【籐真千歳作品感想まとめ】

『スワロウテイル・シリーズ』、『θ・シリーズ』等の籐真千歳先生の著作をリアルタイムに読みつつ、思ったところをマイペースに書き記していこうという試みです。 現在は『スワロウテイル 人工少女販売処』の読み返しを完了しました。
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東和瞬 @honyakushiya

まずは今日より『スワロウテイル・シリーズ』の栄えある第一作『スワロウテイル人工少女販売処』の実況感想を書いていこうと思います。 当然初読ではありませんが新発見があるかもしれませんし、改めて言葉にならない思いを実体化させるため、まずは取り留めなく呟き後日まとめることにいたしましょう

2018-03-14 21:29:45
東和瞬 @honyakushiya

まずは、表紙から。 竹岡美穂先生の美麗な揚羽の肖像は小さいバージョンと、版数を重ねて三作目以降に合わせた大きいバージョンの二通りがあるのですが、此度は電子書籍を読みつつなので大きい方から。 ただし、この場合だと切れているので後日紙媒体で確認し直すことにしましょう。画集出ないかな?

2018-03-14 21:34:40
東和瞬 @honyakushiya

章タイトルを見るに、ああ……とつい吐息をついてしまいます。 花の名は美麗ですが、同時に薄命でもありますので人工妖精たちにはまこと相応しいかもしれませんね。 そんなわけで、販売処とつきつつ、そういった初見の読者の想像される戦場的な光景とは無縁な第一巻の幕開けと参りましょう。

2018-03-14 21:39:30
東和瞬 @honyakushiya

むしろここで言う「処」とは幕府における「政所」や「侍所」のような政庁や公的機関の所在地を連想する――というのは今思いついたところです。 時に「百人の町」というのは一時期の皆さまの間をゆわりと通り抜けていった「ネットミーム(この言い方が正しいのかもわかりませんが)」ですね。

2018-03-14 21:44:40
東和瞬 @honyakushiya

作品の中核を掠めるかのような、謎めいた詩であり今後語られることになる揚羽の哲学に関わってくるんだと思いました。 物事を単純化したことによって、切り捨てられるものの哀しみを示唆している。そのことを是非はともかくとして、胸に秘めておくことにしましょう。

2018-03-14 21:48:30
東和瞬 @honyakushiya

曽田陽平という「男」の感想から物語は幕を開けます。 「man」が「男」であり「人間」というのは英語と日本語の互換性に問題を感じてしまいますが、それはそうとこれは意外。 無菌室じみた街から切り取られた「におい」。 そして、断絶。これは人とそれ以外の隔たりを示唆しているのかも。

2018-03-14 21:53:55
東和瞬 @honyakushiya

新技術は大体三大欲求の三分の一からはじまるというのは世の常ですが、こうやってふるい落としていくスタイル、嫌いじゃないですよ。 警察(っぽい)組織と煙草の変わらないスタイルを見せたところで、それでも(現在進行形で近づいていくにせよ)未来との間に隔たりを感じつつ。 無惨な屍体は――、

2018-03-14 21:59:27
東和瞬 @honyakushiya

優雅に飛び回る社会インフラの目覚める前の姿でも、生命の雛型でもあった、と。ミツバチ型とかもそのうち見てみたいな。 時に、ルビのシチズンってだけで結構胸が痛むという。 一体どれだけ切り落としてきたんだろうね、日本人。おのれの人型を保てなくなるほどに、じゃないのか?

2018-03-14 22:03:42
東和瞬 @honyakushiya

芋虫って言葉も幅が広いですが、蝶との対比を考えると趣深い。 この辺りのネーミングセンスも私が藤間先生を敬愛する理由のひとつであります。 やはり、陽平の台詞と掛け合いが出るとポリティカル・アクションの、ここでは冒頭の雰囲気が出ますね。 しかし、実は、いや。

2018-03-14 22:08:53
東和瞬 @honyakushiya

そして、人工妖精(フィギュア)の説明が入ります。 とは言っても、読者にとっては未だヴェールに包まれているわけですが。 五等級について脅かしてくれる筆致、それでいて血の通った肉臭とは程遠いうわさ話、ということですが、いやはや、はてさて。 雰囲気を作ってくれるなら則って読み進めましょう

2018-03-14 22:14:41
東和瞬 @honyakushiya

手の線を見るたび、おのれの身体が細胞の集まりであることを漸く思い出しますし本当は脳だけでない全身で記憶しているのでは? という説について考えてしまいます。 うん、通信用携帯端末(時代を越えた表現)の更新にはわたくし直近も苦労しました。こういう卑近な例を出す、親しみやすいSFなのです

2018-03-14 22:20:14
東和瞬 @honyakushiya

このシーンはアニメ化希望の時にも呟きましたが、映像化の折にはグロテスクでありながらもただひたすらに美しい口寄せシーンがオープニングテーマと共に綴られて然るべきだと思うのです。 五十音表を介した死者との対話は少女たちのごっこ遊びか、それとも本当の悪霊を呼び出す交霊会か。

