だって別に喧嘩を売りたいわけじゃあない。なるべく穏便に済ませるに越したことはないだろう？」毛利「……」鶴丸「そう睨むなって、な？」毛利「…その、僕の本丸の【財団】と、貴方はどういった関係なんですか」

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鶴丸「関係があるとしたら俺じゃなくて俺の主だな。俺の主は【ワンダーテインメント博士】という、世界中の子供に夢と驚きを届けるために日夜玩具作りに励んでる素晴らしいお人なんだ。が、こともあろうに財団は、その玩具を取り上げて世間に出回らないようにしちまうんだぜ。酷いと思わないか？」

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毛利「小さい子に夢を届けるのは素晴らしいことですが、今までの貴方の行いからして素直に頷けません。例えば、どんな玩具があるんですか？」鶴丸「粘土で食べ物を作って入れると美味しく食べられるようになって出てくる木でできた電子レンジとか」毛利「なんですかそれ！？」

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毛利「その、粘土が食べ物に変わるなんて信じがたいんですけど、僕たちが喚ばれた世界では当たり前のことなんですか？」鶴丸「いいや？」毛利「えっ」鶴丸「おっと、仕組みについては企業機密だ。そもそも世間一般の物差しでは計れないし、そういうところに驚きがだな」毛利「安全なんですよね？」

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鶴丸「もちろんだとも！ただ」毛利「ただ」鶴丸「食べ物に変わってない粘土を食べると体外に出すまで酷い吐き気頭痛その他の重い中毒に」毛利「駄目じゃないですか！」鶴丸「驚きを提供するためには多少の危険に目を瞑らないといけないこともある！それに、ちゃんと注意書きだってしてあるんだぜ！」

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毛利「そういう問題じゃありません！…なんとなく、財団の役割がわかりました」鶴丸「気に入ってくれたなら、この本丸の子にする方法を探しても」毛利「お断りします」鶴丸「そりゃ残念。さて、まごまごしてると君んとこの本丸に見つかっちまう。財団はしつこいからなあ」毛利「当てはあるんですか？」

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鶴丸「安心安全確実な方法があったらとっくにやってる」毛利「でしょうね」鶴丸「だが、少なくともここから出ていく方法なら無くもない」毛利「要は厄介払いですか」鶴丸「腐るな腐るな。ここと向こうの違いは何だかわかるか？」毛利「本丸が違うんでしょう。座標、とか言っていましたよね」

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鶴丸「その通り！ここは君が属する本丸じゃあない。そして、本丸よりも根本的に違うものがある。それは『世界』だ」毛利「はあ」鶴丸「ピンときていないな？つまり、この世界に君の本丸は無い。財団はあるが、本丸は持ってない。何故ならワンダーテインメント博士が押さえたからな！」

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鶴丸「同じ世界で座標が違うだけなら、ぴんぽーんと訪問して返してくればいい。しかし、ここは世界が違う。並行世界という概念はわかるか？俺は受取箱を接続口にして別世界の本丸から君を釣り上げたんだ。驚きだろ？」毛利「貴方が小さい子なら褒めてあげましたがそうじゃないので折れてください」

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鶴丸「君、また変わった趣味だなあ。でもそれなら俺のある…いや、なんでもない。要するに、君が君の本丸に帰るには、世界を跨がなきゃいけないってことだ。おーけい？」毛利「良くはありませんがわかりました。それで、具体的には」鶴丸「じゃん！なんと、ここに別の世界に行ける道具があります！」

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鶴丸「前に財団からいくつかかっぱらってきててな。いやあ役に立つときが来るとは思わなかったぜ」毛利「便利ですね財団！そしてご愁傷さまです！」鶴丸「今のところこいつで世界を超えるのが一番お手軽だ。しかし…うーん、そうだな…。よし、少し弄ろう。しばし待て！」毛利「はあ……」

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薬研「駄目だ、誰も毛利を起こしちゃいないらしい。大将は」鶴丸「心当たりは無いそうだ。引き換えは確かに済んでいるとさ」薬研「そうか…。他に類似の情報も無い。つまり、外からの解決は見込めない」鶴丸「俺たちで何とかするしかないってことか。いいぜ、しばらく退屈してたしな！」

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薬研「そんな旦那に朗報だ。さっき通信班に受取箱周りのログを全部出すように頼んできた。ざっと10日分、確認頼む」鶴丸「…また、文字と格闘するのか…」薬研「手分けして構わない、指示は任せる。俺っちはもうちっと情報を漁ってくるぜ」鶴丸「承った…。さあて、まだ頭を動かせる奴はいるかねえ」

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鶴丸「待たせたな！」毛利「現状について考えれば考えるほど正気が保てなくなりそうなので、早くしてください」鶴丸「そりゃ大変だ。巻いていくぞ」毛利「お願いします」鶴丸「さっそく、こいつの使い方からだな。まず、これを持ってひとりで厠に行く」毛利「ちょっと待ってください。…厠？」

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鶴丸「質問は全部聞いてからにしてくれ。で、行った厠に服なんかを引っかけるための鉤、"フック"ってやつだな。それが無いことを確認して、こいつを手に持つ。するとあら不思議！『フックが付いている別の世界の厠』に行けるって寸法だ」毛利「わかりません」鶴丸「気持ちはわかるが頑張れ」

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鶴丸「フックが付いていないこの世界の厠Ａから、フックが付いている別の世界の厠Ａ´に転送する。しかもなるべく近い世界を選んでくれる親切設計」毛利「なんで厠なんですか！」鶴丸「それは知らん。フックが無い厠を許せない誰かが作ったのか何なのか…まあ今解決すべき疑問はそこじゃないだろ？」

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毛利「ううん…。移動した後、元の厠へ戻っては」鶴丸「来れない。移動元にはフックが無いんだからな。後から取り付ければ可能性はあるが、限りなく低いだろう」毛利「厠から厠へあちこちの世界の本丸を渡り歩けば、いつか僕の本丸に辿り着く、と？」鶴丸「いえす！」

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毛利「ちなみに、その『世界』はどれくらいあるんでしょうか」鶴丸「星の数といい勝負だな」毛利「……」鶴丸「おっと、絶望するにはちと早いぜ。俺もそんな分の悪い賭けに君を送り出しはしないさ。安心しろ、ワンダーテインメントは鬼じゃない」毛利「もう充分に鬼の所業ですから！」鶴丸「ははは」

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鶴丸「まあ聞け。いずれ君の世界に行けるよう、ちと細工を施してみた。どうやって、とか、どんな、とかは秘密だが、そうだな…磁石みたいなもんだと思ってくれ」毛利「はあ」鶴丸「正直ぶっつけ本番だから保障はできないが、無いよりマシだろうさ」毛利「泣きたくなってきました」

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毛利「そうだ、ふっくがある厠に行くのなら、そこから別の世界には行けないのでは？」鶴丸「問題はフックの有無だけだ、壊せ壊せ。わざわざフックの無い厠なんぞ探してる場合じゃないだろ」毛利「致し方ない、ですか…」鶴丸「そんなことしてたら捕まるかもしれんしな」毛利「えっ」