【籐真千歳作品感想まとめ】

『スワロウテイル・シリーズ』、『θ・シリーズ』等の籐真千歳先生の著作をリアルタイムに読みつつ、思ったところをマイペースに書き記していこうという試みです。 現在は『スワロウテイル 人工少女販売処』の読み返しを完了しました。
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東和瞬 @honyakushiya

一国二制度にしても、現実のそれが実感をもって「在る」感覚を与えてくれます。 けれど、ポリティカルなそれが趣味でないのも確かだったり。軍事力は見せ札だとするのが一番なのです。 時に指の本数を数えれば、ああなるほど別に嘘は言っていないのですね閣下、盲点でした。 二十年、ですからね?

2020-05-07 20:34:55
東和瞬 @honyakushiya

切なる願いとしか言いようがありません、もしここに口挟もうものならその時点で私は敗北でしょう。 人工妖精には花の喩えが寄り添うのですが、紅葉の鮮やかさが脳の裏表に刻まれました。

2020-05-07 20:39:22
東和瞬 @honyakushiya

エウロパという名がどう漂着してここに至ったのか事細かに述べるはたやすいことでしょうが、流暢な疑問形で彼女に返されてしまいそうでなんとも、ですね。 なんにしても会心の出会いにして再会だと思います。 何とも味な心遣い、リンゴ味のカレー……じゃない!? 私も久方ぶりで混乱しているようです

2020-05-07 20:43:47
東和瞬 @honyakushiya

そんなこんなで交流を経て、煉獄を潜り抜け鉄火場を再びくぐろうという揚羽ですが。 主演女優たちの共演とは打って変わって、同じく舞台裏でも地獄のターンですね。悪罵と賞賛が同居する師・深山の言葉を思えば、ホント師弟だなと思います(これ何度目だ)、でも似てるようで違うんですよねこの二人

2020-05-08 16:18:11
東和瞬 @honyakushiya

後世から時代を裁くなというのが私の頼みとする金言ですが、それと趣を変えるといえ本当悪趣味ですよね、物には言いようがあるでしょう……。 しかしミステリの文脈からするとハウダニットとホワイダニットの融合って意味で本当良くできてますよね、事態のからくり。誰がやったかが問題にならない怖さ

2020-05-08 16:27:48
東和瞬 @honyakushiya

ロジックの美しさは現実の残酷さを担保する、それが傍からすれば物語としての美しさに思えたとしても、きっと。 情理、知情、理知、感情と理性の兼ね合いを示すなら適語はいくつかあるのでしょうが、本当にこの御仁を示す言葉には迷ってしまうのでうっちゃっといて次に行きましょう。

2020-05-08 16:35:35
東和瞬 @honyakushiya

ただ、読者にとっても違った視点に立脚した教師であるのですよね。淀みなく、澱みの極みのような言葉を吐きつつも、それでも――、言葉にならない言葉でなく、あくまで言葉を紡ぎ続けたこの男のことが嫌いにはなれないんです。むろん好きにもなれませんが。

2020-05-08 16:40:51
東和瞬 @honyakushiya

舞台はもちろん、舞台裏からすら降りたのに、いまだに存在感を残し続けているように思えてなりません。 とうに人生の終わりを告げ、余韻ないし残響音だけで印象が残り続ける、その結果を私たちは既に知っている、すべて知らずとも片鱗だけでも、いいえ鱗粉か。

2020-05-08 16:45:58
東和瞬 @honyakushiya

視点を変えての答え合わせと情報共有の大切さを再確認できました。いや、今回ではじめて実感したのかも。 読者としてありがたいです、単純な繰り返しにならず要所の補完説明になってくれているわけなのですから。 しかし、切なくも虚しいですよね、紙ヤスリの真相。 茶化せる言葉ではないのです。

2020-05-08 16:52:20
東和瞬 @honyakushiya

全と一の希求ってのは必ずしも二択ではないのかなとエウロパの言葉から思うなど。 なんだかんだ言って私は真白のことも好きなんでしょうね。妹という枠型だけを愛でると言えば不躾になってしまいますが、あいまいな境界線上に在ったこの頃こそが真に彼女の名が真白くあれたのかもしれません。

2020-05-11 09:48:08
東和瞬 @honyakushiya

いつだってすれ違っている。 黒と白のコントラストが生まれて、差し込む光が陰影が生んで。影を差してやがて血化粧を施すのだ。 いつだってすれ違っている。この姉妹はすれ違っている。 きっとすれ違っていることにすら気づけないのかもしれない。でもただただいとおしい一幕なのです。

2020-05-11 09:52:50
東和瞬 @honyakushiya

会いに行く妖精は決まっているから、向こうから会いに来た。なんとも理にかなっていると思います。 「嫌い」って言葉が本当に文字通りの意味だけを示すなら、同じく「好き」でも、人と妖精はもう少し簡単に生きていけたと、そう思います。 もっと楽にはならなかったかもしれませんが。