2018-03-14 22:24:08
東和瞬 @honyakushiya

アクアノートの休日ではありません。これは仕事なのです。 初読の方は覚えておいてよいかもしれませんし、そうでないかもしれません。 そして、「失敗」の言葉でようやく我に返るこの呆然とした感触は読者の皆皆様が共有してくださると信じる者であります。 脚……、か。

2018-03-14 22:27:53
東和瞬 @honyakushiya

そして、舞台となる東京自治区の全体図。 実はこの小さな人工島も物語の陰ひなたに回りまわる主役のひとり一つだと思う次第。 あまり関係ありませんが、ダンゲロス関係の方もどこか設定の近似性を感じ取って驚く方がいらっしゃるかもしれませんね。 とまれ、それだけに魅力的なところなのです。

2018-03-14 22:30:33
東和瞬 @honyakushiya

一見すると社会福祉が完備された理想郷(ユートピア)。 しかし、箱庭は脆く外界からの刺激を拒むともやってくるソレをはねのける力は持たじ――なのです。 視肉という言葉はここで覚えました。元は妖怪らしいですが、家康が追い払わずにいればまた違った未来が拓けていたのでしょうか? なーんちゃって

2018-03-14 22:34:55
東和瞬 @honyakushiya

現実を皮肉ったブラックユーモアは先生の出身地をご確認頂ければ自ずから明らかになると思われます。 主義主張は十重二十重、過剰な肩入れは不要。笑いに湿りが混じろうと乾きが混じろうと口元の緩みに変わりはないのです。 ちなみに籐真先生の別の著作『θ』ではまた違う未来を日本は歩んでいますよ

2018-03-14 22:38:55
東和瞬 @honyakushiya

やっぱり閣下は強かだなー。 〈種のアポトーシス〉は覚えておいてください、テストに出ますから。 さしずめ、この作品は先生からの出題です。みなさん性別について考えてみましょう。 改めて想像すると、牧歌的なような雄大なような奇妙なような、不思議な光景ですよねメガ・フライホイール。

2018-03-14 22:43:02
東和瞬 @honyakushiya

そして、日本人の熱狂しやすいところは変わらない、と。 陽平、君もまた若かった。火炎瓶はいつの時代もお手軽過ぎる。 では、ここで。紫煙に格好をつける暇はございません。 黒の五等級――灰よりもなお黒に塗れた姫様の御開帳と相成りましょうか。 刮目されずとも、目を背けずにいかが――?

2018-03-14 22:47:23
東和瞬 @honyakushiya

さてと、この辺りから自治区を二分する公権力と主義者たちに関するボヤキが語られるわけですが、なにを分けても人工妖精は外せません。 あなたお好みの異性の人/型を謹製して差し上げましょう――と、誰しも脳裏をよぎるのかもしれませんね。 人間作りを請け負ってくださる方は別にいらっしゃいます。

2018-03-14 22:56:04
東和瞬 @honyakushiya

あなたの思いは大事に抱えていてくださいませ。 五等級は翅を揚げるように、羽化するように、貌を見せました。 やはり、海なんでしょうか。 改めて読み返すに、声の描写がこと印象に残りました。 ところで水とは五行でいうところ、テーマカラーは黒、夜に染められた水の色。

2018-03-14 23:00:30
東和瞬 @honyakushiya

海色に溶けても~♪ は置いといて、水気質(アクママリン)が基盤というのも頷けるというか。 性格を正確に言えば、四気質のいずれもいずれでも、とか今更なことを言ってみます(ネタバレに配慮した曖昧な表現)。 そして、惚れ惚れするようなオーバーキル、ですよね。あくまで医療行為の延長のようだ

2018-03-15 21:45:52
東和瞬 @honyakushiya

陽平との邂逅が描かれる日、待っていますから。 躾のなってない野犬と夜を跳ねる黒猫でしたっけ、洒落っ気が利いてますよね。 思えば、ジグソーパズルってネーミング、猟奇的ですね。 私は前世紀の人間ですのでやりますが、向き合っていた先には達成感と同じく虚無感がやってくる、そんなものですさて

2018-03-15 21:53:46
東和瞬 @honyakushiya

ともあれ、この辺りは読み返してやっと理解できたポイントであったので、ピースの嵌る感触を脳内で感じ取ったところで。 「人工妖精の五原則」の提示です。 後述の四気質と併せて君のオリジナルの人工妖精を作ろう! と言ってしまうと悪ふざけというか業というか、昨日も言った気がしますが。

2018-03-15 21:56:58
東和瞬 @honyakushiya

枠とルールが然り嵌められているからこそ自由なのです、と説教臭い意見はさておき。 越えられない線というものは人間誰しも無意識の領分の内にあるものだと、再認識した気がします。これを機に自己を見つめ直すのも乙なものでしょう。 にしても大暴れする火気質は――うん、探すでもないな。

2018-03-15 22:01:55
東和瞬 @honyakushiya

正しくあろうとすることは呪いなのか、人に与えられた以上は言祝ぎでもあらんや、と。 「そうあれかし」という生き方は、思い出さずとも生まれた時から刻み込まれていると考えれば、少し羨んでしまうというのは卑屈になり過ぎでしょうか? 改めて、陽平相手にしてる主人公はひどく魅力的だなと思いつつ

2018-03-15 22:10:20
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