ついのべ（桜が満開Ver.）

ショウ @SHO_Y

空から桜が舞い落ちる。見上げた桜の木の枝に可愛らしい妖精が浮いていた。「わあ、あなた桜の妖精さんでしょ？」少女は興味津々といった様子で小さな手を差し出す。妖精はちょこんと手の平に乗ると笑みを返した。「違うよ、あたしは毛虫の妖精」少女は妖精を叩き落とした。 #twnovel

ショウ @SHO_Y

「何故この青い桜が平和の象徴と呼ばれてるか知ってる？」「ううん」「何百年も昔、ここは放射能で汚染された。でもその事故がきっかけで世界中の核兵器の根絶に成功したんだ。これはその痕跡を示す最後の木なんだよ」青い花びらは赤い海に浮かぶ。赤い地球が宇宙に浮かぶ。 #twnovel

ショウ @SHO_Y

「桜の写真ですか？」声を掛けると男はカメラを構えたまま「ええ」と頷いた。しかし男の向けるカメラの位置が桜というには低すぎる。「大きくなったなぁ」感慨に浸る男の瞳に映るのは桜の木の下で笑う制服姿の少女。「あなたにそっくりだ」男は静かに笑い、シャッターを切った。 #twnovel

ショウ @SHO_Y

恥ずかしがり屋な私。でも、年に一回の舞台ではそうも言ってられない。周りの仲間は美しく見られるように自分を表現する。それは実に華やかで心を奪われる。私も全身が熱くなるのを感じながら精一杯アピールをした。そして春が本番を迎える。「この桜、ピンクが鮮やかだね」 #twnovel

ショウ @SHO_Y

桜の花びらが目の前を舞う。しかし、この辺りに桜の木はない。視線を巡らせると、ある家の窓から少女が桜を散らしていた。理由を尋ねると春が来たことを知らせているらしい。その後歩いていると、一人の女性が桜の花びらに足を止めた。可憐な桜の想いが春を浸透させていく。 #twnovel