2020-05-11 09:57:54
東和瞬 @honyakushiya

男と女と人工妖精と。 この世界が三種の性(さが)を用意した理由が少しだけ掴め、零れ落ちていった気がします。 きっとこの一巻は四巻に向けた予型なのかもしれません。 その再演が待ち遠しくも、手が届かないでほしいと思ってしまいます。 ただ、一方で風呂敷とは古風ですね、好きですよと思うのです

2020-05-11 10:01:51
東和瞬 @honyakushiya

淀みなく流れるように落ち着いて動かれますね、鏡子さん。 水鏡こそが人類の手にした最初の鏡だとすれば、水の在る処に行かれるのも納得と言いますか。 赤の女王といえば、赤の女王仮説があの講釈を聴いた後となっては実に重いです。 当の元女王はアリスのごとく伸び縮みしているわけですが。

2020-05-11 10:10:18
東和瞬 @honyakushiya

人のために不自由という枷を享受する、それも自由なのですと言って肩をすくめるほどには無様になりきれない私もいるのです。 生まれる前こそが一番自由といっても、どうすればいいのか。予定説と言えばそれまでですが、並行世界を許容するこの世界、違った未来が見てみたくなったといえば嘘になったり

2020-05-11 10:14:50
東和瞬 @honyakushiya

でも、その言葉をひるがえしてくれる。 「黒」という連想が万人と自分自身に対する罠であって、そこに描くインクなど無いのだと錯覚させてくれた。 そこに至る心理がどこかわかってしまう自分自身が呪わしい。

2020-05-11 10:26:13
東和瞬 @honyakushiya

「揚羽」と「真白」、前々から思っていましたが名前だけで言えば対称性はさほどなく、類似性に振った対比なのですね。その余裕こそが様々な対比を生んで、揚羽を絡め取り、その一方で自由にする。 自ずからの由、自由という言葉を分けるとどうして自由になれないのでしょう。

2020-05-11 10:33:22
東和瞬 @honyakushiya

四肢を砕いてもかまわないという担保はアクションを一層凄惨にし、痛みを置き去りにしようとするようです。 だけれども、それは相手も同じこと。 無償の献身は、我らの心を時に抉るのです。 このパートがここまで劇的であったかと「ハッ」とすること何度目でしょうか?

2020-05-11 10:38:57
東和瞬 @honyakushiya

きっと、誰もが心のありかを探している。 近い未来でない、近い現代でさえ、沈黙した機械相手に流す涙を我々は持てているのはきっとそう。 痛みありきで生を受けたとしても、やっぱり私は「生」というあり方そのもの賛歌と賛意を送りたいです。 構わないですよね? 誰に問う?

2020-05-11 10:44:17
東和瞬 @honyakushiya

物語を許してください、現実だって戯画めいているのですから。 だから奇跡めいた必然の流れだって、許してもらえる。 寓意じみた謎かけを投じてこの物語は人の悪意を表現しました。同時に同じ顔をして善意も表してくださるのだからなかなかに難しいのですが。

2020-05-11 10:49:14
東和瞬 @honyakushiya

さぁて、終章と参りましょう。 いつもの間の抜けたやり取りを挟む籘真節が私はとみに好きなのです。 塩を忘れると甘味も意味をなさないように、ひとつまみのペーソスを忘れてくださらないのも好きなのですが。 空白こそがいとおしいと思えるのはエゴなのでしょうが、ではひとたびのお暇を。希う

2020-05-11 10:54:45
東和瞬 @honyakushiya

希う(=恋願う) どうしてこんなに似ているのかと今気づきます。 何度目かの再発見なのかもしれませんが。

2020-05-11 11:06:17
東和瞬 @honyakushiya

とあるインターネット・ミームにたいするひとつの回答が最後の一文に現れている、そうなのです。 胸を張って先を歩むための「答え」は揚羽のこれまでの戦いが証明してくれたのかもしれません。 自己実現のために戦い続ける姿はいつだって美しい、これはきっとお仕着せの称賛でも認定でもないから。

2020-05-11 11:06:29
東和瞬 @honyakushiya

感無量の一言で言い表せるわけはないのですが、ここに『スワロウテイル 人工少女販売処』ひいてはシリーズ十周年を前にして再読リアルタイム感想の完了を宣言させていただきます。 一人類として向き合う責務というには大仰なようですが、彼女、揚羽が確かに誇りを胸にする日を追わせていただきました

2020-05-11 11:12:40
東和瞬 @honyakushiya

と、いうわけで再読に用いた媒体は電子書籍でしたので紙の本で用いた際のレビューを流用・再掲させていただきます。 祈念すべき百レビュー目の文ということもあって、私にとっても実に感慨深かったりいたしますが。 twitter.com/honyakushiya/s…

2020-05-11 11:29:03
東和瞬 @honyakushiya

水平線、男女、自我、無数の境界/線上で蝶は羽ばたく。 これは近未来、人類が土星から先に進む目を自ら...『スワロウテイル人工少女販売処』籘真千歳 ☆5 booklog.jp/users/honyakus…

2020-05-11 11:27:02
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